【人】 「邪毒」 スカリオーネ――店内―― [>>100言葉を返そうとして男は口を噤んだ。 現在までの間に『ケチではない』などのやり取りを幾度したことだろう。 パンの耳や珈琲を最低級のものにしている辺りケチであることに疑いはないのだが、事が事であればケチなことはしないと決めている。 呟かれた願いを叶える術は男にあるが為すためには僅かに築いた信用や信頼を失いかねない覚悟も必要なことも事実だ。 >>101変わり身を探すと言っているが可能かどうかはさておいて] 無駄な肉がなくなりほっそりした身体つきになれるな。 後は身体中の毒素を抜き出して肉体を健常化させたりな。 身体の線を整えるのも『美』肌の内だぞ。 何も吹き出物だけが対象ではない。 [男の場合でも肉体『美』を魅せるために余分な堕肉を落としたいならば可能だ。 流石に筋骨格から変えることはできないが] (105) 2022/11/21(Mon) 21:42:11 |
【人】 「邪毒」 スカリオーネはいはい、約束だ、約束。 指切でもしてやろうか? [>>104どうやら今日は帰ってくれるらしいが近々見つかっても見つからなくてもやってくるだろうことはいつもの流れなのでやや気のない返事をする] お前さんも『美』肌を磨けば客の気持ちがわかるかもな。 描くなら気持ちがわかったほうが良いんじゃないか。 [結局は誰かを連れてこようとするだろうその背に助言を送り見送った] (106) 2022/11/21(Mon) 21:45:06 |
【人】 「邪毒」 スカリオーネ……ふぅ。 [紫煙をくゆらせる。 これもまた魔薬の一種であり独特な香りがするものだ] 『綺麗』、か。 久しく本人以外からは聞かない言葉だな。 [男は一つ頷くと頬を噛むように緩むのを抑えながら大きく紫煙を吸い込み、噎せた。 今の表情をリュディガーに見せるわけにもいくまいと仏頂面で見送った後、店内にはそうした咳の音が響いていた**] (107) 2022/11/21(Mon) 21:47:50 |
「邪毒」 スカリオーネは、メモを貼った。 (a23) 2022/11/21(Mon) 21:53:59 |
【人】 影街の魔女 ブランシュ―影街「ヴンダーカマー」― 「おや…珍しいお客様ですね。」 片側の顔に蝶のような仮面をつけた男>>77の来訪に、一目見て魔女は訝しげな顔を向けた。 どうやら、手にした袋には何か蠢くものが収められているようで、何であるかは確かに聞かずとも、透視せずともある程度察しはついたのだが。 「失礼ながら、それはあなたの所有物ですか? 無論、人の財産をあなたが勝手に処分する権利がないのは、物の道理というものでしょう。 ですから、普通はそんなものはない、と言うところですが… ふむ。」 魔女はじっと仮面の男を見て、目を細めた。 (108) 2022/11/21(Mon) 22:20:20 |
【人】 影街の魔女 ブランシュ「まあ、でも……良いでしょう。 それならそれで、相応しいものもあります。 と言っても、私にはあなたの事情は何もわからないんですけれど。 それに、普段は注文をお任せされることもありません。 美とは人によって全く異なるもので、本来は寿命を賭けてまで求めるほどのものなのですからね? ですから、文句はなしです。道理でしょう。 それでも良ければ……」 と言って、男の前に小さな紫色のガラス小瓶をコトン、と置いた。 「忘却の秘薬です。個人差はありますが、一口啜れば怒りを忘れ、二口啜れば怒りの元も全て忘れ、飲み干せば全てを忘れます。 まあ、本当に忘れたいならもっと効き目は出るかもしれませんが…そこはそれ。 ともかく、深く考えずお試しになってみることです。 別に対価はあなたの寿命でもあるまいし。」 くすくすと笑みながら、瓶の処置は男に任せることにした* (109) 2022/11/21(Mon) 22:20:29 |
【人】 人造生物 ユスターシュ――現在/中央広場―― ―――わぁ……! [中央広場の一画。 人混みにぶつからないよう気をつけながらそれでもつい気になって周囲を見回す青年の姿は、どこをどう見ても『おのぼりさん』のそれである。] (110) 2022/11/21(Mon) 22:20:38 |
【人】 人造生物 ユスターシュすごい…人間って、こんなにたくさんいるんだ……。 [生まれて初めて歩く街並みは、遠くから思い描き焦がれた景色よりもずっと遥かに、音と光とそして熱気に溢れていて。] ……えへへ。 [つい頬が緩んでしまうのを止められない。 明るい陽の光の下を歩くことも、海から吹く風と匂いも、沢山の人間たちが集う熱気も喧騒も。 何もかもが初めてで、そして。 ―――誰も僕を怖がらないでいてくれることが、 こんなにも嬉しいことだなんて知らなかった。 数日前までの僕は、正真正銘の『化け物』だったから。] (111) 2022/11/21(Mon) 22:23:34 |
【人】 人造生物 ユスターシュ――回想/数日前―― [数日前。 ただでさえ人も灯りも少ないであろう影街の、更に夜遅く。 裏通りの片隅にある店>>44を目指して蠢く"影"があった。 文字通り"影"としかいいようのないそれは、頭から足元まですっぽりと古びた布を被ってその姿を覆い隠している。 しかし足元からは何かを引きずったような痕が石畳に残されていて。 ほんの僅か、運悪くその影を目撃することになった住人たちも、何も見なかったことにしてその影から目を逸らした。] ……。 (112) 2022/11/21(Mon) 22:26:08 |
【人】 人造生物 ユスターシュ…あの。こんばんは。 [影が控えめに店のドアをノックする。 時間も既に遅い、店主が眠っていたら申し訳ないとは思うけれど。この街において自分が明るい時間帯に動くことはあまりにもリスクが高かった。] 夜分遅くに、申し訳ありません。 店主さんに、お願いがあってきました。 [低く、くぐもった、しかしどこかたどたどしい声が言葉を紡ぐ。] ……僕、人間になりたいんです。 (113) 2022/11/21(Mon) 22:28:22 |
【人】 人造生物 ユスターシュ[もし。姿を見せろと店主に言われれば、少し躊躇った後に布を取り払ってみせただろう。 黒い、地瀝青のような質感の不定形の身体に、そこから生えた数本の触手と、身体の表面には遊色が煌めく蛋白石のような無数の目。 原生の魔物であるスライムにも似ているが、それよりも遥かに歪で禍々しい印象を受けることだろう] 僕を造った主様は、 僕のことを「失敗作」だと言っていました。 それは…そうなんだと思います。 [それは、創造主にかけられた最初で最期の言葉。] 「化け物」ともいわれました。 それも…、きっとそうなんです……。 [生まれ落ちてから彼方此方を彷徨って、その中でずっと言われてきた言葉。 そのときのことを思い出して、申し訳なさと居た堪れなさに、しおしおと身体の面積が小さくなっていく] (114) 2022/11/21(Mon) 22:30:05 |
【人】 人造生物 ユスターシュ…でも、僕も生きてみたい。 僕を造ったあの人と同じ、 人間たちの中で、陽のあたる世界で生きてみたい。 うまく、言えないけれど…それが、僕の夢なんです。 [ずっと、このまま一人ぼっちは嫌だから。 だから、人目を忍びながらこの地までずっと旅をしてきた。 人間になって、誰にも怖がられなくなって。 そして、 …此処にいてもいいって言ってほしいから ] (115) 2022/11/21(Mon) 22:32:22 |
【人】 奏者 イルムヒルト─ Bar passion ─ [圧をかけ続けた結果の、一滴は 女の凪いだままの水面を揺らす 注がれ続けるものから 確かにそこに見出したものが、ある] ――― 命を割るような 音を ―― (116) 2022/11/21(Mon) 22:33:35 |
【人】 人造生物 ユスターシュ…あなたは、命の長さや若さと引き換えに 理想の姿を与えてくれるって>>50旅の人の噂で聞きました。 ……難しいことは、よくわからないし、 僕の残りの命があとどれくらいあるのかもわからないけれど。 でも。 この綺麗な街で、誰にも怖がられずに何日か過ごせるなら 貴女の欲しいだけ、持っていってくれていいです。 (117) 2022/11/21(Mon) 22:34:09 |
【人】 人造生物 ユスターシュだから…お願いです。 どうか、僕の願いを叶えてください。 [そう言葉にするのと同時、頭を下げるようにして不定形の身体を蠢かせた。]* (119) 2022/11/21(Mon) 22:36:20 |
【人】 踊子 リリー[ 行き交う人々が時折こちらを見つめている。 有力者の顔や、有名ではない女のことは知らずとも フェス前のこの光景は、確かに目を惹くものだ。 ふ、と息を吐いた。 ] ──このフェス中に、 私は……自覚している不足のピースを 己で埋めてみようと、思っています。 それが私の────美への、覚悟、です。 [ 自らが輝くためのステージを。 欲のまま望むなら、確かに今手を取るのが正解だ。 誰だって他人の敷いたレールを走り、 求められるがまま進む方が楽だから。 けれどきっと、それではまだ足りない。 私の求める美は ──……もっと…。 ] (122) 2022/11/21(Mon) 22:37:44 |
【人】 踊子 リリーそのうえでお気に召していただけたなら、 改めてお話を。 ……というのは、些か失礼、でしょうか? [ それを理由に手を引かれても止む無し、と。 女は背筋を伸ばしたまま、 すこしだけ眉を下げた。* ] (123) 2022/11/21(Mon) 22:37:46 |
【人】 影街の魔女 ブランシュー居住区の一角 ベランダー 黒い梟は、スカリオーネの少々苦み走った表情と、予約についての回答>>90>>91を黙って聞いていた。もっとも、細かなニュアンスまで主に伝えることはないのだが。 『ホウ。承知シマシタ。主ブランシュニハ、スカリオーネサンハオ手空キノヨウデストオ伝エイタシマス。 例ノトオリ、所望スル魔薬ナドアレバオ考エヲ。人間ノ金ガ必要ナラバオ申シツケクダサイ。ソレデハ。ホウ。』 (124) 2022/11/21(Mon) 22:44:59 |
【人】 影街の魔女 ブランシュ黒い梟はそう言うと、バサバサと翼をはためかせ窓から飛んでいった。 実のところ、魔女は男の事をまあまあ贔屓にはしていたのだった。 男が言う通り>>91施術で若さそのものが保てるとは思わない。 しかし、他人から吸い取る若さだけでは元の自分の美しさを超えることはできない。 魔女は、他人に見られるためではなく、専ら自分自身のために、己の美しさを追求していたし、そのためなら何でも試してみるつもりはあったのだ。 そして、男の腕は今のところ魔女の眼鏡にかなっていた。 それだけのことだ* (125) 2022/11/21(Mon) 22:45:09 |
人造生物 ユスターシュは、メモを貼った。 (a24) 2022/11/21(Mon) 22:58:25 |
【人】 「怪人」 ファントム―影街「ヴンダーカマー」― 『忘却』。 彼女の言葉が甘やかな響きとなって頭の中に広がる。 確かに、全てを忘れてしまえばいい。 自らの身に起こった事も、とうに人の身でない事も、自らがした行いさえ忘れて、何事もなかったかのように、舞台へ上がる。 ――全ての痛みを忘れ去って、幸せな日々に戻っていく。 ゆっくりと、手が小瓶を握りこむ。 蓋を開けて、口元へと運び、中身を流し込むと、喉が液体を飲み下そうとする――― (126) 2022/11/21(Mon) 23:06:35 |
【人】 「怪人」 ファントム「 ――…がふっ!げはっ! 」すんでのところで、薬を飲み込むことは無かった。 うずくまり、喉に流れ込んだ薬を吐き出す。 なぜ、みすみす薬を吐き出したのかは、己にもわからない。 土壇場になって我知らず怖気づいたのか、心の底では「魔女」を信用しきっていなかったのか――はたまた別の何か。 (127) 2022/11/21(Mon) 23:06:53 |
【人】 「怪人」 ファントム「…クリスティーヌ」 止むことのない怒りと引き換えにしても、忘れてはならないものを思い出して、踏みとどまったか。 (128) 2022/11/21(Mon) 23:07:04 |
【人】 「怪人」 ファントム「すみません、店を汚してしまった。」 なんとか、息を整えて立ち上がる。 無理やり吐き出した影響で、肺がずきずきと痛んだ。 「…代わりに、一つ注文が出来ましたよ。 何の意味もない、子供騙しのような薬を一つ下さい。 例えば、しばらく笑いが止まらなくなるとか、一日だけ猫ひげが生えるとか、しっぽが生えるなんて…。 そんなものがいい。 コイツの寿命に、忘れ薬と交換に出来る価値なんてないのだから。 そうでしょう?」 『彼ら』の命に、自分の記憶と引き換えにする価値などない。 だからこそ、くだらない彼らの命に見合う報酬を魔女に求めた。* (129) 2022/11/21(Mon) 23:07:25 |
【人】 「邪毒」 スカリオーネ――店内―― [期待していなかったところから得た称賛に気がよくなるのだから男は身勝手なものだと自嘲しながら店内を掃除して回る。 客商売であるから暇であっても店内の清掃を欠かしたことはない。 特に術を施す円柱状の部屋は念入りに整えておく。 室内は白色で清潔感を出し過度な装飾品は存在しない。 絵画や絨毯を敷いているのは主にロビーの方となる。 中央に身体が沈み込む程に柔らかなベッドが一つあり、他の調度品はベッドよりも低い位置にしかない。 上を見上げると天井は吹き抜けになっておりステンドグラス風のガラスがはめ込まれ陽の運動によって室内に差し込む光の色や加減が変わるため白色である方が好ましい。 四角い店舗の中に円柱状の部屋があるのだから他の部屋の間取りは窮屈なものだが男は気にした風はなく二階に住んでいた] (130) 2022/11/21(Mon) 23:16:06 |
【人】 大富豪 シメオン─ Bar passion ─ [リュートの音が変わる。 女の演奏に変わりはないというのに、その音の響きは澄み渡る水面の様であり、荒ぶる春の嵐の様でもある。 掴んだのだろう。 女は確かに『こちら側』に足を踏み入れた。 その音は確かに美しい。] (131) 2022/11/21(Mon) 23:16:35 |
【人】 大富豪 シメオン……美しい音色だ…… [綺麗に積み上げた金貨を崩す。 それがジャラジャラとテーブルに散らばる。 男はその老いた風貌に合わぬ鋭い眼光で女を見る。 いや、女の奏でる音を見ていた。*] (132) 2022/11/21(Mon) 23:17:15 |
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