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【人】 巫凪 桜花― 回想・楽園 ― [雷恩と羅生の距離が、いつしか遠くなっていたことには 気づいていた>>2:362 けれど、羅生にも近しい自分が気を回すのは おこがましい気がして。 結局、自分は何もしなかったのだ。] どうかな。 俺、いやってほど羅生のこと困らせたと思うよ。 [口にしたのは、思い返すまでもなく頭を占めている最近のこと。 ぽつりと漏らすだけに留めた。 『 ――君と過ごすのは、心地よいから。』 それは、自分がずっと、彼に思っていたことで。] うん。…うん。 雷恩も、そうだったらいいなって思ってたよ。 [握った手の甲を、擽るように親指で撫ぜた] (2) 2023/11/27(Mon) 12:59:10 |
【人】 巫凪 桜花[使命を担う片割れとして造られた自分が脱落すれば、 それは彼にも少なからず影響をもたらすことで。 そう思うと、自分にあったことを易々と口には出せなかった。 けれど、彼に嘘を吐きたくなかった。 もしもの時に、何故あの時話してくれなかったのだろうと、 彼に憂いを残したくもなかった] 実は、さっきの。 困らせた――っていうか。 もっと言うと、俺ごと諦められたかも知れなくて。 でもそれ自体は、俺が俺である以上は 変えられないことだったから、納得してる。 だから、大丈夫なんだ。 [握り返してくれる掌の温もり。 少し堅くて、大きさはほとんど、自分のそれと変わらなかった。 ひとつひとつを指先で辿りながら、ゆっくりと言葉を選ぶ*] (4) 2023/11/27(Mon) 13:18:11 |
【人】 巫凪 桜花羅生だけじゃなく、みんな、俺たちのために居てくれるから。 そうだね、俺が適格である限り、絶対的に味方でいてくれる。 …けど、役割以上のことを求めるのは、ちょっと酷じゃない? 端からそういう風に造られてるんだから。 [彼らを深く慕う一方で、各々の役割のために産み出された AIであるという認識は、正しく常にある。 いくら情を寄せようと、返してもらえるものは、似て非なるものなのだろうと、何処かで思いもする。 庇護対象の枠からはみ出してしまえば、誰にせよ、今までと扱いは変わるだろうことも] 今までたくさん、いろんなものを貰ってきたから。 俺が、みんなを好きなんだ。 そこは、今更何があっても変わんない。 それに雷恩は、俺のこと、結構好きでしょう? [冗談めかして、願望を付け加える] (16) 2023/11/28(Tue) 1:57:03 |
【人】 巫凪 桜花………。 そっか。そうかも知れない。 [雷恩がいくつもの言葉を継いで、彼の中で巡らせた思索と分析を明かし、指摘をくれる。己のために。 以前の彼なら、考えられなかっただろう。 思い返すのは、長じるにつれてゆっくりと広がった二人の距離だけではなく>>50 最初は見かけなかった楽園で、日々楽しむかのように散策していた緋雁の姿。言われてみれば、少しずつ変化し続ける彼らの姿は、役割と直結しているものばかりではなかった。 『役割の放棄』 その言葉は、己に当てはめて怖れるばかりのものだったから] そんな風に、思ってもみなかった。 …すごいね、雷恩は。 変わるのは、俺たちだけじゃないんだ。 (59) 2023/11/28(Tue) 23:17:43 |
【人】 巫凪 桜花うん。俺もそう思う。 直はなんていうか――…、“お父さん”だからね。 人間のお父さんがどんなかなんて、実際知らないけど。 知ってたとしても、俺は直青の方がいいな。 [直青はきっと、変わらない>>51 何も彼の根幹は変えられない。 そう思わせる佇まいを、自分たちの前では、いつも見せてくれていたから。 他の仲間は、果たしてどうかは知れないが] 俺がもし、不適格ってことになったら、 群鷺あたりは喜々として殺しにきそうで、 それはなんか癪なんだよな…。 いや好きだけどね、群鷺も。 [どうせ殺してくれるなら、最後に見たい笑顔は、彼のものではない。と、何とはなしに思う。 例えばそれは――殺される角度から見上げる光景は、どれ程鮮やかなのかと考えていた、その人ならば>>2:221] (60) 2023/11/28(Tue) 23:27:54 |
【人】 巫凪 桜花一緒に、いてくれるんだ。 そっか。 ……そっかぁ。 [脱力する思いで膝に顔を伏せ、籠もった声で応える。 そのまま其処で、雷恩の言葉をゆっくりと耳に沁ませる>>53 繋いだ片手を、掌中でもてあそびながら。 何も諦めていないつもりだった。 諦めたのはずっと前だったことに、彼と話して漸く気づく。 皆から充分に与えられ、甘受してきたからと 自分に言い聞かせて。 ずっと条件つきの愛情として受け止めていた、それを。] 雷恩ってやっぱり、おにいちゃんだね。 …やだな、今終わるのは。 [覚悟と、密かに共存していた本音。 彼の隣で見つけると同時に、零れ出た*] (65) 2023/11/28(Tue) 23:59:37 |
【人】 巫凪 桜花そうか。 リヒトーヴ。 それはとても、美しいと思うよ。 君を造ったひとは、やっぱり趣味がいい。 [話してみたいな。と落ちた呟きが、風に溶ける] いや、それとも君のかな。 [眩い多眼に、眸を細めた*] (69) 2023/11/29(Wed) 1:48:48 |
【人】 巫凪 桜花俺は食物を食べられないから、よく知らないんだけど。 美味しいものは、好きなひとと一緒に食べると より美味しいって聞くね? [ただ咲かせ実らせるだけで、経口摂取ができない身では、 その滋味を知ることはできない。 雷恩ができることを、人により近い素体を持つ自分ができないというのは、皮肉なものだと思いつつ。 初対面に近い彼女を、ついからかった。 『雷恩の側で咲き続ける事にした』 そう告げる言葉は、以前のように願望の裏返しでも 虚勢でもなく、素直なもので] わざわざそれを、言いにきてくれたの? 俺は、干渉しないって言ったでしょ。 ――…兄さんをよろしく。とか言えばいい? [返す答えは、茶化した声音で*] (71) 2023/11/29(Wed) 6:55:22 |
【人】 巫凪 桜花―病棟― [それは、この楽園でお気に入りの場所を、求めに応じて 直青に案内した日の夜のこと。] ――…緋雁。いる? [直青から場所を聞いて訪れたのは、滞在中、 緋雁に宛てがわれた病棟の一室。 メンテナンスの時間の前後であればいるかと、 控えめにドアをノックして、一度だけ名を呼ぶ。 返事がなければ、すぐに引き返すつもりで] (72) 2023/11/29(Wed) 7:16:37 |
【人】 巫凪 桜花[ドアを開けて貰えば、戸口に立ったままで早々に本題を切り出す] 昼間の話、覚えてる? 俺が廃棄処分になるかも、っていう。 [直青が緋雁の記憶データを消去していなければ、 この話も大丈夫だろうと] あれ、結局大丈夫だったから。 緋雁に心配かけたかなと思って、言いに来た。 [戦闘員である彼とは、本来接触すべき用件は多くない。 今まで理由もなく呼び止め、話しかけるのを繰り返していたから、用件を伝え終わった今は、逆に何を話していいか分からない] えっと。 ……用事は、それだけなんだけど。 [けれど、何となく去り難くて。 視線を彼の胸のあたりに彷徨わせ、珍しく口籠る*] (73) 2023/11/29(Wed) 7:19:20 |
【人】 巫凪 桜花―夜・病棟― もう聞いてたんだ?直青に。そっか。 ん、もう少し――… [もう少し頑張れるね、そう言う緋雁に頷こうとして>>78 昼間に彼と話した時は感じなかった、蟠りを自分の内に感じる。 何となく、雷恩と話したせいだろうか?と頭に過る。 視線を上げられないまま、暫し言葉を探して] もう少し、じゃ。嫌だなって思った。 やっぱり最期まで、みんなと――…緋雁とも、一緒にいたい。 それまで諦めないように、したい。 [最後かも知れないと思いながら、 鮮やかな花々に溶けていく緋色を見送ったあの時] ……あれが、最後にならなくてよかった。 [ようやく視線を返して、微かに笑った*] (79) 2023/11/29(Wed) 8:46:34 |
【人】 巫凪 桜花――…、 [ひとに触れるのも、触れられるのも。 慣れているし、好きだ。 頬に熱を残す、その感触] 緋雁、 ……? [離れた指先を追いかけ、捕まえられたのは、視線だけで。 温もる頬が落ち着かなくて、自分の手の甲を押し当てた*] (83) 2023/11/29(Wed) 9:28:58 |
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