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【人】 ]Y『 塔 』 プロセラ―― 医務室 ―― [ >>213手を借りて体を起こす。 噛み砕くように説明してくれるその言葉を 聞いていたなんて遮ることはせず、 ぼくのために紡ぐ言葉を噛み締める様に聞いていた。 会いに行きたい人はいるかときみは問う。 ぼくにきみより深くかかわった相手などいないのに。 ぼくの世話をしていた職員は確かに存在するけれど 仕事として順に受け持っていただけの存在だ。 現にいまは投げ出している、その程度の縁だった。 けど、きみはぼくとはちがうでしょう? ] ヒナギクは……? いかなくて、いいの? [ のろのろと首を振ってから、問い返す。 別れを告げる為でなく、望みをかなえる為に。 会いに行きたいひとはいるんじゃないだろうか。 ぼくの知るきみはそんなひとだった。 誰かの為にがんばりすぎてしまうひと。 何時だって、誰かの為に輝いていた。 それが自分のしたい事だと云うみたいに ] (420) 2022/12/19(Mon) 22:20:05 |
【人】 ]Y『 塔 』 プロセラ[ ぼくの答えは決まっていた。 きみの望むままに。 きっときみは世界を護りたいと答えるだろう。 けれどふと思う。 きみの望んだとおりに護られた世界は果たして きみにとって昨日までと変わらない輝かしい世界だろうか。 既に崩壊が始まり掛けた世界を知って生き延び 悪戯に怯えたその他大勢たちのあいだに すべて証持ちが集まった所為で 今も滅びに向かっていると広まったとしたら…? いつかの誰かみたいに 数の暴力に殺されるのは こんどはきみなんじゃないか、って。 ■■■■■がぼくらが望んだ通りに叶えるとは思えない けれど、もし叶ったら? 叶ってしまったら? 心優しい彼女が守ろうとしたものが 彼女に牙をむく残酷な現実は容易く想像できてしまって >>1:9『今度こそ』と■■が言ったのを聞いた。 やり直せば良いと思ってる■■■■は きっと彼女個人を救ったりしない。 ] (421) 2022/12/19(Mon) 22:21:44 |
【人】 ]Y『 塔 』 プロセラ[ 選択には責任が伴う 喩え理不尽に突き付けられる二択でも。 それなのにその責任を彼女に委ねることは 決して彼女の為の優しさじゃない。 だから、きみの意思なんかしらない。 きみは他人にやさしすぎて すぐじぶんを蔑ろにしてしまうから。 きみに呼ばれた名前を頭の中で反芻して。 自分に誓ったことを思い出す。 きみが望んでも、望まなくとも ほかでもないぼく自身のために きみを攫うときめたんだ。 閉じ込めてでも、きみに向けられる悪意から覆い隠すと。 たとえそれできみの笑顔が陰ってしまっても しんでしまうより、ずっといい。 ] (422) 2022/12/19(Mon) 22:23:04 |
【人】 ]Y『 塔 』 プロセラいってきなよ。ぼくはへいきだから。 [ たくさん頑張って、足掻いて、 そして叶わないと良い。 そしたら諦めもつくでしょう? 絶望して嘆くきみのとなりで きみはできるだけのことはしたよって慰めるんだ。 それはとてもすてきなことのようにおもえた。 ああ、どうしよう。 こんな醜い感情、きみにだけは決してみせられない。* ] (423) 2022/12/19(Mon) 22:23:27 |
【人】 ]Y『 塔 』 プロセラ[ きみの笑顔の眩さがぼくのこころのなかの悪意を 焼き尽くしてくれたらいいのに。 望みは大体叶わない。 いつの間にか君に馴染んだ笑顔も 元気付けるみたいな明るい声も 握り締めてくれる手の温もりも きみから与えられるなにもかもに きっと満たされ過ぎてしまった。 あとは、崩れるだけだ。 ほら、崩壊の音がする。 ] (458) 2022/12/19(Mon) 23:41:25 |
【人】 ]Y『 塔 』 プロセラ[ どっちだっていい。 世界が続いても、滅んでも、 きみさえ無事ならそれで良い。 けれど世界が続く事は祈れなくて けれど世界が続かないことを望んでいると 絶対に誰にも知られる訳にはいかなくて 結局ふりだしにもどった。 今度は、どうでもいいからじゃなくて それしか選べないからこそ。 ] かくさなきゃ…… [ きみが戻って来て、どうするかと問われたら? ぼくはきっと『疑われた』と身構えてしまうだろう。 だってうしろめたいことをかんがえている。 ぼくは上手く答えられるだろうか。 練習をしようと思った。 きみが教えてくれた歌を覚える時みたいに、繰り返し。 ] (459) 2022/12/19(Mon) 23:42:44 |
【人】 ]Y『 塔 』 プロセラ[ きみが戻ってくるこの場所から逃げ出した。 すこしでもきみとの再会までの時間を稼ぐために。 どこへ?なんてわからないまま、歩き出す。 ■■■■への返事なんか考えてなかった。 何も答えないつもりでいた。 何も答えられないから。 尋ねに来たならきっとそれからも逃げ出しただろう。 偽りしか答えられず 偽りすら吐きだせないのならば 何を問われようとも なにもかも不要な事で なにもかも意味が無かった。 言葉を殺して、ただ息をする。 強いられたのはそれだけだ。 選べと強要されても従う道理はなかった。 ひとめみてあれが■■■だと頭で理解できたけれど 心はずっと、その思考を否定していた。* ] (461) 2022/12/19(Mon) 23:43:51 |
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