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![]() | 【人】 黒眼鏡カウンターで暇そうにタブレットを叩いている。 すると、メールが一通ポン、と鳴った。 「ん。おー……」 かたかた。返信を打ち込むと、立ち上がる。 壁際に張ったボードにかけてあった車のキーを手に取って、 ガレージへと向かった。 ついでに、カウンターに一枚のボードをかける。 『ちょっとドライブ』 ……営業中なのにドライブに行く男だ。 /*来客の方は気にせずいらしてください あなたが来る頃には戻ります (76) 2023/09/12(Tue) 22:36:16 |
![]() | 【人】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ>>72 ニーノ 喉を鳴らして笑う。どうやらからかうと面白そうなタイプだ。 そう認識した事など、あなたも仔猫も知る由なし。 「男は狼というだろう?キミもベッドの上では存外 噛みつく男というものかもしれんぞ、くくく……」 白衣の袖で口元をわざとらしく隠し、空いた片手で裾をぱたぱた。 タイトスカートとニーソックスに挟まれた白い肉が良く見えた。 そして名前を聞いた瞬間、ぱちんと指を弾いて―― 「ああそれはそれはニーノくんここ育ちなら心配は要らないなそれに生憎俺に手を出す奴はそういないんだこの辺じゃ『先生』で通ってるもんでね目立つ見た目に評判もあれば余程じゃなきゃ手出ししたらあっという間におまわりさんのお世話になるって事想像がつくだろう?」 突然猛烈な早口でまくし立てる。 「ま忠言は素直に受け取っておこう思い出せた事だしなどこで見たかそれじゃ遠慮なく通らせて貰うとしようじゃあないか何せのんびり話してたら近道の意味がなくなってしまうからね!」 目の前を大股で歩きながら笑顔を仔猫とあなたに向けて、 路地裏を抜けていく……前に。 「ああ、名乗り忘れていた。カンターミネだ。 子供達に評判でもきいてみてくれよ、おまわりさん?」 ウィンクと投げキッスを残して、手を振ると去っていった。 #路地裏 (77) 2023/09/12(Tue) 22:39:29 |
![]() | 【人】 渡りに船 ロメオ>>31 ヴィンセンツィオ 軽やかなドアベルの音、扉の開く音。 クーラーのリモコンを置いてカウンターへと戻る途中、 振り返りざまに「いらっしゃいませ〜」と緩く店員らしい挨拶を。 ──癖のように自分より下げられた視線は、 少しの驚きを以て開かれると同時に自分の上の方へと修正された。 なんせ自分より背の大きい人は珍しいもので。 「……今日のおすすめ。 あー、今日のパーネ・ディ・リーゾは米粉で焼いてるからいつもより食感がいい。チーズとハムのピッツァ・ビアンカもあるし、なんか旦那が朝からさくらんぼのパネットーネも焼いてる」 「場所はそこ、そこ、あとそこ。値段は札見てください」 その驚きも一瞬に、尋ねられればすらすらと答える。 表情も声の抑揚も愛想のいいものではないが、瓶底眼鏡の奥の視線だけはきちんと貴方に合わせられていた。 一つに束ねられた薄いレモン色の髪を揺らしながら定位置の席へと付けば、背は貴方よりも大分低くなる。 #パン屋 (78) 2023/09/12(Tue) 22:47:29 |
![]() | 【人】 月桂樹の下で ニコロ>>58 ダニエラ 「そんなとこだな。 ニンナ・ナンナはガキの頃に聞いたことがあるし 何なら今もガキどもの前で吹く事もあるからな。」 そう言いながら、吹き終えて 貴方の言葉を聞けば、照れくさそうにするのだろう。 「そう言われんのは素直に嬉しいな。 Grazie.ダニエラ。それとお粗末さん。 また機会があればいつでも聞かせてやるよ。」 「さて、そろそろ仕事に戻らねえとどやされそうだな。」 二曲を吹いて、貴方がもう食べ終えそうならば 悪戯っぽくそんなことを言うだろう。 #街中 #公園 (79) 2023/09/12(Tue) 23:02:02 |
![]() | 【人】 法の下に イレネオ>>66 ダヴィード 駆けて行って、駆けて戻ってきて。 まさか店先でUターンしてきたわけもないから、わざわざ走って、止まって、走ったのだろう。その過程を想像するとやはり微笑ましい。 まさか店先で足踏みを? と、それもまた想像しては笑いを噛み殺した。 「両方好きだよ。」 問われた言葉には、そんな答えを返して両手を差し出す。 笑んだ口元のまま、珍しく貴方より低い視線で続けた。 「と言えば、困るのはお前じゃないのか。」 おそらくは、分け合うつもりで来たろうに。 二つとも寄越せと言えばどんな顔をするのか、少し興味がある。興味があるだけで真意ではないと、そこまで見抜かれている可能性も、あるにはあるけれど。 #商店街 (80) 2023/09/12(Tue) 23:08:02 |
![]() | 【人】 月桂樹の下で ニコロ夜も更けた頃 勤務を終えたのだろうか 酒場へと足を向ける男が1人 誰かが居るかもしれないし 居ないかもしれないけれどお構いなしに ドアを開けて中へと顔を覗かせた。 「ハァ、今日も疲れたぜ。」 さて、今日の酒は何にしようか。 #バー:アマラント (81) 2023/09/12(Tue) 23:13:52 |
![]() | 【人】 無敵の リヴィオ>>73 ニーノ 砕けたところで指摘もしない。嫌な顔もしない。 むしろそのままで構わないというように微笑んでいる。 今までも例えその瞬間があったとしても、 同じように笑顔を見せていたはすだ。 引き続き面白い反応を見せる君に、 顎を撫でていた手を口元に運び、 普段は見せない真っ当そうな反応で声を上げ笑い始めた。 「ははっ……いや、からかってすまないね。 特に秘密の関係という訳でもないさ。 …ネタばらしをするとね、可愛い後輩からだよ」 笑い終えて深めの息を吸った後、 君とは反対に両手をパッと開いて簡単なネタばらし。 仕事についてはショーウィンドウを鏡にする時点で今更だ。 気にしないでくれと笑いながら変わらない平和な街を一瞥した。 #街中 (82) 2023/09/12(Tue) 23:14:21 |
![]() | 【人】 日差しにまどろむ ダニエラ>>79 ニコロ 「ほんとおですかあ?やったあ。」 「それじゃあまたの機会を楽しみにしてますねえ。」 立ち上がり、口元緩く。 「美味しいピザと素敵な演奏、ありがとうございましたあ、市民さん。」 「また何かお困りのことがありましたらあ、本官にお気兼ねなくご相談ください〜」 …どうやらこの演技、気に入ったらしい。 ふふ、と笑いながら最後に軽く手を振って。 「また明日。お会いしましょうねえ。」 その『明日』、女が非番であることも度々あるのだが、そんなことは些細だと言わんばかり。 いつもとおんなじ挨拶を残して、その場を立ち去っていく。 #街中 #公園 (83) 2023/09/12(Tue) 23:29:32 |
![]() | 【人】 門を潜り ダヴィード>>80 イレネオ さて、本当のところはどうだったのだろう。 走って行って、デートかとジェラート屋の主に揶揄われて、いいから早く用意してくださいなんて宣って、そこからまた走って戻ってきたのかもしれない。 そう離れた距離ではないが、こればかりは貴方の知らない話。 「いいえ?困りはしませんとも。 こいつが少し行き場を失うだけですよ」 ひらりと取り出したのはジェラート用の木匙。 よく見れば、差し出されているカップには木匙が添えられていない。 どちらも!と言えばジェラートだけが手に入ってしまいますよ、という意地悪……悪戯である。 #商店街 (84) 2023/09/12(Tue) 23:53:09 |
![]() | 【人】 法の下に イレネオ>>68 ペネロペ 薄闇の中だ。こちらは何も歴戦の戦士などではないから、即座にその人となりを見抜くのは難しかったはず。もしや墓参りの徒かと手帳を閉じ、しかし呼びかけられた名前に怪訝そうに顎を引いて。それから徐々に近づく容姿で、ようやく得心がいったと身体の力を抜いた。 「ペネロペ」 声は柔和。知り合いに向けるそれ。 この男にとって馴染み深いのは、パスティチェリアの店員である貴方だ。まさかマフィアだとは思いもよらないが、そうでなくても、こんなところでまで手伝いをしているとは知らず。 「こんな時間まで仕事か?」 驚きと関心を込めて問いかける。かんばせは貴方に向かって俯いて、薄暗い中でも一層暗くなるだろうか。どうあれ、声から伺うに、恐ろしい形相をしているわけではなさそうだ。 #共同墓地 (85) 2023/09/13(Wed) 0:09:45 |
![]() | 【人】 口に金貨を ルチアーノ>>64 テオドロ 「文句なんて言うもんか。 むしろそんな貴重な時間を貰えることが光栄だなあ」 表の顔は放浪息子、休みを合わせる方向にすんなり了承するし、あなたの言い分は正しいと心地よく言葉を返してみせた。 たとえ日付が遠い日になろうと、そこが温泉地でなくなったとしても、共に出掛ける為の口実が残っただけ上々である。 「酒か食事を奢るぐらいの礼は用意するさ。 デートできる日を待っているよ園芸の君、ああそうだ」 立ち去る前に思い出したとても大事なことを伝えておこう。 自分と違って貴方は真摯で真面目な男であるから、予め。 「俺の約束より女の誘いが入ったらそっちを優先させろよお。 前に聞いてきた贈り物を送りたい女の件でも、何でもな」 #街中 (86) 2023/09/13(Wed) 0:19:48 |
![]() | 【人】 コピーキャット ペネロペ>>85 イレネオ このヴェスペッラでもあまり見ないだろう長身のあなたに対して、 こちらは子どもとしても、女性としても。 それなりにありふれた身長だ。 暗くなりつつある時間も手伝って、見分けが付かずとも仕方ない。 「仕事というよりは、お手伝いを! ここの墓守のおじいさんが腰をやっちゃったみたいで… お客さんから話を聞いて、 仕事帰りに時々手伝う事にしたんですっ」 ぐっと上を見上げて。手に持っていた道具類を、 あなたにも見えるように少し上に持ち上げた。 あなたは今どんな表情をしているだろう。 声色から想像するとしたら、驚きにほんの少し目を瞠った顔。 墓守の話を客から聞いたのは本当の事。 墓地に出入りすれば、死者の情報も少しは入ってくる。 そんな打算ゆえの行動ではあれど、今は真相は秘されたまま。 「イレネオさんは、どうしてこんな時間に?」 答えを返せば、後に続くのは純粋な疑問。 道具類を少し下ろして、小首を傾げた。 #共同墓地 (87) 2023/09/13(Wed) 0:47:05 |
![]() | 【人】 法の下に イレネオ>>84 ダヴィード 空白はあるほど想像を誘う。 その想像が悪い方に向くことは、この状況では有り得ない。だから男はきっとその空白に、あたたかい、或いは愉快なことばかりを当てはめて考えていたのだろう。 伸ばした手が一時止まる。 「なるほど。」 選択肢として用意されていたからには、この回答もお見通しだったわけだ。 こちらは口が大きいし、冷たいものが頭に響くたちでもない。だからコーンに入っていたなら何も問題はなかく食べ進めたのだろうが、生憎カップに顔を突っ込んで食べるのはさすがに気が引ける。 「一本取られたよ。お前が上手だ、ダヴィード。」 レモンの方がいいな、と降参したように軽く手を上げながら。ついでにその木匙も貰えれば嬉しいが。わざとらしく上目遣いを作ってみた。 #商店街 (88) 2023/09/13(Wed) 1:04:39 |
![]() | 【人】 法の下に イレネオ>>87 ペネロペ 小柄な体躯は安心を呼ぶ。こちらを害せるわけがないという、傲慢な油断だ。 庇護や、護衛の感を無意識に誘った。それはある意味で貴方の才能なのだろう。勿論男は、そんなことを知らない。知る由もない。 「そうか。……そうなのか? 親切だな。お前も大変だろうに。」 「働きすぎじゃないか。休める時には、きちんと休んでおけよ。」 だから、ありふれた気遣いの言葉を投げて寄越す。 華奢で、明るく、いたいけで、働き者で、頑張り屋のペネロペ。それにかける言葉としてはこの上なく正しい語句を淀みなく紡いで、「どうしてそんなに頑張るのか」と聞くことはしなかった。プライベートへの配慮は、そのまま貴方への、おそらくは好都合な無理解へと繋がっていく。 「いや。」 「少し、用があって……急ぎじゃない。」 「そっちの方が、大変そうだ。手伝うか?」 刑事だと明かしたことはあっただろうか。なくとも、そんなに必死になって隠しているわけではないから、察せられる部分はあるか。 どうあれいつの間にか、誤魔化すように手帳は仕舞いこんでいた。 #共同墓地 (89) 2023/09/13(Wed) 1:21:42 |
![]() | 【人】 拷問吏 ネロ――に、ち。 「"奇怪"であろう。 目の粗い麻布に針を通しても糸を傷つけぬ理論と同じである。 故に、傷付かぬのなら、痛みがなきことも道理。 が、"そこ"を動かしてみよ。動かぬものがあるだろう」 ――ち。 「それは、"二度と動かん"。 生命活動に支障はない。痛みすらなかろう。 ただ、表面に傷を入れず "最奥"だけを無遠慮に一度犯された身体は、 在り方からぐちゃぐちゃと書き換えられる」 ――ち。ぐ。ち。――ぐ。 「それは、仮にここを出られても、 "不便"を齎す、"不自由"を齎す。 上がらぬ腕を、引きずる脚を、 見えぬ暗点を、聞こえぬ一音を、 揃わぬ足並みを、纏まらぬ思考を、 嘲る視線を、ままならぬ立場を齎す。 慣れはしようが、"失う前より出来る"ことは二度とない。 "研鑽"でも追いつけぬ"不都合"を確実にその身に刻む。 さて、再度動かぬ"それ"を見よ。自由の利かぬそれを。 ……主は、死ぬまでに、 あと何度それの不便を感じるだろうな」 #拷問部屋 (91) 2023/09/13(Wed) 1:49:33 |
![]() | 【人】 コピーキャット ペネロペ>>89 イレネオ 「はあい。 ふふ、ちゃんとお小遣いも出てますよ。親切はお互い様ですね。 イレネオさんもいつもお疲れ様ですっ」 きちんと休め、という言葉には素直に肯いて。 それが自身を心配する者への一番の返答だろうから。 そうして、他者を慮るあなたをお互い様と言う。 無論、これらは『一般市民のペネロペ』としての言葉であって。 『マフィアのペネロペ』がどう思っているかは定かではない。 うわべだけを見せられ、無理解へ誘導されるならなおのこと。 この猫被りを自ら剥ぐ気は、さらさら無いが。 「いえいえ、もう終わった所ですから! 後は用具入れにこれをしまって帰るだけですっ …もしよろしければ、片方持ってもらっちゃったりしても?」 心配されたから、というわけでもないが。 せっかくなら、お言葉に甘えて手伝ってもらおう。 そう思って、掃除用具と園芸用具の二つをまた少し掲げた。 #共同墓地 (93) 2023/09/13(Wed) 2:11:01 |
![]() | 【人】 コピーキャット ペネロペ>>89 イレネオ 「それにしても、こんな時間にお墓にご用事なんて 実はイレネオさんは探偵だったり? …なんて、小説の読みすぎでしょうか」 実際は刑事だと知ってはいるけれど。 今は 職業までははっきりと聞いた事はなかったように思う。だから世間話、他愛無い話題として、それを選んだ。 #共同墓地 (94) 2023/09/13(Wed) 2:11:42 |
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