198 【突発身内RP】明日世界が滅びるとしても僕たちは旅に出たい
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── どこかの隙間 ──
節分は家族としました。 学校ではどうかな、誰かと恵方巻食べたような 食べてないような。
方角どっちとか、話しちゃだめなのに 声出させようとする人とか。 そういうわちゃわちゃがあったかもしれない。
「 チョコはお世話になった人に あげたりあげなかったり? 」
父とか、伊緒とか。 男性に渡すのはわかるので袋詰のものは男性に。 余ったものは女性にもわけたり。
お菓子を作るのはきらいじゃないので、 気が向いた年は作って渡している。 (3) 2023/02/03(Fri) 13:21:54 |
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今年は気が向いた方なので材料が家にある。 勉強ばかりしていると心を無にして何かを作る そんな時間が欲しくなるのだ。
まひろは父にだけ渡すらしい。
「 私のは? 」
性別の垣根を超えてせびってみる。** (4) 2023/02/03(Fri) 13:22:01 |
| 「 友チョコじゃなくてもいいよ。 」 くれるなら、もらう気満々ホトトギス。 どんな気持ちも、受け取る心算 >>9 心の一句を心のなかで読み上げて せびるのをやめることはない。 嫌だと言われればやめるけれど なにやら少し黙って思考している様子なので もしかしたら本当にもらえるかも、と 期待を胸に見つめている。 (11) 2023/02/03(Fri) 16:37:37 |
| 「 おー。偉いね。 」 せびった人間だけでなく、他の男子にも 分けようとするのは偉いことだと >>10 少し前聞いたような言葉を出した >>8 私の受験日程はバレンタインの少し前だ。 だからある意味、貰えるのなら合格祝いのようになる。 今年は何を作ろうかな。 息抜きの会話をしながら、息抜きに考えて。 時は過ぎていく。 (12) 2023/02/03(Fri) 16:37:45 |
| ── バレンタイン当日 ── チョコを持ってくる女子。 貰う側は男子も女子も様々。 その場で食べる人だって多分いて。 その日はほんのりと学校内に甘い匂いが 漂っているような気がした。 貰うのならちゃんとしたのをと 透明な製菓用袋で梱包した菓子を まひろに一つ渡して。 伊緒が人前を気にしないのならそちらにもひとつ。 その後に。 「 …………。 」 眠そうにしている男の >>7、参考書と体の間 机の上にぽんと無言で菓子を置いた。 (13) 2023/02/03(Fri) 16:37:53 |
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本日作ったのはチョコマフィンである。 混ぜて型に入れてチョコチップを乗せるだけという 食べごたえあって美味しい割に作り方の簡単なものだ。
「 糖分は大事だよ。 」
まひろや伊緒に続いて受験の終わった身、 結果発表はまだではあるものの あとは残りの人を応援するだけである。
大地に渡した後は栄純にわたす予定な 菓子を入れた袋には梱包されたものがあと2つ。
実はあとひとつは、中森先生に渡すものだ** (14) 2023/02/03(Fri) 16:38:34 |
| 「 そういうのもあるね。 」 他にどういうのがあるか知らないが。 これからも仲良くしてねチョコとか? 余ったからおすそ分けチョコとか? 百合の花が芽生える気配のない空気 >>15 芽生えさせようとすれば無理なんてこと なかったのかもしれないけれど。 大変な危機的状況、吊り橋効果でもなければ 双方に種が蒔かれることもないのだろう。 (24) 2023/02/04(Sat) 7:49:41 |
| そしてバレンタインの日。 「 そんなにすごくないよ。 ……いや、すごいのかな? 」 自分で作る手順自体は簡単だけれど まひろの料理の腕は知っていたから 首を傾げながら答自問 >>16 しかし手に可愛らしくラッピングされた箱が乗れば 嬉しそうに顔を綻ばせて「やったー」と呟いた。 今すぐこの場で開けることはしないが いつ食べようかと思考が頭を走る。 (25) 2023/02/04(Sat) 7:49:51 |
| 「 そうなんだ? 種類あると全部食べたくなるね。 」 いつも近場で材料を購入するのは私も同じ わざわざ良いとこに買いに行くことはなかった >>17 ちゃんとしたチョコレート売り場であれば きっとどれも美味しくて凝っている。 手作りは手間はかかっているものの そういった場で売っているものより味は大雑把だろう。 まずいと言われることはないだろうし 受け取ってもらえないことも多分ないだろうが 手作りより市販品のほうが喜ばれるんだろうなぁ なんてふわふわ思っていた。 思ったところで作るのだが。 (26) 2023/02/04(Sat) 7:50:03 |
| 「 うん。 」 伊緒は喜んでくれるから渡し甲斐がある >>22 お菓子作りにハマっている時期があって クッキーやケーキ、シュークリームを作っていた時も 相手の都合が悪くなければ たまにおすそ分けしていた。 それも途中で飽きてぱったりやめてしまったけれど。 ハマるときはハマるし、飽きるときは飽きる。 そういう性分であるからこそ 諸行無常のように世界を思っているのかもしれない。** (27) 2023/02/04(Sat) 7:50:15 |
| 怨霊チョコほしいほしいとなっていることなんて >>28 全く想像していなかったもので。 なにやらちょことかばれんたいんとか呟いている 大地に首を傾げながらも、「がんばれー」と 一言応援の言葉もかけてから その場を離れたのだった。 でっかい小声も聞こえていないまま >>29 ちらりと見られたことにも気が付かないまま 栄純に渡していたところに響く大声 ぱちぱちと目を瞬いて顔を向ける。 (38) 2023/02/04(Sat) 20:21:02 |
| 「 ……うん。 」 彼のような大きな声は上げなかったから 声自体は聞こえなかっただろうけれど。 ピースサインを返したから 視力が悪くなければ見えているだろう。 先程の様子と違って随分嬉しそうに見えるから 私も嬉しくなり頬を緩ませる。 ホワイトデー。別にお返しが欲しいから渡している わけではないから貰えても貰えなくても どちらでも良いけれど >>30 いつもなら忘れてしまうこと、覚えているよう 努めようと、小さくもう一度頷いたら 栄純に不思議そうな顔をされたかな。 (39) 2023/02/04(Sat) 20:21:10 |
| 無敵大地マンとなっていると知ったら 面白くて笑ってしまっただろうけれど 心の声ならその理由は聞こえやしない。 彼が頑張っている姿を見て、応援して まひろや伊緒や栄純と旅行計画を立てて たまに大地マンに糖分を分けて。 そうしていたら日はあっという間に過ぎていく。 大地のテスト後、上手くいったか >>34 皆で聞いたりもしたけどなんて答えられたか。 (40) 2023/02/04(Sat) 20:21:18 |
| 卒業式を迎えて、制服を着収めて。 旅行前日の日 >>32 いつも通りマイペースに過ごす、というには 少しだけ時計を見る回数が増えていたところ。 大地の合格発表の時間になれば 携帯を前にしてじっと待っていた。 やがて、送られてくるメッセージ。 ほ、っと息を吐く。 (41) 2023/02/04(Sat) 20:21:38 |
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『 おめでと。 』
一言送り返したなら、ゆっくりと目を閉じた。
もし世界が滅んでしまっていたら この感情も感じなかったのだろうか。
そう思えば、少しだけ。 やっぱりこのまま世界が続いてほしいかも、 なんて、心のなかで思ったのだ。** (42) 2023/02/04(Sat) 20:22:13 |
| 初めて見る絵柄のラインスタンプ >>43 可愛らしく動くクマ >>45 私は普段からスタンプを送る方ではなく 収集もしていないから、視覚的に気持ちを表す 方法は持っていなかったけれど。 少しだけ考えて。 「 …………。 」 写真を一枚送信した。 彼ら彼女らに送られた画像には あまり上手くない動物のような顔が 『おめでとう』と言っている絵がある。 即興で描いた 烏賊animalであった。 絵の出来栄えは中森先生に見せたら (18)1d100点と言われそうなくらいなものだ。 (57) 2023/02/05(Sun) 19:05:25 |
| 明日の準備は既に済ませてある。 旅の中で食べるお菓子と、 道中遊べるようにノートと。 その他旅行に必要なものを色々。
踊る心を表すように高鳴る心臓に 受験のときでも眠ることが出来たというのに 夜の睡眠を少し心配した。 (58) 2023/02/05(Sun) 19:05:36 |
| 当日、いつもなら目覚めない時間に起きて 二度寝しようか悩んで、結局起きて。 朝の支度をした後に 荷物のチェックをすれば予定時間に家を出た。
ずんずんと進む足取りはいつもより元気だ。 足がいつもより随分軽いのだ。
気持ちのまま駆け出したいような 駆け出したら疲れてしまうからよくないような そんな逡巡に思考を浸していれば 目的地はいつの間にやら目の前に。 (59) 2023/02/05(Sun) 19:05:41 |
| 「 伊緒、まひろ。 おはよ。 」 どうやら私が着いたのは三番目。 姿が見えれば小走りで駆け寄る。 まだ大地は来ていないらしい。 「 青汁いいな。 」 私もなにか買って飲もうか、もうすぐ来るなら 待っていたほうが良いか。 その場から動かないまま売り場に目を向けていれば やがて大きな声がやってくる >>52 (60) 2023/02/05(Sun) 19:05:47 |
| 「 おはよ。合格おめでとう。 」 顔が見えれば手を上げて改めて祝いの言葉を伝えた。 特に遅れたことに今、言うことはない。 後でなにか要求はするだろうが。 全員が揃えば伊緒が何かを取り出して渡してきた >>48 「 おお、本格的。 伊緒すごい。」 さらりと目を通して褒め言葉をおくる。 確かにあったほうがぽく >>50、 しかしその発想は私には思いつかなかった。 (61) 2023/02/05(Sun) 19:05:55 |
| 元気な掛け声の後乗り込んだ どこまでも続く無限列車 >>53 目にする先はこの短い人生で、まだ実際には 見たことないものばかりだろう。 道中トランプで遊んだり、持ってきたノートで お絵かきしりとりをしたり。 どこかのタイミング、早起きのし過ぎで 眠くなってしまって、いつの間にやら 隣の人の肩にもたれて夢の世界に旅立ったり。 やがてたどり着いたのは ─── ネズミが主役の夢の遊園地だ。 (62) 2023/02/05(Sun) 19:06:56 |
| 「 一番カッコイイチケット。 」 その言葉を私は勿論忘れていない >>1:19 じ、と大地に視線を向けて しかしその表情は見る人が見れば 面白がっていることがわかるだろう。 チケットにかっこいいもかっこ悪いもないことは 流石に私もわかっていた。 もしかしたら私の知らないところで 出来上がっている概念かも知れないが。 とりあえず、彼がどんな対応をするのかという点に 今は着目している。 中に入れば観光者らしく、頭に被り物だとか カチューシャだとかをつけて 色々な遊具を楽しむのだろう。** (63) 2023/02/05(Sun) 19:07:04 |
| ちなみに私は無事に大学受験合格している。 ということを皆に伝えたら同じように お祝いの言葉を貰ったのだったか。 電車内に中森先生(想像)曰く点数18の女と >>57 美術の成績11の女がいた >>64 他の男どもがどうだったかは知らないが そのしりとりの行方は混迷を極めただろう。 昨日の絵がなんだったのか問われれば 素直に烏賊ですと答えるものの 疑問視されればこちらも不思議そうに見つめよう。 自分の絵は上手くないのだと事実は知っていても 自分にはあの絵は烏賊にしか見えない。 (67) 2023/02/05(Sun) 20:08:42 |
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まひろの顔は華やかに私は感じるし、 今の髪の色から主役のねずみは十分似合っていた。
「 うん、素敵だよ、みっ 」
それ以上はいけない! と誰かに止められたか、突然強い風が吹いたか。 私の頭には黄色いくまのフードがある。 浮かれポンチであった。** (68) 2023/02/05(Sun) 20:09:14 |
| ── 旅行中のどこか、寝る前に ── 男子と女子、性別が違うなら部屋も分かれる。 温泉なら旅館だったりするだろうか 夜寝る前、まひろと二人の時間に 浴衣で少しの間、穏やかに語らう。 「 あのね、わたし。 世界滅びないかなって ちょっと前まで思ってた。 」 なぜ、と理由を問われたのなら 少しだけ答えるのを悩んだ。 皆と離れたくない、という思いはあったけれど どこかの誰かが言っていたような 強い激情は持っていなかった >>34 強いて言うなら 「 忘れてしまう、ということが、怖かったかな。 」 (69) 2023/02/05(Sun) 20:52:31 |
| 忘れることも、忘れられることも。 生きていれば変わることは どうしたって止められないから >>2:38 「 でもね。 皆と一緒に旅行に行けて、楽しい。 」 毎日楽しいの気持ちがいっぱいになるくらい 目の前が輝いている。 惜しむ気持ちが霞んでしまうくらい 今が嬉しくて仕方ないのだ。 (70) 2023/02/05(Sun) 20:52:45 |
| 「 滅びなくて、よかった。 」 旅の始まりにまひろが零した言葉と >>55 同じ言葉を私も呟いた。 まだ滅びないだけかもしれないけれど 少なくとも、今この瞬間を生きられて、本当に。 (71) 2023/02/05(Sun) 20:52:55 |
| やがて電灯が落とされると、少しの間だけ 暗い天井を見つめた。
明日も起きたら、また皆と会えるかな。 祈りのような思いを小さく吸って吐いた 息にだけ乗せて。
目を静かに閉じる。** (72) 2023/02/05(Sun) 20:53:09 |
| まさか、本当にカッコイイチケットなるものが 存在しているとは思いもしなかった >>87 テーマパークにそう多く行かない私だから 絵柄の違いがあるなんて 気にしたことさえなかったもの。 「 ……おー。 」 貰って眺めたチケットはカッコイイかというと ……かっこいいのである。 よく見かけるような カラフルな色やポップな絵柄が抑えられ、 線や影を中心にシックにデザインされている。 アラビアンでエキゾチックなそのチケットは 私にも十分かっこよく見えた。 (94) 2023/02/06(Mon) 16:40:22 |
| 感謝の言葉を述べた後、早速園内へと入った。 それぞれ可愛かったりかっこよかったり 特徴ある被り物をしては写真を撮ったり >>88 いくつかのアトラクションを楽しんでは笑って。 けれど、意識の隙間の時間、ぼんやりしていたのか ふと気がつけば傍には大地しかいなくなっていた >>89 周りを見渡してもすぐには見つからない。 「 いないね? どこ行ったんだろ。 」 気をつけろと、迷子になったら大変だと その言葉は聞いたから、迷子にならないで探すには どうしようか考える。 なにかその後も大地がごにょごにょ言っていたけれど 判然としないので首を傾げた。 (95) 2023/02/06(Mon) 16:41:14 |
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とりあえず大地の手を取って隅の方に移りながら LINEで伊緒に連絡することにしたけれど。
移動途中くらいで見つけてもらったかな。 連絡してから合流したかもしれない。
それでも、はぐれたら良くないと言われていれば そういうものかと思って手は繋いだまま。
春の陽気が少しづつ近づいているとはいえ まだ寒さの残る頃。 アトラクションへの興奮のためか、大地の手は あったかかった。 (96) 2023/02/06(Mon) 16:42:42 |
| はぐれた人たちと互いに顔を合わせたなら ほっとして息を小さく吐いた。 不安というほどのことではなかったが、 人混みの多い中、見つからないという可能性も ないこともないこともなかったかもしれないから。 声を掛け合って、繋いだ手を離そうとしたところ 盛大なパレードが始まる >>91 「 わ。 」 思わずパレードに目を向けていたら、声を上げた大地が 繋いだままの手を引っ張り始めた。 合わせるように足を動かし、パレードへと近づく。 またはぐれないだろうかと少し思って 後ろを振り返りながらも。 視界に入ったパレードの演出にやがて 意識はそちらへと持っていかれて。 繋いだ手を離すことも忘れてしまえば 綺羅びやかな夢の世界へと誘われる。** (97) 2023/02/06(Mon) 16:43:41 |
| 踊りながら、音楽を鳴らしながら 前を進んでいく華やかなキャラクターたち >>99 今までこういうものに興味を持ったことは 少なかったけれど 堂々とした姿で魅せる動きをされると 思わず目がそちらを向いてしまう。 そこに横から声がかかったなら、 寝ているところを揺すられているような 夢見心地の気分のまま隣へと視線を移した。 大地もこちらを向いていたのなら、 なにやら真面目そうな顔をしていることが わかっただろうけれど。 (104) 2023/02/06(Mon) 19:59:25 |
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言葉の途中で大きな音が鳴った。 予想していなかったのでびっくりして ぎゅ、と繋いだ手に力を込めてしまう。
そこでやっと、まだ手を繋いだままだったことに 気がついて視線をそちらへと向ける。
先程よりも多い人垣の中で、 今離して良いのかわからなかったから 結局そのままにしといた。 (105) 2023/02/06(Mon) 19:59:35 |
| 大地が声を上げたくまを見つけようと 顔を上げてパレードを見ていたら やがて三人がやってくるだろうか >>100 はぐれたらいけないからと手を繋いでいるのに 他の人とはぐれそうになっていたから やはり大地は頭が悪いのかもしれない。 「 皆で手を繋いだ方がいいのかな? 」 思いついたようにぽつりと落とした声は 誰かに拾われたかパレードの歓声に消えていったか。 とりあえずパフォーマーとハイタッチするときには 手は離れていたのだろう。 (106) 2023/02/06(Mon) 20:00:06 |
| ネズミの国にお化け屋敷はない。(多分) けれど少しホラーなアトラクションはあったかも 私とまひろは同盟を組んでいたように >>0:38 耐性が低かったので >>0:33>>0:35 入る話になったときにはえー、というような 顔をしたかもしれないし。 実際に入ったときにはそれこそ身を寄せ合って いたのかもしれない。 なにはともあれ、楽しかったと心から言えるくらいには 私たちは夢の国を満喫した。 はしゃぎすぎて次の場所へ向かう電車の中では 少しぐったりしていた者もいたり。 (107) 2023/02/06(Mon) 20:00:20 |
| さて、夢の国を満喫したその日だったか それとも次の日だったか。 様々な駅弁が集まると有名な駅を >>93 誰かが見つけたので満場一致で向かうことになった。 「 現物見ても、やっぱり迷う……。 」 これはもう神様にでも任せたほうがいいのかも そう思って指をさしながら小声で歌っていた。 やがて選んだものを手にしていれば 次乗る予定の電車が来る放送が入る。 まとめて買ってくれるという大地に甘えて 会計をしてもらい、電車に急いで乗り込んだ。 (108) 2023/02/06(Mon) 20:00:32 |
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「 そういえば、大地。 旅行、遅刻してきたよね? 」
と、弁当を食べる段階になったときのこと。 既にお金は渡してあるので、要求はそちらではない。
「 えい。 」
大地のお弁当に箸を伸ばせば、一品中身を 奪い取った。そのまま食べてしまったら もう返せないところに行ってしまう。 (109) 2023/02/06(Mon) 20:00:40 |
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これが罰ということである。 一回は一回なのだ。
他の皆はどうしていたか。 少しした後に自分の弁当に入っていた 一品を大地の弁当に入れた。
「 交換。 」
育ち盛りは終わりごろかもしれなくとも まだまだ続く旅行でお腹が空いては困ったもの。 自分と違う内容の弁当を食べさせてもらう、 というのが罰の内容であった。 (110) 2023/02/06(Mon) 20:00:48 |
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美味しい弁当に舌鼓を打って。 物珍しい景色を眺めながら雑談や遊びに興じる。
ちなみに、私が買った弁当はだるま弁当だ。
初めて食べた駅弁は、青春の味として ずっと記憶に残ったら良いなと思う。** (111) 2023/02/06(Mon) 20:00:54 |
| 温泉はなんか効能があるらしく白濁としていた。 色がついている方がそれっぽいとは思っていたので まひろと隣合わせで浸かっている時、珍しさに 掬っては落として、掬っては眺めて。 「 いい湯だね。 」 きゃーあなたの胸大きいわね〜〜 みたいなきゃらきゃらしたことは 多分言わない性格同士。 男湯の方がどうなっているのかは知らないけれど >>102 落ち着いた雰囲気の中景色を眺めて雑談をぽつぽつと。 その間、大地との関係について探りをもし いれられでもしていたら >>114 なんの後ろめたいこともない私は 不思議そうな顔をしていたことだろう。 (134) 2023/02/07(Tue) 8:26:00 |
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我慢大会をしていたならきっと 出てくるのは女子勢より男子勢の方が遅くて。 真っ赤になった大地と栄純にびっくりしながら 扇げるものもないのでとりあえず牛乳を飲んでいた。
腰に手を当て、ぐいっと一杯!
飲み終わりには口に白いひげがつくのがお約束で 携帯で写真を撮っては笑い声が響いただろう。 (135) 2023/02/07(Tue) 8:26:07 |
| 枕投げはどのタイミングだったか。 見た目から予想されることも多いように 私はあまり運動が得意ではない。 動くことが出来ないわけではないのだが どうにもどんくさくのろいのだ。 なんか騒いでるなーと思っていたら >>101 覗きに行くことになったので >>116 二人して男子部屋に向かってから見た光景 とりあえず落ちていた枕をつかんで 栄純に振りかぶった。 (136) 2023/02/07(Tue) 8:26:13 |
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「 暴れるのはよくな、わぶ 」
先程のは仲裁のための枕投げのつもりだったけれど 栄純が枕を投げてきたので(確定) 諫める声は顔にぶつかった枕によって中断される。
そうしたらあとはやり返しにやり返しが重なる 大乱闘の始まりだ。
止める先生がいない若い者たちの戦いが いつ止まることになったのか。 これも青春の1ページではあったのだろう。 (137) 2023/02/07(Tue) 8:26:37 |
| 長いようで短い旅はあっという間に過ぎていく。 文化遺産を見に行ったり なんとか体験コーナーで物を作ったり 評判の食べ物を食べたり 色々なことを皆で経験した。 そのたびに笑って、写真を撮って 思い出が積み上がっていく。 この時間が永遠に続けばいいのに。 忘れることも、忘れられることもなく。 今世界が滅びたら、悔いはないのだろうか。 脳裏にはまひろの言葉が響いていた >>79 (138) 2023/02/07(Tue) 8:26:50 |
| 「 また、 」 伊緒の口から気軽に零された未来の約束 >>121 また。またはあるのだろうか。 ある、と信じて良いのだろうか。 いちご味のアイスクリームを頬張る。 口の中で蕩けていく酸味と甘味。 「 うん、また。 」 また会おうね。 約束を確かめるように呟く声色は 決して完全に晴れ渡ってはいないけれど。 得たものを大事に抱えるような そんな響きをしていた。 (139) 2023/02/07(Tue) 8:26:59 |
| 伊緒と栄純からホワイトデーのお菓子を貰ったかな。 大地がまひろの分を用意していて、 皆で食べたのならそれで 約束は終わりだと思っていた >>30 まどろんだり思わず目を閉じてしまったり。 疲れはしていても、旅を惜しむように 誰かが寝ていても話す声は止まらずに。 大地が寝ている中も普通に話していれば 突然叫び声を上げたから驚きに肩が跳ねた >>127 少ししてくすくすと笑ってしまう。 「 うん、滅びないと、いいね。 」 同意を返せるくらいにはやっぱり 未来には続いてほしいのだろう。 (140) 2023/02/07(Tue) 8:27:08 |
| たどり着いた終点、終わりの時間。 LINEは出来ても、それぞれ次への準備で忙しくなる。 これから顔を合わせることは少なくなって やがて何ヶ月も会わない日が出来るのだろう。 僅かに感じる寂しさを胸に、一人、また一人と別れて 大地とは道が一緒だったか、暗いから >>122 送っていってもらっていたか。 「 ……? もう貰った、 」 よね? 首を傾げたけれど、渡されたから素直に受け取る。 可愛らしい型で抜かれたクッキーと、 花模様の描かれたしおり >>130 期待して、と言ったからにはということで 特別に用意されたのだろうか。 傾げた首を戻して勝手に自分で納得して。 (141) 2023/02/07(Tue) 8:27:15 |
| 楽しかった。また行きたい。 そこまでの言葉に、素直に頷きを返す。 好きという言葉にも、長くいたいという言葉にも 会いに来て良いかという言葉にも頷きを返す。 未来で同じ気持ちが続いているとは限らない。 私も、大地も、他の皆だって。 それでも今一緒にいたいと願う心は きっと嘘じゃない想いだから。 案の定な思考回路は 頭の悪い大地にもしっかり認知されていた >>131 だから次の行動は全く正しい。 誤解の生じる隙間のない言葉は 随分大きな声に感じたけれど、もしかしたら そこらの家にも青春の音として聞こえたかもしれない。 (142) 2023/02/07(Tue) 8:27:22 |
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「 ………………? 」
しかし、誤解がないからといって 飲み込めるかというと話が違うのだ。
全く考えもしていなかった方向からやってきた ストレートボールに、私は握られた手をそのまま 真っ赤な顔をした大地を見つめていた。 そうして一つ言葉を落とすのだ。 (143) 2023/02/07(Tue) 8:27:33 |
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「 お断りします…………? 」
(144) 2023/02/07(Tue) 8:27:45 |
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疑問形なのは未だに内容が 認識しているもので正しいのか不明なため。
この場に誰かがいたのなら 間に立ってくれたかもしれないけれど 残念ながら一先ず今間に立ってくれることは なかったのだろう。
大地の反応はどんなものだろうか。 うーんと悩むように唸った声は それでも握られた手を振りほどかない。
「 えっと。 」 (145) 2023/02/07(Tue) 8:27:55 |
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「 恋の話だよね。 合ってる? わたし、恋ってよくわからなくて。 」
幼い頃から男女別け隔てなく接してきた。 それは性差が出来ても 思春期と言われる時期になっても 全く変わることはなく。
男と女が違うことは知っていた。 恋というものも、結婚というものも、知識として。
でもそれは自分にとって遠いものだった。 膜を貼ったように、どこか違う世界の話。
「 ええと、だから。 」 (146) 2023/02/07(Tue) 8:28:06 |
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「 想いには、応えられないかも、しれない。 一緒になったら、大地が苦しむかも。
……だけど。 」 (147) 2023/02/07(Tue) 8:28:17 |
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「 もし。 それでいいのなら。 」
お付き合い前提の結婚は断るけれど 一緒にいること自体はできると思うので。
つっかえながら、悩みながら。 それでも真面目に考えた言葉たちを
彼がどう受け取るかは、神様と 楢崎 大地だけが知っている。** (148) 2023/02/07(Tue) 8:28:36 |
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ちなみに。いつか考えていたように 引っ越し前に伊緒に餞別は渡した。 これは旅行の終わった後の話。
なにがいいか考え、悩んで。 渡されたのは
「 はい、これ。 」
手のひらサイズの木彫りの熊だ。 (162) 2023/02/07(Tue) 8:41:00 |
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家のことは知っているので、もしかしたら もっと立派なものを見ているのかもしれないが 食べてなくなるものだと寂しい 身につけるものは学生が買えるものだと そこまでいいものにはならない。
そうした思考を経由しての結果である。 魚を咥えた木彫りの熊。
「 わたしだと思って大事にしてね。 気に入らなかったら捨てていいよ。 」
写身というのに気軽に捨てろとも言う。 伊緒の形を忘れないように手を取れば なでなでと撫で擦って別れを惜しんでいた。** (163) 2023/02/07(Tue) 8:41:06 |
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