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【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[既のところで、キスから逃れれば。 しばらくの間、無言の間があったか。 目と目を見合わせれば、なにか物言いたげなことは分かるけれど、 その意図までは読み取ることはできずに。 ただ、ひたすらこくこくと肯くことで応じれば、 ガードした掌から彼の唇が離れていく。 『分かった。』という彼の声を聞いてほっと胸を撫で下ろした。] (12) 2022/05/19(Thu) 21:28:53 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェう、うんっ。 治癒行為なら、……仕方ないね、うんっ。 ……その、ごめんね? それから、……ありがとう。 テンガンくんにとって大事なことだっていうのは、 分かってるし、私も力になりたいと思う。 わ、私なんかじゃ物足りないときもあるかもしれないけどっ、 一応魔法使いだしっ、体力には自信ある方だしっ、 魔力も人並み以上にはあると思うから! ……これからも、よろしくね? [そう言って両手を膝に合わせて、お辞儀を一つして。] (13) 2022/05/19(Thu) 21:29:10 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[それから、ふぅ。と溜息をついて、まじまじと彼を見上げた。 魔力供給がキス(だと思っている)の方法しかないなんて。] んー……でも、テンガンくんにしたら、 キスってそんなに特別なものじゃないってことになるの? ……それは、なんだか少しもったいないような気がするなぁ。 きっと、テンガンくんも好きな人が出来たら、 今みたいな気持ちじゃいられなくなると思うよ? [両手を頬に添えて、ふふ、と意味深に笑う。 恋バナをするような感覚で、表情の変わらないテンガンくんを見やり、彼が好きな女の子を目の前にする姿を想像した。] (14) 2022/05/19(Thu) 21:29:26 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[いつか、テンガンくんにもそんな時がくればいいなぁと思う。 そうしたら、私はお払い箱になってしまうかもしれないけれど。 きっと、祝福できると思うから。 そんな会話を交わしながら、再び歩き出す彼の後を追いかける。 彼の歩幅に合わせて歩くのは大変だけれど、 時折止まって振り返ってくれる優しさがあることは、 付き合いの短いミンナでも分かっている。 そんな、優しさを持ち合わせた彼なら、きっと。] (16) 2022/05/19(Thu) 21:30:41 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[……と、思っていたのに!! 魔力供給は思っていた以上に回数を重ねていった。 彼の供給に人の体液が必要だと知ったのは、キスで供給を補うことにしてから少し経った後のこと。 体液が必要だってっていこうとは、そう。 ただ唇を触れ合わせるだけではいけないということで。 ファーストキスもままならなかった私が、 それはもうでぃーぷなちゅーを覚えさせられた。 呼吸の仕方を覚えた次は、舌を絡めあって、その次は唾液を送り合う。 今思えば最初のキスは彼にとってはまだ序の口だったということだ。 そんなキスを覚えてしまえば、心穏やかなはずもなく。 魔力供給の度にドキドキしてしまう。] (17) 2022/05/19(Thu) 21:31:48 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[違うの!このドキドキは恋とかじゃなくて! ただの至近距離に緊張しているだけ! そう、これは治療の一種! ……と、何度も自分に言い聞かせていたのに。] ……っ、ンっ、……んんっ、……!? [腰元を這う手がいやらしく動いて、ぞわりと肌が粟立つ。 唇を塞がれたまま、ぱちりと目を開いて彼の様子を伺った。*] (18) 2022/05/19(Thu) 21:32:25 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[お辞儀から顔を上げれば、眉尻の下がった彼と目が合う。 どうして、そんな困った顔をしているのか、 ミンナには分からなかったけれど、顔を上げて欲しいと頼まれたら素直に頷いた。 代わりに差し出された握手には、もちろん、と笑って応えて。 きゅっと大きなその手を取る。 改めてバディを組む証に。 緩んだ表情につられて、ミンナも双眸を細めた。] (27) 2022/05/19(Thu) 23:33:48 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[やはり、というか。納得、というか。 テンガンには特別な相手は居なかったようで。 それを聞けば、なるほど。という言葉が口をついた。 逆に、ミンナにも同じ条件を求められてきょとりと瞬く。] ……あっ、そっか。 そうだよね! うん、もし、そういう人が出来たら。 一番にテンガンくんには伝えるね! それまではバディとしてよろしく! [自身を気遣っての進言なのに、 バディ解消の話を持ち出されたらなんとなくもやっとしてしまった。その、もやっとしたものが何なのかは、まだ気づくこともなく。 その時は、握った手をぶんぶんと振って気を紛らわせていた。] (28) 2022/05/19(Thu) 23:34:02 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[これは彼にとっては大事な魔力供給とはいえ、 傍からみればそれはただのキスシーンより他になく。 場所はできるだけ人目の付かないところを選んでいた。 たまにテンガンが、初めて魔力供給をしたときみたいな、 綺麗な湖畔や、景色のいい場所に連れて行ってくれることもあった。 そういう時には、『本当にキスしてるみたい』なんて、 考えが過ぎることも、少しずつ、ほんの少しずつ増えてきていた。] (29) 2022/05/19(Thu) 23:34:31 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[今日はそんな景色のいい場所ではなく。 人目につかないことを優先した木陰の中だけど。 合わさった唇の隙間に、彼の声が響く。 首を引いて、上がった息を整えるように息を吐き出して。] ……ぷぁ、……はぁッ、……。 ン……、もっとって……、 ……キスじゃ足りないって、こと……? [唇がふっくりとするほどキスを重ねて、唾液も奪われて。 身体に力が入らなくて彼に寄り掛かるように縋る。 こんなになるまでキスをされたら、ミンナとしては もう十分なのではないかと思うほどなのに。 効率の話をされて理解できずに不思議そうに首を傾けた。 腰をなぞる手は止まらずに、布越しに触れられる度に ぞくぞくとした感覚が背中を這い上がっていく。*] (30) 2022/05/19(Thu) 23:34:53 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[旅を続けるようになって、初めて魔力供給をした時よりも キスの回数が増えたような気がするのは、 ミンナの思い違いではなかった。 ただ、回数が増えたとしても、 逆に今までの供給が足りなかったのかな?と思っていて、 彼がミンナにキスを慣れさせるためだとは微塵ほども気づいてもいなかった。 ただ、彼の少しずつの変化はミンナも感じていた。 キスをする前に頬を撫でられるようになったり、 間近に顔が近づくときの表情が、 前に比べて穏やかになっている気がしたのは、気のせいではないと思う。 それは、彼の呼び名の変化にも現れている。] (38) 2022/05/20(Fri) 1:05:11 |
【人】 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ[十分な間をおいて、彼が口を開く。 バディだからじゃないと、その先に紡がれていく言葉に。 みるみるうちに瞳が大きく見開いていく。] ……ふぇ、……!? す、す、すき……って、…… テンガンくんが、私を……!? [彼の腕の中でぱちぱちと瞳を瞬かせ、大きな瞳でまじまじと彼を見つめた。 予想もしていなかった言葉に、はくはくと言葉にならない呼吸を繰り返して、きゅっと彼の服の袖を掴む。] それは……っ、それは……、 びっくりだけど……、ええっ!? [とくん、と胸が波打つ。 ゆっくり、ゆっくりと揺らいでいた波が、 とくんとくんと、次第に早くなっていって鼓動が騒がしく。 かああと、頬が一気に熱を持ち始めた。**] (39) 2022/05/20(Fri) 1:06:11 |
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