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【人】 魔女 イクリール起き抜けに作った薬が乾燥したようなので小さな紙に包みました。 一回分包んでおけば処方する時も便利なのです。 「ふぅ……」 遠くで楽しそうな声が聞こえました。 「ふふ、楽しそう♪」 ここへ来た時、舘の探索に夢中になっていたせいで人の輪にはいりそこねてしまった魔女は、人々の談笑を離れた場所で聴いていました。 内容までは聞き取れませんでしたが、元気そうなのはとってもいい事。 「もしかして私って結構引っ込みじあんなのかしら? ミズガネくんにえらそうなことはいえないわね〜」 (18) 2022/01/19(Wed) 1:02:19 |
【人】 彷徨民 ウミ>>16 ミズガネ 『もくもくじゃなくて、たばこのひと』 最初の音はどうしたのか、次に床を踏んだ時は重さを感じさせる音はせず、軽やかな足取り。 ぐいぐいと近づくのは、やはりホラーじみていたでしょうけれど。 『ウミがおおきいのはあたりまえ』 『……あたりまえは、おかしい?』 あれ?と首を傾げます。 他人よりずっと大きい自覚はあるようですが、それがおかしい事とは思っていない様子。 『やべーのかー』 『たばこのひとは、おとな』 覚えたと、髪とリボンを揺らして頷いて。 『……あ、ごはんだったね』 『おさかな、おいしいよ。すき?』 指差したのは魚料理が並ぶテーブル。 (22) 2022/01/19(Wed) 2:17:45 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>22 ウミ 「滅茶苦茶こえーし、やべーよお前はよ…… 何喰ったらってレベルじゃねえよ。異星人かなんかか?」 さすがに同じ種族とは自分の国の文明では想像できないようで。 「他の奴らは知らんが俺にとっては当たり前じゃないしおかしい。あと変なあだ名をつけるな。ミズガネって呼べ。 ……あの女、全然言ってねえじゃねえか」 余りにも理不尽な悪態をついた。 「魚?食べ慣れてるけど別に好きかと言うと……」 示されて覗いてみる。どちらかと言うと魚は故郷はシンプルな料理が多くて期待していなかったのだが、見て見ればそもそも知らないレベルの華やかさが並んでいる。 「おいこれ、本当に魚か?」 わからなかった。 (24) 2022/01/19(Wed) 3:09:01 |
【人】 魔女 イクリール>>23 ミズガネ 「まぁ」 ぱちくりと目を瞬かせました。 自分にとっては当たり前の事だったが、彼にとっては違ったようです。 でも、できないということはできなくても問題なく生活できている環境にあったということ。 「ご家族と一緒に住んでたのかしら〜?それとも恋人?」 庇護してくれる誰かがいるのなら、それはそれで幸せなことだと思いました。 「うちは代々薬づくりが得意な家系だからかしら〜 薬草が手に入る山奥に住んでるし、草ばかりこねているし、気味が悪いのよきっと」 魔女はにこやかに答えました。 言われ続けた差別的な言葉も、今ではそれほど気にはなっていないようす。 自分の理解の範疇を超える変な人を見れば、誰だって怖いだろうと理解しているのです。 (25) 2022/01/19(Wed) 3:23:59 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>25 イクリール 眉間に皺を寄せる。言うまいか、否か。 いくらでも誤魔化せばできるのだけど、それでは話が変わってきてしまう。悩んで、諦めたように口を開く。 「…………宮仕え。 別に王族とかではないが、 世話焼いて貰える程度の特殊な家系の役職。 ──俺はその役職の仕事すらも果たせてないから、 何もできねえ俺より凄いって言ったんだよ」 貴方の笑顔に複雑な顔を向ける。 同じ、慣れた顔だ。言われ続けて麻痺した顔。 自分と違って「できなかった」から言われたわけではなく、何の罪もないのに言われてるのに気にしてない様子が、何処か苛ついた。 「……怒ればいいだろ。 薬でもそれこそ使って報復してやりゃいい」 そんな事したらどうなるか、気質的にしないであることも理解はしても、悪態を付かずにはいられなかった。 (26) 2022/01/19(Wed) 4:05:26 |
【人】 魔女 イクリール>>26 ミズガネ 「あら!ミズガネくん、高貴なお家の出身なのね〜! でもお世話してもらえる環境なら、できないのは当然だし 恥じる事はないんじゃないかしら〜? 役職のお仕事はわからないけど……初めは誰でもできないものじゃない?」 慣れればいつかは、と軽々しくいってしまいましたが 貴方の事を何も知らずに言ってしまった事を失礼だったかなと魔女は心配になりました。 様子を伺う様な顔で貴方を見ています。 「ダメよ〜お薬はね、人を助けるためにあるものなの それに……そんなことしたら私は本当にみんなの思う様な恐ろしい“魔女”になってしまうわ」 (27) 2022/01/19(Wed) 4:28:48 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>27 イクリール 「──本来12から15で行う仕事を、この年でできなくてもか?」 家事が出来ないのは仕方がないとして、代わりになす事がある筈だ。それを、それが、"できない"と言った。32で、だ。 それはもう、初めてとか長い目でなんて範囲をゆうに超えている。 怒りはしない。むしろそれしか言わない。 男は諦観しか浮かべていない。 「……なっちまえばいいのにとは思うがな。 俺ならとっとと滅ぼせるなら滅ぼしちまうから、性格も性質も根本も能力も、お前より余程魔女だろうよ」 進行方向の先を指差す。広い扉が開放されていた。 「後はここを直進したら広間だ。 後は一人で行けるだろ。俺は今そんな気分じゃない」 (28) 2022/01/19(Wed) 12:24:32 |
【人】 欠けた星 スピカ>>湖畔 眉間に皺を寄せてこちらを見やる少女に一瞬自分の唇を噛むけれど、すぐに物怖じせずに一歩前に進む。 「……そうね、関係ないかもしれないけれど。 大人は子供を守るもので……。……いいえ、私がしたいからしたのよ」 そのまま更に距離を詰め、『何馬鹿なことを言っているの、帰るわよ!』と無理矢理にでも腕を引いて城に連れ戻そうとしただろう。 ……今までのスピカなら。 ▽ (30) 2022/01/19(Wed) 16:12:09 |
【人】 欠けた星 スピカ>>湖畔 こういう時こそ、努めて落ち着いて。 誰かの声を反芻して、深呼吸。 「ラサルハグ。貴方もどうかしら」 ついて来てくれた女性に一言声をかけてから二人の元まで歩み寄り、すとんと腰を下ろす。 「……いいわよ。えっと……アル。私も紅茶を持ってきたの。きっとパンに合うと思うわ」 「……ただ、その前に約束してちょうだい。 一つ。今は寒くなくても風が体温を奪ってしまうかもしれないから、ブランケットを二人にかけさせて。 二つ。城の外に行くときは、誰か大人にどこに行くか教えて頂戴。いきなり空を飛んでどこかに行ってしまうから、驚いたのよ。落ちて怪我をするのが怖いから、できれば空を飛ぶのもあまりしないでほしいけど……。 ……少なくとも、この二つ。できるかしら?」 (31) 2022/01/19(Wed) 16:13:15 |
【人】 こどもの アルレシャ>>湖畔 「こうちゃ!」 コーヒーなら顔をしかめましたが、紅茶なら大歓迎です。いそいそと可愛らしいティーカップを用意していましたが……スピカの話を聞く内にその手が止まります。 ブランケットのことに対しては笑顔で頷いていました。しかし最後の言葉には不満そうに口を尖らせます。 「おでかけするときにね、だれかにおはなしするのはいいんだけどぉ……。 おそらとぶのこわくないし、たのしいもん。アル、おそらすきだよ」 約束自体は受け入れましたが、空を飛ぶことに関しては譲るつもりがないようです。 スピカの口にする『怖い』は、スピカ自身の気持ちでしょう。ですが幼いアルレシャはそこまで察することができません。 用意の途中で忘れ去られてしまったティーカップが、各人の目の前でふわふわと浮いたままでした。 (32) 2022/01/19(Wed) 18:42:50 |
【人】 欠けた星 スピカ>>湖畔 「う、ううん……」 紅茶の準備をしようと魔法瓶を手にしたまま困ったように唸る。ふわふわ浮いているカップと幼い少女を交互に見やり、自分の指でこめかみを数度とんとんと叩きながら返事を考える。 「…………アルが空のこと好きなのはよく分かったわ。 それならこうしましょう。一人の時でも誰かと飛んでいても、絶対に怪我をしないって約束して。帰ってきたら怪我をしていないってことを、誰かに教えて。報告と責任は大事なことよ」 女は既婚者になって4年にもなるが、未だ子供がいない。 だからだろうか、或いは生来の生真面目さからだろうか、子供に分かりやすく物事を伝えることはあまり得意ではなかった。子供の視点が、わからない。 (33) 2022/01/19(Wed) 19:01:39 |
【人】 こどもの アルレシャ>>湖畔 「……あ、わかった! えーと……」 何かを言い淀んでいると、小鳥が一羽やってきました。アルレシャの肩に止まると耳元で何かを囁きます。 耳が良いなら、『スピカ』と言ったのが聞こえるかもしれません。名前を教えてくれたようです。 「ふふーん……『しんぱいしょう』なんだねぇ。 じゃあ、スピカがいたら、スピカにいったげる!」 一応の納得はしたようです。大人視点では及第点、子供視点では譲歩でしょうか。 心配されて悪い気はしません。子供は自分に関心がある人のことが好きですから。 漂っていたティーカップが、ようやくそれぞれの手元に収まりました。 ……星空のお茶会は、これからです。 (34) 2022/01/19(Wed) 20:16:08 |
【人】 彷徨民 ウミ>>24 ミズガネ 『ミズガネ。おぼえた』 『ウミこわくないよー……ミズガネ、おほしさまのひとたちをしってるの?』 『ウミのほしもしってる?しってた?』 わぁ、と目を輝かせます。 ウミが降り立った場所では、異星人という概念はまだ人々の中に存在しなかったのです。 『ウミたちは、とおいとこからきたの』 『ウミたちは、やまのようにおおきいんだよ』 『やまになるぐらい、おっきい』 とんとん。 軽やかに床を踏んで、料理の並んだテーブルに。 『そう!ぜーんぶおさかな!』 『しんせんなイロしてるから、きっとおいしい』 『しんぱいならフライもあるよ』 あれがこれ。これがあれ。それはしらない。 ウミも全部は知りませんでしたが、知っている料理はあなたに教えたでしょう。 おいしいんだよと、ウミはにこにこ。 (35) 2022/01/19(Wed) 20:49:25 |
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