【人】 灯守り 小満ふう。 [さて、書類の方に一通り目を通して判を押したら、次は領域に出る番だ。 常に緑鮮やかな領域の奥、ややシノワズリを思わせる装飾が施された白壁の洋館が小満宮。 傍らに睡蓮の咲く小池、そこからすぐに花畑が見える。手入れをしているものではなく、小満の能力で生じているもの。 踏み入れば、盛りの花の中にいくつかホタルブクロが咲いていた。下向きの花弁は灯を湛えて、ふうわりと光っている。 小満域で息を引き取った人は、ここに辿り着きホタルブクロの花になる。 袋状の花の中、繭のようにやわらかく灯を包み、導に還るのを待っているのだ。 手ずからその花を切り摘み、慰霊と祈りの心を込めてしゃんと揺すれば、無垢になった灯は花の守りを抜け出でて中央へと飛んでいく。] (67) 2022/01/16(Sun) 4:03:38 |
【人】 灯守り 小満はぁ……いいなあ先に行けて。 [切なく独りごちれば、背後から刺さるような視線を感じる。 そのとおり、立て続いたとはいえ溜め込んだのはこちらですとも。] (68) 2022/01/16(Sun) 4:03:57 |
【人】 灯守り 小満よし、じゃあ新人さんのほうにもお邪魔しますかね。 ついでに店の様子見に行って……中央行けんのは、その後かな。 [先とは反対に、生まれる灯は小池で睡蓮の蕾になる。 領域に満ちる力を自然と汲み取って、時が来ればひとりでに咲き新たな命のもとへ向かう。 ただ、それだけでは足りないだろう、ということで、新生児のもとには直接出向いて新たな灯に祝福を授けていた。 なんて、実のところ小満自身が統治域の住人に直に触れ合いたい、というのが主な理由だったりする。 であれば必須の仕事に数える必要はないのだが、会合と同じくこれも楽しみのひとつだし、他の誰しものところに来ていて自分のところだけ祝福がないというのは、親にとっては不安だろうから、もう欠かすことはできなくなっている。 小満域であれば、どこに行くにも基本は自由だ。領域と統治域を隔てる森の木立をくぐれば、望んだところに顔を出せる。] (70) 2022/01/16(Sun) 4:05:37 |
【人】 灯守り 小満――小満域―― ――やぁ、やぁ。ごめんってば。ちょーっと立て込んでてさあ。 うん、そう。やだなぁ、サボりじゃないって。 あ、新しいお茶? いいの? じゃあもらっちゃおうかな。 [どこにでも出放題とはいえ、いきなり往来の真ん中や民家の中に出れば大騒ぎだ。 ということで、なるべく人通りのない広場や静かな森の中に出てから歩きで向かうのだけれど、その間にも家々から人が顔を出しては、小満さま小満さまと声がかかる。 小満域は本人の性格に加えて当代の在位が長いこともあり、灯守りと住民の距離が極端に近い。 かかる声も最近とんとお見限りじゃあないかとか、あっちの赤ちゃんへご挨拶かいとか、またお仕事溜め込んでらしたんですかとか、店の品を持っていってくれとか、そんな気軽なものばかり。 明るい騒ぎを聞きつけて新米母子が外に出てきたら、きょとんとしている赤子に手のひらかざし、健やかなれと未来を祈る。 本日の言祝ぎはふたり。それを終えたら、最後に『もうひとつの自宅』に顔を出そう**] (71) 2022/01/16(Sun) 4:06:28 |
灯守り 小満は、メモを貼った。 (a14) 2022/01/16(Sun) 4:10:38 |
灯守り 小満は、メモを貼った。 (a15) 2022/01/16(Sun) 4:12:50 |
【人】 灯守り 小満――『慈雨』―― [小満域の中央、石畳に噴水がきらきらと光を放つ広場に面して、その店はある。 恵みの雨の名を冠する店へ気まぐれに(とは言いつつ、頻繁に)店主は訪れ、来店客とひとしきり自由に話をしては、またふらりといなくなる。 そんなことを繰り返し、繰り返し。そして今日も、同じく。 違いがあるとすれば――今日は、このあとすぐに出ていくということくらい。残念ながら、本日のお楽しみはこれからなのだ。] ちょっと留守にするから、みんなの顔見にね。 どうだい、変わりない? [にこにこと客席を見渡せば、いってらっしゃいなり、帰ってきたらうちの畑見てってくれなり、口々に色々返ってくる。 うむうむ、よきかなよきかな*] (122) 2022/01/16(Sun) 18:42:16 |
灯守り 小満は、メモを貼った。 (a32) 2022/01/16(Sun) 18:44:55 |
【人】 灯守り 小満――In past―― [その子が訪れてきたのは、いつのことだったか。 小満の人生のうちに照らせば、ほんの少し前のことだ。 ふわりと冬の気配を纏う女性が、小満域にやってきた。 住民が『もう会ったかい』などと噂する彼女は、聞けば流れ者をやっているのだと言う。 それはそれはと興味は募り、いそいそ様子を見に行った。 彼女がこちらを知らずとも、周囲の住人が小満さまと呼ばうので、蛍も連れずに単身だったが自己紹介はいらなかったろう。 しげしげと頭のてっぺんからつま先まで彼女に視線を巡らせて――] (233) 2022/01/17(Mon) 11:07:47 |
【人】 灯守り 小満小雪のところには行かないのかい。 [開口一番、そう問うたはずだ。 ゆっくりと、穏やかに。責める意図など毛頭ないのだと伝わるよう、優しく。けれど彼女にとって、核心をついた問いだったかもしれない。 何故それを、と聞かれたとて、ふふふと笑うばかり。 小満の力は、記憶を操る。 人の生い立ちを知るくらいなら造作もない。] それなら、うちの蛍の席がひとつ空いてるけど。 ちょうどねぇ、手が欲しかったんだよね。 [あなたが働かないからでしょうと釘を刺す蛍はここにはいない。 周囲から小さくざわめきが起こる。] (234) 2022/01/17(Mon) 11:08:48 |
【人】 灯守り 小満うちの子にならない? [詳しい思惑までは知らねど、定められた自分の地位がありながらも出奔し、こんな世界の真反対までやってきたような女性。 いやあ面白い、と思っていたし、元が蛍の家系なら素質も申し分ない。 捨て犬を拾うような調子で、蛍を拾った。] (235) 2022/01/17(Mon) 11:09:35 |
【人】 灯守り 小満[案の定蚕は 『元の(小雪さまの)ところに返してきなさい!』 なんてそれこそ捨て犬相手みたいな調子で怒っていたけれど、何とか紅に宥められて、げっそりした様子で自室に篭ってしまったっけ。とはいえ今は認めてくれているようだし、問題ない問題ない。 かくいう紅もこれには呆れ返っていた。が、こうなった主人がもうどうしようもないことをよくよく知っているのも彼だ。 まだまだ困惑のさなかにいそうな麦に温かいお茶を出して、ひと通り小満宮と仕事の話をしてくれたのは紅だった。 私はといえば小雪に文を出していた。 といっても、それだけで内容がわかるようなものでもない。 『次の会合で紹介したい子がいる』とだけ伝える、簡素なもの。 察されたかもしれないし、また戯れかと思われたかもしれない。 とにかく次の会合には麦を連れて行って、『もう返してあげないもんね』なんて自慢げに見せびらかしたりしたもんだ。] (236) 2022/01/17(Mon) 11:13:54 |
【人】 灯守り 小満[ん? 蚕と紅で仕事は回ってる? 手が足りないって話はどうなったかって? いやいや最近ねぇ、灯守りが直接顔を出すってことで、店のほうに客が多くて――] (237) 2022/01/17(Mon) 11:14:23 |
【人】 灯守り 小満じゃあ、みんなごめん。 麦借りてくね。 [会合に蛍3人を伴連れる必要などないわけだが、本人が行きたいというのを止めるつもりはない。 なら他のふたりを置いていくか、となったら、蚕は会合本来の目的である政の方面に必要だし、紅はクッション役に必要なのだ。 一度どうしても目が離せない仕事があって、仕方なく紅を置いていったとき、まだ麦がいなかったこともあって息が詰まるかと思った。あまつさえ、これが本来の灯守りのあるべき姿ですとか言ってくるし、蚕とふたりはもうごめんだと心底思う。 会場内では麦には好きにしていてほしいし、そうなると自然と大所帯になってしまうのだった。] (239) 2022/01/17(Mon) 11:18:22 |
【人】 灯守り 小満[くるり、何もない空間に指先で円を描くと、小さな光の輪が生まれる。 それを両腕で引き伸ばせば、中央域が向こうに見えた。 ひらと店に残る客に手を振って輪をくぐる。蛍3人も続いて、麦が通ったところで輪はひとりでに閉じ消えた。] (240) 2022/01/17(Mon) 11:19:54 |
【人】 灯守り 小満[事の済んだ店内では『珍しいもの見たー』『小満さまだけじゃなく皆さま揃うなんてラッキーだったね』『紅さまぁ……』『なんまんだぶなんまんだぶ』などと口々に客が話していたとか、何とか。 給仕をひとり連れて行ってしまったが、来店客の目当てのひとつである店主が統治域ごと留守となれば客足も落ち着くだろう。 小満域に束の間の、穏やかな静けさが流れはじめる。] (241) 2022/01/17(Mon) 11:22:37 |
【人】 灯守り 小満――中央域―― やぁ、今回の出迎えは君かい天乃。 こないだのあの子はどうしてる? まだ眉間にシワ寄せてる? あんまりかりかりしてるようなら今度カウンセリングしたげるって言っといておくれよ。 小満さまの"よしよし"は効くんだよ。 [こないだの、というのは前の会合の担当だった中央職員のことだ。 灯守り嫌いをこじらせたタイプで、淡々と職務は遂行するものの、常にしっかり眉間に皺が刻まれていた。 それを灯守りの力で癒そうと言うのだ。反発は計り知れないが、そんなことを気にする性質では100年も灯守りやってられない……というのは、他の長生き仲間に失礼か。 言うだけ言ってからから笑いながら、会場の方へ向かう*] (242) 2022/01/17(Mon) 11:23:16 |
灯守り 小満は、メモを貼った。 (a51) 2022/01/17(Mon) 11:35:03 |
【人】 灯守り 小満[大所帯といっても、常に傍に従っているのは紅花栄くらいだ。 こうした雰囲気を好まない蚕は早々に壁の華(なんて華のない華!)になってしまうし、麦には自由にさせている。 皆、近くにいたければいるしそうでなければ離れる。それが、今や言葉を介すことすらされない小満蛍の在り方。] (248) 2022/01/17(Mon) 12:35:38 |
【人】 灯守り 小満[とはいえ壁の華になっているつもりもない。そんな穏やかなのは性に合わない。 目につく灯守りや蛍には、手当り次第といった調子で杯を掲げてみせただろう。 グラスがキスすれば重畳。呆れられても、自分でくぅっと呷るまで。 そんな中、ひとりの灯守り>>253に目をやる。] ――立夏。 少し顔色が悪いね。"悪い夢"でも見た? [まだ在位の短い、若い灯守り。 隣の領域で顔をよく見るのもあり、彼女の能力を知っているのもありで、なんとなく気にかかった。 どうも最近まで立夏域は雨続きだったと聞いているし。] 疲れてるならたまにはうちにご飯でも食べにおいで。 といっても、ここの料理のがおいしいかもしれないけどねぇ。 [こう呼称するときの『うち』とは、小満域の『慈雨』のことだ。 冗談めかして告げながら、あまり話して立夏の負担にならないようにとひらり離れていく*] (258) 2022/01/17(Mon) 14:21:28 |
灯守り 小満は、メモを貼った。 (a54) 2022/01/17(Mon) 14:34:20 |
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