【人】 IX『隠者』 アリア[ それでは、とフォルから視線を外し踵を返す。 そのまま場を辞そうとして、 今度は、シトラの前でいったん足を止める。 ] シトラ、 私は上にいるから、会いたくなったら来て。 ひとりで考えたいならそれでいいし、 ひとりが不安になったら私がそばにいる。 他の人と話してみるのもいいと思うし、 お茶でも飲んで落ち着きたくなったら、 また一緒に、お茶会しよう ……私のブレンドはなんか薬っぽくなるし、 やっぱりスペシャルブレンドがいいかな [ 茶葉あったっけ、と独り言ち、意識して表情を緩める。 下手な笑顔だ。元々ちっとも慣れちゃいないけれど。 またあとでね、とやさしく言葉をかけて。 彼女の返事を聞けば今度こそ、 上りの階段を、すたすたと登っていったのだろう。 *] (55) 2022/12/14(Wed) 2:00:32 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ ちなみにこの場合の「上」とは 洋館三階に位置するタナトスの温室>>0:391 …の片隅を借りた、小さな薬草園のことである。 洋館に来た当初に本人に許可を得て 少しだけスペースを分けてもらったのだ。 メインの菜園の方に訪れるタナトスや誰それと 居合わせて会話をすることもあったのかもしれない。 **] (56) 2022/12/14(Wed) 2:01:06 |
【人】 [『 力 』 フォルス――売店:シャルと [ 無理に強請る事は無い 彼女に怒った事は――基本的に無かったと思う それは、館に住む全員にも通じるけれど。 けれど、頼られないというのは 長い付き合いでもあればこそ 少しばかり思う事はある>>0:558 ] そっか 大丈夫ならいーんだけどね まあ、でも、話してくれたら嬉しいよ そしたら嫌な夢も少しは楽になるかもしれないし 怖い夢も笑い話に変えられるかもしれないし てか、今更遠慮する仲でもないでしょ〜 [ そう言って笑った ] (57) 2022/12/14(Wed) 2:08:36 |
【人】 [『 力 』 フォルス[ アリスのプレゼントの話には ] そうかなー? もうおじさんだし、アリスの趣味についてけるか 心配で心配で…… ふは。 シャルはそうやって俺を甘やかす〜 次の誕生日は気合い入れて選ばないとね [ 期待してくれていいよ、なんて。 お世辞ではないだろうと思えるから だからそんなハードルも軽率にあげられた ] (58) 2022/12/14(Wed) 2:08:54 |
IX『隠者』 アリアは、メモを貼った。 (a7) 2022/12/14(Wed) 2:09:00 |
【人】 [『 力 』 フォルス[ 誕生日当日に会えた事は一度も無いけれど 一度だって彼女への祝福を忘れた事は無い 幼い頃、両親の手伝いを頑張って シャルの誕生日プレゼントに贈ったペン お揃いのものを自分にも買って 覚えたての文字を一生懸命教えたな、と ふと思い出して懐かしくなった>>0:553 あの頃のものは 流石にもう無いだろうけれど 贈ったものの一つでも、彼女の元で眠っていたなら嬉しい ] (59) 2022/12/14(Wed) 2:09:06 |
【人】 [『 力 』 フォルス[ 前のめりになった彼女には瞬いて くすり、と笑い声が漏れた>>0:604 ] 良かった! じゃー明日は早めに出ようか シャルの行きたい所も回れるようにさ あーでも夜のライトアップとかも 前に見た時と変わってるから見てほしいなー ――楽しみだね [ 明日はきっと、楽しい日になる ] (60) 2022/12/14(Wed) 2:09:19 |
【人】 [『 力 』 フォルス[ 当日のお楽しみ! なんとなくそう言われる気がしていた>>0:561 だから彼女が歌を披露してくれたなら 今ひととき、彼女の歌声に耳を澄ませよう ] おー! 30点! [ なんてね。なんて笑いながら拍手を贈った。 ] それにしても当日がますます楽しみになったな…… やっぱもう少しだけ、アンコール! [ このおねだりは多分失敗した。無念。 ] (61) 2022/12/14(Wed) 2:10:31 |
【人】 [『 力 』 フォルス[ 歌は処世術の為にも人並みに。 前のめりリターンズには笑みを深めて>>0:561 まあ、でも 把握しているメンバーは女の子が多い 雄々しい声がのったらハーモニーが崩れそうでは…… 程度の事は思うわけで。 チェレスタに審判してもらうとしよう チェレスタだけに ] チェレスタ、帰ってきた感じかな? ――お粗末様でした [ 淹れたのはスミスだけれど、まあ様式美として。 売店を後にするシャルを見送った。 その背に、合格を下す審判の未来視を訳も無く得た>>45 ] * (62) 2022/12/14(Wed) 2:13:44 |
[『 力 』 フォルスは、メモを貼った。 (a8) 2022/12/14(Wed) 2:21:15 |
【人】 IX『隠者』 アリア―― 洋館三階:薬草園 [ 先述の通り、タナトスの温室の片隅にそこはある。 趣味のために全てを融通してもらうのも骨。 この環境でも栽培できるならそれがいいと、 許可を得て場所を借り、適応するものを数種育てている。 季節によっては花を咲かせ良い香りがするらしい。 そこにいるという言葉を聞いた人は他にもいるだろう>>55 シトラでも、他の誰かでも、 薬師もどきがそこに来る者を拒むことはない。**] (63) 2022/12/14(Wed) 2:29:20 |
【人】 ]『運命の輪』 クロ―続・クロのむかし― [ある時、クロのいる村に中央から政府関係者の人間が訪れた。幼い息子を連れての旅行中で、村には目的地の途中で立ち寄ったらしい。身分の高い者らしく、従者を連れていた。] 宿?あるよー。 この道を真っ直ぐ行って……、 [偶然、従者の一人がクロに声をかけた。 仕事中に暑くなって、ズボンを捲り上げて膝を出していたクロは、道案内中に従者にその証を見られてしまった。視線に気づき、わーしまった!とクロは逃げた。外から来た人には特に見せないように、と言いつけられていたのに。 特徴的な痣。隠すような態度。従者は、証持ちと思われる子供だと判断し、政府にすぐさま報告を送った。その人が真面目で、迅速な行動をとったことが、クロにとっての幸運だった。>>0:204] (64) 2022/12/14(Wed) 2:29:48 |
【人】 ]『運命の輪』 クロ[子供というものは、じっとしていられないものだ。 村の子供たちを見つけた旅行中の少年は、父親から離れて遊び仲間に入れてもらいに行った。用事があった父親は、危険な場所や遠くへは行かないように、と息子へと言いつけた。 子供というものは、遊びに夢中になると大人の注意や言いつけなんて忘れてしまうものだ。 村の子供たちと近くの川へ遊びに行った少年は、足を滑らせて、水に流されて。 行方不明になった。] (65) 2022/12/14(Wed) 2:30:59 |
【人】 ]『運命の輪』 クロ[村中の大人たちで探索し、翌日見つかったその少年は、下流で変わり果てた姿になっていた。遺体に縋る父親の姿は痛々しく、見ていられるものではなかった。 息子を川に誘った犯人を出せ、出さねば村ごと消してくれる。 怒りを顕わにした父親は、冷静さを欠いていた。 悲しみを怒りに変えなければやっていられなかったのだろう。 村の大人たちは「探します」と何とか宥めて、暴発しそうな父親を宿に残し、離れた場所で話し合った。 子供たちを差し出せば、そのまま殺してしまいそうな勢いだ。しかし、少年が亡くなったのは実際、不幸な事故であって子供たちは加害者ではなかった。 かといって、子供たちを匿えば村ごと本当に潰されるかもしれない。相手は政府のお偉い様、ただの脅しかもしれなかったが、怖れを抱かせるには十分だった。 だから。 証持ちの子供を差し出そう、という意見が出たのは、自然な成り行きだった。] (66) 2022/12/14(Wed) 2:33:37 |
【人】 ]『運命の輪』 クロ違うよ、僕は遊んでいないよ。 だって、だって、僕は仲間に入れてもらえない、 [連れていかれそうになり、必死で訴えたけれど聞いてもらえない。クロが村の子供たちに近づけないのを知らない者はいないはずなのに。 こうなるのが当然だという目で見る者。 罪悪感からか目を逸らす者。 「ねえ、さすがに……」と躊躇う者がいる。 「いいや、証持ちは丈夫らしいから、死なないだろう」と打ち消す者がいる。 時折親切にしてくれた一部の村人の間にすら、仕方がないという空気が広まっていて、助けてくれる者は一人もいなかった。なおも訴えようとするクロの肩を、村長が叩いた。] (67) 2022/12/14(Wed) 2:36:10 |
【人】 ]『運命の輪』 クロ[その囁きがとどめだった。 誰も味方がいない中、訴える気力も失って、あとは黙って連れられていった。 宿に連れてこられたクロを見て、従者の一人が何か言いたげな顔をしたが、俯いていた少年は気づかなかった。] 僕が……僕が、あの子を川に誘いました。 ごめんなさい…… [事前に用意された台詞を言い終わる前に、顔に衝撃を受ける。大人から本気の力で殴られて、クロは床に転がった。子を失った親の悲しみを、暴力という形で受け止め続けるしかなかった。] (69) 2022/12/14(Wed) 2:38:09 |
【人】 ]『運命の輪』 クロ(悲しいんだな、この人はとても悲しいんだ) (悲しいのは嫌だな。……すごく、痛いし) [あまりの勢いに従者が止めても、今度は従者が殴られる始末。普通の子供ならば死んでいたかもしれない。 けれど、証持ちは確かに丈夫だった。 ぼろぼろになって動けなくなったクロを、ようやく落ち着いたらしい父親は「捨てておけ」と従者に命じ。従者は「あの人の気が変わる前に行きなさい」とこっそりと囁いて、クロを宿の外まで支え、解放した。 手を貸してくれたのは、その人だけだった。] (70) 2022/12/14(Wed) 2:38:52 |
【人】 ]『運命の輪』 クロ[よろよろと、足を引きずりながら村の中を歩いた。 家の戸はどこも閉まっていた。巻き込まれるのは御免だというように。 ふらつきながら、寝床の羊小屋までたどり着いて、扉を開けようとした。 ……開かない。 扉には鍵がかかっていた。 咎人とは無関係だと装いたかったのか。牧羊犬ですら今夜は家の中に閉じ込められているようだった。 友達に会う手段も封じられ、どこにも行き場はなく。 当てもなく歩いていたら、村の近くの森に入り込んでいた。 足元が覚束なくて、石に躓いて転んだ。] (71) 2022/12/14(Wed) 2:40:17 |
【人】 ]『運命の輪』 クロう……う、ぅ…… わああああああああ!!!! [それがきっかけとなり、クロは初めて大声をあげて泣いた。 いつかは村人たち皆とも分かり合えるのではないかと思っていた。大切に心の中に貯めていた小さな親切たちは、偽りだったのだろうか。 痛くて、寂しくて、悲しい。 「お前の不幸は我々の幸運だ」と言われたのが一番、悲しかったかもしれない。] (72) 2022/12/14(Wed) 2:42:46 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル── 回想:洋館/17歳の誕生日 ── [ 毎年誕生日の数日後に帰郷するのが習慣になっていた。 一目を避けて夜更けにそっと洋館を発つまでして帰るのは あまり気乗りのしないものだったけれど、家族らしい行事 は、まあ、不快なものではなかった。 洋館での暮らし、ナハトと過ごす時間に少しずつ満たされ 精神的にも安定してきたのか、疾うに諦めていた人たちが 歩み寄ろうとしてくれることを素直に受け入れられた。 17歳の誕生日を迎える一週間前。 いつものようにそれを知らせる手紙を待っていたけれど、 待てども知らせは届かない。 手紙を書いても宛先不明で戻ってくる有様に、なんとなく 指先が冷える感じがする。 洋館の職員に、父を──コールリッジ卿について調べて もらうように依頼した。 中央の邸宅の主に何かがあるなら、調べることも容易で あろうと、その報せを待つ。 ] (74) 2022/12/14(Wed) 2:46:16 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ 春、雨上がりの朝に生まれた。 宿命だったのか、 或いは二人とも死産の筈が、証持ちだけがその性質故に 生き残ってしまったのか。 一人きりで生まれた日。 喪失感に身も世もなく泣くしか出来なかった、 丁度こんな日だった。 握り潰した報告書。ただ窓の外を見ている。 約束の時間になっても現れないので迎えに来てくれた彼 を声だけで部屋に招く。 「卿は半年前に職を辞し、中央の邸宅を引き払い、 婦人の療養の為に南に小さな屋敷を買って暮らしている」 そうだ。 ──何かを、期待していたわけじゃない。 ただ、そこにあることだけは疑っていなかったものが なくなっただけだ。 たとえば、愛はなくとも、家族の繋がりだとか。 ] (75) 2022/12/14(Wed) 2:48:03 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ でも、────ああ、それでも。 それは長い夢を醒すノックの音だった。 「 ──ねえ、どうしていないの?」 いつかの少女の嘆きがリフレインする。 ] (76) 2022/12/14(Wed) 2:48:24 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ 知りたくなかった。気付きたくなかった。 どうしたって 生きて いる ことを許してはくれなかった。 生きていたくて、でも許されない気がしていて、 それを誰かに本当はあなたたちに認めて貰いたかった。 でもその答えがこれなの。 ] (78) 2022/12/14(Wed) 2:49:00 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ 駄目だってわかってた。 兄がいて、私がいて、家族四人が あなたたちの望む 完璧だった。でもどうしたって わたしたちはひとり で。 ──── ひとり、で。 ] (79) 2022/12/14(Wed) 2:49:18 |
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