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42 【突発完全RP村】実になりてこそ、恋ひまさりけれ【誰歓】R18
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[ いっそ、らしくなくとも明るい声の一つでも
出してしまった方がマシではないかと
思うほど、重くなってしまった空気。
ああ、困らせてるんだなって。
そんな気、なかったんだろうなって。
いつかの記憶が蘇って、苦くて。
だけどあのときと違って今度は、
ちゃんと自分の気持ちを伝えたから。
だからきっと、これから先も、
大丈夫だろうって思って、唇を結んだ。
それからまたすこしして。
ゆっくりと開かれた口に、そちらを見る。
視線があわなくても、じっと、
その睫毛の先を見つめて。
だまって、語られる言葉を一つたりとも
取りこぼさないよう、聞いた。
予想していた話とは違っていて、
すこしばかり面食らうけれど、
それを表情に出すことはしない。]
[ だんだん濡れて、かすれる声に、
己の喉奥も震えるのがわかる。
すん、と鼻から息を吸って、吐いた。
ああ、どうしてこんなに───
難しいんだろう。
きっと同じ気持ちなのに。
もっと単純に考えてしまえば、
楽になれる気がするのに。
───ただ、彼の気持ちもわかる気がして、
うまく言葉にできなくて。
その恐さとか、いろんな感情全部
ひっくるめて、───そうだな。
ぐちゃぐちゃで、まとまらない心を
すべて曝け出してくれた目の前の人に、
いつもの明るくて面白い、
WみんなのママWの面影はなくて。]
[ また押し黙った彼の睫毛の先を見つめて。
結びすぎてくっついた、乾いた唇を
ゆっくり離して、すう、と息を吸う。]
───そっち、行ってい?
[ 返事があってもなくても、
腰を上げて、正面にいた彼の足元に
膝を立てて座れば、そのままそっと、
その肩口に手を伸ばして、
表情は見られたくないかもしれないから、
覗き込むことはせずに、抱き寄せる。
後頭部に差し入れた手で、
柔らかな髪をくしゃ、と握った。]
[ 離れないように、きゅってくっついて
……目を開いたそこは。 ]
わあ……
[ 田舎だ。
私の住んでるところより、田舎だ!
現代っ娘はまずそんな感想を抱く。
けれども、不思議。
どこか心落ち着いて、懐かしくて。
川に近づいてみてもいいかな。
冷たい水面を揺らす指先。
スマホで撮ってみたかったと場違いな事を思い
ああ、還ってきた
一筋の風が私の中を通り抜けて ]
私は、とうとう死んじゃったの?
[ こういう死に方、原因は何ていうのかな。
本人は本望のショック死?
不思議な子供達がかわるがわる
挨拶するのに応えながら、導かれるままに
あなたの家へと辿り着くのでしょう。
時折尊龍から発せられる「嫁」宣言は
……あんなこと言っておきながら
ひぇ、ちょっと隠れたい恥ずかしさ
ないわけではありませんよ、そこ! ]
あ。
[ 気付いたら彼のことを自然に尊龍って呼んでた。
聞いたわけじゃないのに。
そしてね、その時の優しい瞳を
私は「好きだ」って 思ったの
ここへきて すこしずつ流れてく
あの娘のこころは
私とは 別のものだけど ]
[ 居間へと通されて
座布団はふかふか。
本当にかみさまの場所なのね。
見たことの無いような綺麗なお菓子を
かわいらしい子供が持ってきてくれる。
手を伸ばす前に あなたは私へ問う ]
これで私は ほんとうに
あっちの世界から 居なくなるのね
[ 私を連れ去るものに 集う蝶 ]
[ 私にはちゃんとパパとママといる。
お友達だって居るし
まあ……名ばかりの彼氏も居たりもする。
来週から始まるソシャゲのイベントを楽しみにしてたし
まだ限定のスイーツも食べてないし
未練が全く無いといえば嘘じゃない。
向こうにいた私はどうなるのだろう。
消えてしまって悲しむ人がいる。
忘れられるのなら、やっぱり寂しいかな。
だからね。
私は隣に居るあなたを 見上げるの ]
私は あなたを愛していたから
うまれたのね
あなたをはじめに愛したわたくしは
私とはおなじで 違うかたちよ
あの娘は私で、私はあの娘。
けれど私は お菊じゃないし
お菊は 瑛莉咲じゃない。
ねえ それでも
[ 赤い蝶が集うそれ。
禁断の甘い香りの、花の形を
あなたの手に導いて。
ちゃんと手にとってくれたかな?
そしたらそのまま、私の唇に口づけるように
近づけて ]
[ なんて、聞いておいてね
私はそのまま
尊龍の指先ごと
その花弁を口へと含んでしまうの。
蝶ごと飲み込んでしまうように。 ]
[ かみさまになろうとしている強欲は
ねえ、ちゃんと出来たよ、って
ちろ、と赤い舌を出す。
これからどんな変化が起きるのか、
少し怖い気持ちはあるけれど。
……でももう、後に戻るなんて考えすらしない ]
[ 例えこの強欲が、あなたと同じ形ではなく
醜い鬼へと姿を変えてしまっても。
資格がないと 心臓を貫かれたってかまわない ]
[俺の長くうねった話の結び、
由人が掛けてきた声に、俺は一瞬
ぎくりと身体を強ばらせた。
だけど、返事をする前に
俺の頭はぽすん、と由人の肩口に迎え入れられて
ベッドで一緒に寝た時に嗅いだ由人の匂いが
鼻腔いっぱいに広がった。
……抱きしめられてる。
そう気が付いたのは、髪を撫でる手の
優しい温かみを感じてから。]
…………そこは、さ
「俺がハッピーエンドにしてやる」
とかじゃないの……?
[由人の肩口に顔をうずめたまま
俺は嗚咽混じりに笑ってしまう。
……でも、そういう薄っぺらいこと言って
誤魔化そうとしたりしないで
真剣に向き合ってくれる由人が
好き。
こういう人だからこそ、
一緒に生きていきたいって思えたんだ。]
……ふ、ふ……俺も、
ハッピーエンドにしたげる自信なんか
全ッ然!無いけどさ……!!
[由人の背中にまわした腕を、きゅ、と引き寄せて
俺は微かに肩を揺らした。]
[神域に誘えば、感嘆の声をあげるえりさ。
気に入ってくれたようでよかったと思いつつ、
さらさらと流れる小川に近づくのなら、
寄り添い共に川を眺めよう。
川底の小石は翡翠に瑪瑙、石英が煌めき、
流れる魚はキラキラと白銀や金色の鱗をしたもの。
水面を覗き込めば、
流れる水面に浮世の風景が時折映る事だろう]
……いいや、死んではいないさ。死ではない。
魂の在り方が変わろうとしているのだよ。
[エリサには分からぬかもしれぬが本質を語る。
難しいだろうが、いつか理解できるだろう。
――そう、それだけの時間がここにある。
安心させるように柔く頭を撫でて微笑んだ]
[子供たちにエリサを嫁と紹介しながら、
気恥ずかし気なエリサに、
「なぜ恥ずかしいのか分からない」的な態度でいる。
いつしか自然に私の真名を呼ぶエリサ。
嬉しいと思うのだ、愛おしいと]
えりさ。
[優しく微笑み見つめ合い。
家までの道中はそうして仲睦まじく共に歩いた]
[家に帰りエリサを居間へと通し。
茶と菓子を振舞おう。
――神域への招待。人の世との別れ。
よぉく考えるよう、促して――]
……確かに、死ぬことはなかろう。
だが、あちらの世のお前は”生きて”はいけまい。
生命として刻む軸を違えてしまうからな。
人々の記憶から己が消えていく悲しみ。
世の流れから己だけが取り残される侘しさ。
生命の輪廻に還れぬを悔やむ日もあるかもしれぬ。
……お前のご両親にも、申し訳ないと思う。
それでも……、
[するり、えりさの隣に座り、
見上げてくるその瞳をよぉく覗き込み]
[ひらひらと、赤い蝶が二人の周りを飛ぶ。
菓子をエリサが私の手に導くのなら、
それを受け取り手に取って――。
指が、菓子がエリサの唇へと誘われる。
囁かれる菓子よりも甘い言葉に心が躍り]
無論だ。 私の嫁になってほしい。
愛しているよ。
お前がお菊だからでも、瑛莉咲だからでもない。
お前がお前で在り続けるから、
その魂の美しさをこそ私は普遍に愛し続けている。
[口からするり出る言葉は迷いなく一途なもの。
愛おしさを込めてそう告げて――]
ああ……、ふふっ……。
[菓子ごと私の指まで食べてしまうその愛くるしさに、
漏れる吐息は
色
を含んで愛し気に微笑み。
ひらり。
蝶が霧のようにくらりと姿を変え、
するりと菓子と共にその口内に呑み込まれていった。
まるで新しい”命”を与えるように。
菓子を食べ終え、愛らしく赤い舌を出す姿。
――ああ、愛おしい――]
偉いよ、えりさ。 よく食べれたね。
これで私達は同じ神。
ずっとずっと、共に生きる夫婦になれるのだよ。
[よくできたとばかり、エリサの頭を撫で。
両手を広げるエリサを強い力で抱き締めた。*]
俺一人でできるわけないだろ
[ 嗚咽まじりに笑う彼にそう答えると、
「俺も」と同調する声が耳元に響く。
回された手にきゅ、と力を込められて、
少しだけ体が近づいた。
ハッピーエンドにしてやる、なんて
豪語できるほど己の自信は満ちてないし、
どっちかといえば己一人だとたぶん
バッドエンドへ猛スピードで突っ込んでいく。
だけど、お互いに押し合いながら
選び取っていったものならきっと、
それが正規ルートじゃなくたって、
その道の先にあるのはハッピーエンドと
名付けたっていいと思えるのだ。]
![](./img/closure/171.png) |
[ 大きな音が響く。 目を丸くしてそちらを見ると、 両手で彼がぎゅっと腹を押さえるから。
ふは、とまた昼間みたいに噴き出して、 そのままくつくつ肩を震わせた。]
うん、晩飯食おう
[ と頷いて、客室へ運んでもらえるよう フロントに連絡を入れようか。 それが来るまでの間、せっかくだから 準備されていた浴衣に袖を通して、 褞袍を羽織る。]
(25) 2020/09/16(Wed) 0:02:16 |
![](./img/closure/171.png) |
露天風呂もあるらしいし… 楽しみだな。
[ と微笑んで。 運ばれてきた食事に舌鼓を打つのだ。 先付けから始まるコースと別に、 一品料理として、今が旬の 鮭児が食べられるというから少し値は 張るけれど、せっかくだし、と注文した。 半冷凍で運ばれてきたそれは、 生臭さはまったくなく、 口に入れるととろけるような舌触りで、 日本酒によく合う。
なるほど、はじめにきいた評判に違わず、 海の幸の溢れる夕食は絶品だった。
───が。]
(26) 2020/09/16(Wed) 0:02:37 |
![](./img/closure/171b.png) |
温泉……
[ そう、温泉に入る予定だったのだ。 だったのだ、けれど─── 酒をしっかり飲んでしまったものだから ちょっとさすがに今すぐ入るのは 体によくない気がする。
客室にも温泉が付いているらしいから、 そこで済ませるか…と思案して。]
(27) 2020/09/16(Wed) 0:02:57 |
![](./img/closure/171b.png) |
…ちょっと、休んでからにする。 温泉、行って来なよ。
[ と彼には促して、 己は一度、和室仕様の低めのベッドに 座って、しばし休憩をとろうか。]*
(28) 2020/09/16(Wed) 0:03:16 |
[ いつか終わらない日々を
悔やむ日が来るのかもしれない。
悲しいと思うのかもしれない。
こんなにも美しい場所であっても
孤独は心を殺してしまう。
……これからどれほどの永い時が流れるかも
さっきまであちら側にいた私には
想像だってつかないけど。
小川を共に歩んでいた時から
今この誓いの時まで
変わらないことは ひとつだけ ]
私はずっとあなたの側にいる。
尊龍を孤独にさせたりしないから
ふたりで 生きよう……?
[ 神様の孤独を嘆くなどと
とてもそれは人らしい思考だったかもしれない。
……かみさまと同じになんて、ほんとになれるのかな。
そう、私は欲張りなの。
たくさんたくさん あなたがほしい。
生まれるまえから、生まれたあとだって
尊龍のためだけに 或りたいの ]
[ 赤い蝶が霧になって
私の中へと溶けてゆく。
それは未だ音を立てる、
ヒトとしての生に絡みついて、
捕らえて、引き裂くように ]
[誰にも見届けられない誓いのキスは
初めてじゃないのに、すごく、心臓がうるさくて
触れるだけの軽くて可愛いそれに
ちょっと、震えてたかもしれない。]
――――由人だって。
[やわらかい髪に指を通して
ほんの少し潤んだ目元にキスを落として。
こういう、ちょっとしまらないとこ。
本当に、かわいくて、いとおしくて。
頼まれたって離すもんか、って思う。]
![](./img/closure/171.png) | [ ここまでの馳走を家で振る舞うことはない。 いつだって、お互いの口に入るのは、 その日のW余り物Wばかりだったから。
だけど、その喜びようをみていると、 せめて誕生日くらいはこれくらい いいものを準備しようかな、 なんて気持ちにだんだんなってくる。
前は心ばかりのケーキを一切れ、ずつ、 だったし、次の誕生日はきっと。]
(39) 2020/09/16(Wed) 19:25:13 |
![](./img/closure/171.png) |
あっちじゃなかなか食えないし 北海道まで来たんだから 絶対食うって決めてた。
[ 鮭児を珍しそうにしげしげと 眺める様子をみているのは、 なんだか楽しかった。
女将さんの説明には一緒に頷いて。 半凍りのルイベを口に入れたあと、 彼を真似て炙って食べてみる。 凍ったものよりも、もっと 甘味が増して、じゅわ、と溶ける。
たしかに炙りも美味いな、と 上がる口角をそのままに、酒を含んだ。]
(40) 2020/09/16(Wed) 19:25:31 |
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