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人狼物語 三日月国


76 【ネタRP】ナニやらシないと出られない!【事前ペアR18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


到着: 安住 香菜

【人】 安住 香菜

[─────むかぁしむかしのおはなし。


 近所に住んでた男の子に、
 あたしは恋をしてた。
 きっかけは、なんてことは無い。
 一緒に過ごして、遊んでいるうちに。

 おままごとして、つんだつくしを
 ご飯の代わりに出して、ふと思っちゃったの。
 「大人になっても、一緒にいたい」って。

 その頃のあたしは、今とは比較できないくらい
 素直で無垢な子だったから
 思った言葉をそのまま口にしたの。

 「ねえ、結婚したら、本当のおいしいごはん
  たくさん、毎日、出してあげる」


 神社の裏にある林の中、
 木々が作った『家』で、
 あたしはそう、告白した。]
(14) 2021/06/04(Fri) 0:04:54

【人】 安住 香菜

[シロツメクサで冠作って
 たんぽぽ束ねて花束にして……

 そんな式を挙げられたなら
 あたしはどれだけ幸せだったろう!]
(15) 2021/06/04(Fri) 0:05:26

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[─────けど、人生は御伽噺と違って
 何でもかんでも夢が叶うわけじゃない。]


  はい、鶏弁当390円ねー。
  ちょっと待ってね……はい、おつり!
  いつもありがとうね!


[あたしはいつも店に来てくれるおばあちゃんに
 釣り銭を渡して、にっこり笑う。
 淡い恋の思い出はもう、遠い昔。
 結婚どころか、親の跡を継いだ弁当屋は
 結構忙しくて、恋愛経験すらろくに無い。

 なのに、あたしの「おむこさん」は
 他の女と付き合っては、また別れ>>3

 あたしだけ過去の思い出に
 しがみついてるみたいでみっともないから
 もし彼が失恋を泣きに来たら
 「またぁ?」って笑って
 こっそり唐揚げサービスしちゃう。]
(16) 2021/06/04(Fri) 0:07:35

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[泥団子や雑草で作ったものじゃない、
 地元に密着して50年の歴史あるお弁当屋の、
 毎朝丁寧に仕込んだ弁当。

 叶わぬ恋を想って米をといで
 言い出せない気持ちを刻み、
 歯触りのいい衣に包んで揚げて。
 ヒレカツ、親子丼、ミックスフライにハンバーグ。
 どれを選んでもらってもいいように
 丹精込めて作ったんだ。

 だから、ねえ───── 
次は、あたしにしなよ。
]*
(17) 2021/06/04(Fri) 0:14:33
弁当『もりや』 安住 香菜は、メモを貼った。
(a1) 2021/06/04(Fri) 0:18:53

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[仕込みから始まる一日が
 接客と発注とに忙殺されて
 閉店する頃には、頭はパンパン、足は棒。
 同級生達が子育てや合コンに追われる中
 あたしはひとりクタクタになって家に帰る。

 そんな、毎日が続くと思ってた。

 きっとこのまま小さい頃の綺麗な思い出を胸に
 じわじわ、おばさんになっていくだけの。
 若い子の流行りに乗り切れなくなって
 ふとした瞬間、「お姉さん」じゃなくて
 「おばちゃん」て呼ばれて
 それに傷付くより先に、にっこり笑って
 「はーい」なんて返しちゃって。]
(28) 2021/06/04(Fri) 2:27:49

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[眠りの中で、綺麗な思い出が
 蘇ってきたりなんかすると
 懐かしくて、嬉しいのに
 現実との乖離に泣きたくなって、
 決まって必ず、涙に浸された枕の上で目覚めるの。


 その日も、そんな夢を見た。]
(29) 2021/06/04(Fri) 2:28:23

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[ふ、と意識を取り戻して目を開くと
 目の前にぱっ、と朱が咲く。

 全く知識はないから知らないけれど
 修学旅行で行った寺社仏閣みたいな朱塗りの柱。
 それに支えられた空間を隔てるように
 鮮やかな牡丹が描かれた壁が
 くるりと部屋を囲っている。

 びくりと身を跳ね起こすと
 いつもの煎餅布団の何倍も柔らかい寝具が
 ふわ、とあたしの手を押し返してきた。

 知らない、部屋。
 ふと見下ろした自分の体は、
 部屋着のグレーのショートパンツと
 黒いキャミソール。
 下着をつけてないのは元からだけれど
 この奇妙な状況の中、こんな薄着だけだと
 酷く心細くなって、
 あたしはたまらず寝台の上で自分を抱きしめた。]
(30) 2021/06/04(Fri) 2:28:59

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜



  なに、ここ…………


[大きな円形のベッドを中央に据えた部屋は、
 なんというか、何処と無く淫靡な空気がして。

 もしそんな部屋に他の人の気配を察して
 それが長年の想い人だったなら─────
 あたしは本当に、いたたまれない顔をするんだ。]*
(31) 2021/06/04(Fri) 2:36:15

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[だって、ニチアサ9時の番組を見る男の子は
 おままごとに付き合ってくれないし
 ご飯を取りに行ってくれたりしないんだ。
 すぐに自分の世界に入って
 見えない怪獣を戦い始めて
 ひどい時にはあたしを怪獣にしたりして。

 お弁当の利益まで考えてくれたり
 少しでも楽になれるように
 すごい商品のサンプル持ってきてくれたりさ。

 そんな優しいあんたが、すきで、
 どうしようもなく、すきで……。

 でも、それを形にしたら
 今の心地よい関係も崩れてしまいやしないか。
 それが怖くて、何も言えないの。]
(100) 2021/06/05(Sat) 12:11:08

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[「ただいま」の挨拶に
 笑って「おかえり」って返して
 それが私にできる限界。]


  うーん、鮭弁当で御殿建てようってんじゃ
  ないしなぁ……


[古くから続く弁当屋の味を落とさないよう
 でも、飽きられないよう。
 そのさじ加減に困ってたのは本音だったから
 心の中で言葉を選びながら伝えよう。]


  どっちかっていうと、商売ってより
  昔から来てくれる常連さんとの
  繋がりを大事にしたい、って感じかな。
  他にコンビニもあるし、
  新しくて美味しいものは
  他にも沢山あるんだし、ね。


[だけど好意はうれしいから
 ほっけはホッケスティックにして
 パックで売ってみようかな、なんて。]
(101) 2021/06/05(Sat) 12:12:28

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[またある日は恋バナなんか。
 彼よりラガーマンの方に靡いた女なんて
 粉付けて揚げてやりたいけれど
 「かなおねえちゃん」はそんな事言わないの。]


  ……うーん、好きって気持ちは
  思うだけじゃなくて言葉にしなきゃ
  伝わらないし、その気持ちが大きく見えるほど
  嬉しい、って気持ちは分からなくもないかな。


[そう言って揚げたての唐揚げを、
 爪楊枝に刺したやつを差し出す。
 あたしは、美味いって言ってもらえるのも
 こんな美味そうな顔して食べて
 また来てくれるのも、どっちも嬉しいけど。

 あんたはほかの店に浮気しないしさ。]


  けど、そのラガーマンの方があんたより
  いい男って話じゃないんだ。
  どっしり構えてた方がいい。
  そのうちもっとまともな子が寄ってくるよ。


[そう、偉そうなことを言う。
 あたしは?って聞く勇気もなくて
 好き、って言葉も言えないくせに。]
(102) 2021/06/05(Sat) 12:13:02

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜



[だから、きっと罰が当たったのさ。]


 
(103) 2021/06/05(Sat) 12:13:24

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[目覚めたら、そこはラブホテル(?)でした。
 行ったことは、無いけど、多分。
 訳が分からず呆然としていると
 奥の扉がガラリと開いて
 男の人の声が聞こえ、あたしは身を固くした。]


  ……あ、よしやくん……


[けどなんてことはない。
 知らない人じゃなくて、想い人。
 あたしは恥ずかしい服ではあるけど
 女の子に乱暴しない、いいひと。
 その視線が心許ない服に向けられ
 あたしは視線をシーツの波に落として
 ずり落ちた肩紐を整える。
 ふわ、と掛けられたバスローブを羽織り直して
 もぞもぞも布団の外へと這い出した。]


  出口を探す、って……見たとこ
  あんたが来たのがこの部屋唯一の出口だけど。


[そう言うなり、よしやくんが来た
 ドアを引っつかみ、開く。
 様相が違うだけで、そこも同じく
 性のための場所、という感じで
 あたしは耳まで朱に染めて、ぱたん、と閉じる。]
(104) 2021/06/05(Sat) 12:14:14

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜


  …………なんだ、ここ……


[乱暴にローブの前を掻き合せて
 紐でぐるぐるかた縛り。
 混乱の波が引くと、どんどん腹が立ってきた。
 何なんだ、何だってこんなことするんだ。
 だって、あたしはまだ好きって言ってない。
 あの神社の裏の秘密基地みたいに
 甘い時間を過ごしたり、デートしたり……
 そ、れで、せっ…………

 じわりと目の端に涙が滲む。
 だけれどここでさめざめ泣くのより
 とっとと首謀者をとっちめてボコボコにしよう。
 うん、そうしよう。絶対。]


  よしやくん!出口探そう!
  そんで此処にあたしたち閉じ込めたやつ
  ぼこぼこのけちょんけちょんに
  してやるんだから!


[早速ローブの袖を捲りあげ
 部屋の探索へとよしやくんを引っ張り出す。
 ベッド脇のサイドテーブルを開ければ
 見たことの無い物体がごろん、と
 まろびでたけれど、何だこれ。]
(105) 2021/06/05(Sat) 12:15:07

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜



  
ぱいぱいぽっぷ☆ぷわぷわぷ〜

  ……って、昔無かったっけ?あはは……


[紫の毒々しいステッキ(?)を振っておどけてみせた。
 こんな状況だし、笑いが無いと、ね。]*
(106) 2021/06/05(Sat) 12:17:07

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[くるり、爪楊枝が彼の手の中で踊る。
 向けられた問いに、一瞬あたしは息を飲んで
 エプロンの裾をこっそり握りしめるの。

 こういう時、どう答えるのがいいのかな。
 「お姉さん」なら
 「あたしみたいな子なんて早々いないよ」
 なんて笑って見せればいいのかな。

 それとも、「あなたに気のある女の子」として
 「そう、目の前にいるあたしみたいな、ね」
 って、そっとウィンクのひとつでもすればいいかな。

 でも、あたしにはどれひとつ「正しい」とは
 思えなくって、そっと胸の痛みを押し殺す。

 結局、あたしは話の後ろから割り込んできた
 山田のおじさんに救われる形で
 その話を結んでしまったの。]
(130) 2021/06/05(Sat) 23:06:21

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[セックスのための部屋から出ようと
 ドアを開けても、結局セックスのための部屋で
 よく考えなくても出口があるなら
 よしやくんはそのまま出て行ったろう。]


  …………
モチョットハヤクイッテヨ
……


[目にじわりと涙を溜めたまま
 じと、と八つ当たり気味に睨みつけて
 あたしは後ろ手にドアを閉める。

 まだ「シないと出られない部屋」とは知らず
 この間動画配信サービスで観たばかりの
 異常者によって密室に閉じ込められて
 殺し合いをさせられる映画を思い出し、
 勝手に震えたり、怒りに燃えたり。]
(131) 2021/06/05(Sat) 23:06:47

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[手分けしようという言葉に頷き返し
 さて見つけた魔法のステッキは
 この状況に和やかな笑いをもたらす……
 はずだった、のに、ぴしり、と空気が凍る。

 きょとん、と目を丸くするあたしの前に
 怒ったみたいな顔したよしやくんが来て
 今まで見たことも無い顔してるから
 思わず、後ろから壁に押し返されるまで
 すりすりと後退る。

 ステッキを持った手と、腰に回された手が
 昔より酷く大きくて、熱くて、
 あたしは義哉くんの目を見上げて息を飲んだ。
 動物園で肉食獣の檻の前に立つより
 ずっと怖い、捕食者の目。

 このままずるりと布団の中に連れ込まれても
 きっと、圧倒的な力の差を前に
 抵抗も叶わないかもしれない、なんて。]
(132) 2021/06/05(Sat) 23:07:10

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜



  あ、


[密着していた身体が離れて
 遠のく体温を追うように、
 視線をその背に絡ませる。
 でも、義哉くんは振り返らない。

 二人の手から震える魔法のステッキが滑り落ちて
 床の上でのたうち回る。

 あたしはローブの前をまたきちんと合わせると]


  ……ううん、あたしこそ、ごめん。


[知らなかったから、とは言えなかった。
 この話を広げるのは、多分まずい。
 それくらいは分かるもの。]
(133) 2021/06/05(Sat) 23:11:19

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[それから手分けして部屋の中を探索したけれど
 本当は、一緒にいた方が良かったのかも。

 だって、変な器具とかロープとかあっても
 それがヤラシイものか否かなんて
 あたしにはちっとも分からなかったし。

 ただ、適当にいじったテレビのリモコンが
 大音量のえっちなビデオを流した時は
 流石にビビったな……チャンネル変えても
 どの局も全部えっちなやつばっか。
 「ニュースとかやってないのかな」って聞いたら
 義哉くんは答えてくれたかな。

 そしてあたしが元いた部屋から
 義哉くんが来た方の部屋に足を伸ばして
 ……そこで、やっと
 テーブルの上に置かれた紙を見た。]
(134) 2021/06/05(Sat) 23:11:44

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜



  しないと、出られない部屋……


[何を?というのはこの最大限に
 お膳立てされた様子を見れば明白で。

 あたしはローブの裾を握ろうとして
 そこで初めて、自分が震えてるのに気が付いた。]
(135) 2021/06/05(Sat) 23:12:05

【人】 弁当『もりや』 安住 香菜

[せっくす、というのは
 男の人のアレを入れること……というのは
 さすがに知ってる。
 けどそこに至るまでの過程はすっぽり
 あたしの頭の中には抜け落ちていた。

 代わりに、今まで夢に見ていた
 甘酸っぱい「恋」の過程は
 嫌になるほど思い描いていて。

 じわり、とまた視界が歪んで、
 零れ落ちた一雫は、ラミネートされた紙の上を
 つるりと滑って床に染みていく。]


  …………義哉、くん。これ……


[ラミネートされた紙を片手に呼び掛けて
 あたしは元いた部屋のベッドに腰を下ろした。

 ぐし、と鼻を啜りあげながら
 手でつまみ上げた施設案内の紙を突き付け]


  義哉くんは、これ、読んだの?


[この部屋が「シないと出られない」と知っていて
 それでも外に出ようとしていたのか、って。]*
(136) 2021/06/05(Sat) 23:12:57