16:49:15

人狼物語 三日月国


59 【R18RP】花韮の咲く頃

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視点:


【人】 矢川 蛍

[月曜日。

 そのまま帰ろうとしていたらメッセージが届いて
 私は一も二もなくテンションが上がっていた。
 直ぐに私も会いたい、と返事をしてから
 隆司に会いにいく。
 きっと私が犬だったら、喜びにちぎれんばかりに
 尻尾を振ってる姿があっただろう。]


  うん、こういう感じでも良いから……。
  ふふ、隆司さんに会えて嬉しい!


[頭を撫でられてうれしくなる。
 けど、短い間だけならそれで我慢しなければ。
 本当はしがみ付きたかったし、もっとお話ししたい。
 けれど頭を撫でてくれる手にそっとすり寄って
 その日は我慢で別れたのだった。
 卵焼きの話は聞けたので>>1:111
 水曜日のお弁当にはしらす、
 木曜日のお弁当には桜海老の入った卵焼きを入れる。
 しょっぱい系の卵焼きは新鮮だった。
 けど、もしこれで喜んでもらえるならと
 張り切ったところで久々に親との会話があった。
 卵焼きの変化について。
 それに答えたのは、付き合ってる人が……という
 親にそれを伝えてしまうセリフ。
 照れながら伝えたそれに母は驚いたけれど
 翌日に渡されたものには頭が沸騰しそうになった。]
(0) 2021/03/05(Fri) 7:03:34
  わ、私たちまだそう言うんじゃないから……!


[綺麗な蝶の箔押しの箱。
 高級チョコかな? と騙されるところだった。
 こう言うの、親が娘に渡すもんじゃないと思うけど!
 けど、避妊だけはしっかりしなさい。
 そう言う行為は止めるつもりはないけれど、と
 真面目な顔で言われたらぐうの音も出なかった。
 いつそう言う関係に進むか分からないし
 身の安全のためにも、なんて言われたら。
 渋々、貴重品ポーチに突っ込んでおく。
 これ、見つかったら気まずいなあ……。
 ともあれ、彼氏の存在を知られても
 根掘り葉掘りされなかったのはよかった。
 とんでもない地雷を仕込まれた気分はあるけど
 放任主義と言うか個人主義というか、
 こう言うところは気楽だな、うちの親。]

【人】 矢川 蛍

  そんな訳で、お付き合いしている人がいると言うのは
  卵焼きで察される事になりました……。


[と、お話ししたのは木曜日の帰り道。
 流石にそれで受け取ったものは言えなかったけれど。
 でも、賛成も反対もされずにいたとは伝えた。
 個人的にはそれでもすごく気楽だったとも。]
(1) 2021/03/05(Fri) 7:04:20

【人】 矢川 蛍

[そうして、金曜日。
 待ち合わせ場所に向かう前、学校の荷物を置きにいく。
 体育もあったから一度シャワーを浴びて着替えて、
 ジャズバーにドレスコードはないらしいけれど
 せめて派手にならないように、と
 桜色のニットと黒のフレアスカートを選んだ。
 上着も黒にしたから、目立ちにくい……と思う。
 普段はメイクもしないけれど、
 ほんのり色のつくリップくらい、良いよね?
 貴重品ポーチを入れたポシェットを下げて
 少し早めの時間に彼を待つ事にする。
 待ち合わせ場所は外だったか、家だったか。
 そわそわ、気持ちが落ち着かなかった。
 それはもちろん、楽しみで、うれしくて。**]
 
(2) 2021/03/05(Fri) 7:04:39
[矢川母の贈り物は英断であった。
 なにせ上原に避妊具を買い置きする理由がなかった。

 自宅には古いものが余っていたかもしれないし、使用期限も過ぎてないかもしれないが、すぐに出せるところにあるかは不明である。

 その上、矢川が高校生ということもあり、まだ早いと思い込んでいる節がある。
 買って持ち歩くことも当分は無いであろう]

【人】 矢川 蛍

  母さんの実家の卵焼きは塩コショウだったみたいです。
  甘い卵焼きは父さんの家の味だって。


[つまりは、母も変えたのだ。
 自分が馴染んだ卵焼きの味から、
 大切な人が好む卵焼きの味へ。
 ついでに言えば、卵焼きを変えた事で
 相手が幼馴染じゃない事も分かったんだろう。
 全く関係ない話だけれど。]


  確かに塩胡椒の卵焼きも食べた記憶はあるんですよね……。
  あ、卵焼き、どうでした?


[あれでよかったのか、どうなのか。
 隠し味までは知らなかったから>>3
 教えてもらえれば驚いて今度チャレンジするし
 隠されたなら試行錯誤を繰り返す、かもしれない。
 どちらにしろ隆司さんの口に合う味になりたいのは
 確かな事なのだから。]
(6) 2021/03/05(Fri) 14:14:59

【人】 矢川 蛍

[そうして金曜日。]


  ううん、全然!
  楽しみでそわそわはしてたけど
  時間はバッチリ大丈夫だもの。

  ……腕、組んでも良いですか?


[夜のデート。少し大人になった気分だ。
 もちろん相手は大人なのだけど。
 隣に立ってもおかしくないくらいには
 子供っぽさを消しておきたいと思うけれど
 それがどこまで成功してるかわからない。

 受け入れてもらえたら腕を組んで。
 躊躇われたら仕方がないから手を繋ぐ。
 どちらにしろ、私の顔はもう赤い。

 今日向かうのは駅前に近い場所にある
 JAZZ room "bloom"だ。
 今日は特にサックスメインのラインナップらしいから
 それだけでも楽しみだと言うのに
 隣に、隆司さんが居てくれる。
 それだけでワクワクとしている私は
 ……大人っぽくは、なかったかもしれないけど。

 隣に立ってて、おかしくないと……良いな。**]
(7) 2021/03/05(Fri) 14:15:17

【人】 矢川 蛍

  お味噌汁。
  うちは基本豆腐かもやしで昆布出汁ですけど
  おばあちゃんちに行くと蕪出てくるんですよね。
  それとナメコ。
  お味噌は多分一般的な米味噌……かな?
  隆司さんちはどんなのですか?


[赤だしとか白味噌とか、地域色豊かなものではない。
 そんなふうに聞いてみたけれど
 卵焼きに昆布茶が入ってた、と聞けば目を丸くした。]


  なるほど。
  塩気も入って出汁の旨味も入って良さそうですね。
  加減を間違えると塩分過多になりそうだけど……。


[なるほど、今度作ってみよう。
 昆布茶を粉のまま入れるのか溶いて入れるのか
 その違いで卵焼きの硬さも変わりそうだし
 いっそだし巻き卵のイメージで?
 そんな事を直ぐに考えてしまう。
 隆司さんのお弁当に入れる前に
 何度か挑戦してみよう。そう決意する。]
(10) 2021/03/05(Fri) 16:14:57

【人】 矢川 蛍

  どうでしょ? 歩きにくいかも?
  でも……ほら。まだ夜は冷えるじゃないですか。
  だから少しくっついていても……セーフかなって。


[多分、夏にお付き合いを始めていたら言い出せなかった。
 寒いからくっついていても大丈夫だろう。
 ぎゅ、としがみつく訳でもない。
 ただもう少し、近くに寄り添いたいだけ。
 OKが出たから緩く腕を絡めて寄り添って、
 ふふ、と思わずうれしくて笑ってしまった。
 胸の横がふわっと隆司さんの腕にくっついたけれど
 私はそれよりも腕を組めた事が嬉しかった。

 そしてそのまま歩いて、お店に向かう。
 店内は少し薄暗くてシックな雰囲気。
 生演奏があるバーだけれど、
 今はおそらくレコードでジャズが流れている。
 二人で隣り合う座席に案内されると
 私はキョロキョロ、辺りを見渡していた。]
(11) 2021/03/05(Fri) 16:15:17

【人】 矢川 蛍

  な、なんかもう、雰囲気が大人ですね……?
  あ、そう言えば隆司さん、夕飯はどうしますか?
  バーとかだとどうなんで……あっ、えっと、


[言葉を途切れさせたのは、お通しのナッツを出されながら
 ドリンクのオーダーを取られたからだ。
 それまではあれがステージか、とか
 お酒がたくさん並んでるなあとか
 そんな風に目移りしてしまっていたから
 改めてメニューに目を通す。
 アルコール、ソフトドリンク、カクテル……。
 もちろんお酒は飲めないけれど。]


  えっと、シャンディ・ガフをお願いします。


[ノンアルコールカクテルのメニューから
 気になったものをオーダーしてみた。
 せっかくだから、ソフトドリンクじゃ勿体ない。

 ……ちなみに、本当にノンアルコールカクテルの欄に
 あったメニューなのだ。
 ビールとジンジャーエールから作るなんて知らない。
 きっと、ノンアルコールビールを使ってるんだと思う。


 ……と、思う。**]
(12) 2021/03/05(Fri) 16:15:35

【人】 矢川 蛍

[やっぱり、それぞれの家庭の味というものは
 あるのだなあ、なんで考えてしまう。
 それはお互いの好みをすり合わせた歴史だったり
 各家庭に連綿と受け継がれたものだったり。
 いろいろ知っていきたいなと思ってしまう。
 ひとまずは、昆布茶での卵焼きを作ろう。
 美味しくできますように。
 来週のお弁当を食べてもらうのが
 もうすでに楽しみになっていた。

 隆司さんが頼んだのはモヒート。>>14
 取り敢えず生、とかじゃあないんだなと
 なんだかそれだけですごく大人に見えてしまった。
 大人、なんだけどね!
 慣れた様子にドキドキと鼓動が高鳴るのを感じる。
 メニューを見せてくれたので>>15
 少し顔を寄せながらその中を確認した。
 そして即決した。]
(16) 2021/03/05(Fri) 18:02:18

【人】 矢川 蛍

  チーズの盛り合わせ食べたいです!
  チーズ好きなんですよね。
  部活帰りにチーズのパンよく食べてますし。
  レーズンバター……って、バター……?


[気にはなるけれど、後者はバターの塊だと
 食べれる気がしないからひとまずチーズを頼むはず。
 隆司さんは何か注文していたかな。
 カクテルが届いたらその色合いに見入ってしまう。
 黄金色の液体にふつふつと細かな泡が踊っていて
 まるでビールみたいだな、と思った。
 隆司さんのモヒートは、思った以上に緑。

 ……えっ、葉っぱ……ミント???]
(17) 2021/03/05(Fri) 18:02:37

【人】 矢川 蛍

   ……それ、ミント? も食べるんですか?


[すごく爽やかそう。そして、夏に似合いそうなカクテル。
 いつか飲んでみようと誓いつつ。]


  連れてきてくれてありがとうございます。
  ……乾杯。


[グラスを浮かせて、隆司さんのグラスの方に寄せる。
 そして恐る恐る自分のグラスを口に運んだ。

 少し苦くて、ピリピリする。
 けどほんのり甘い。
 けどやっぱり苦い。

 飲めなくはないけれど、……飲めなくはないけど。]


  苦いジンジャーエール……???


[味の感想を述べながらナッツを手にして口に運ぶ。
 はじめてのノンアルコールカクテルは
 とても大人な味に感じられた。**]
(18) 2021/03/05(Fri) 18:02:53

【人】 矢川 蛍

  バターはおつまみにはならなそう……。
  レーズン入りのパウンドケーキは好きですけど。


[お酒を飲んだこともないから、
 お酒のお供になるのか? と言う疑問もある。
 ともあれ、分け合うことにうなずいて>>19
 乾杯、とするのがなんだか照れ臭い。
 けど、その味は。>>18


  ビールみたい、と思ったらビール……!
  でも、ノンアルなら飲んで良いはずですよね?
  ふぅん。 ビール。 ……なるほど?


[本当にお酒が! と思ったら、なるほど。
 ノンアルコールカクテルにノンアルコールビール。
 ジンジャーエールの分、飲みやすくはある……のかな?
 ピリピリしてるのは、きっとジンジャーエールの生姜。
 ナッツをぽりぽり食べてからまた口に運んでみる。
 思わず考え込んでしまった。
 一足先に思いがけずビールの味を知ってしまった。
 くぴ、とさっきより味を理解して
 飲みやすくはなったと思う。]
(21) 2021/03/05(Fri) 19:39:44

【人】 矢川 蛍

  次頼むとしたら素直にジンジャーエールにします。
  色、あんまり変わらないですしね。


[それでも少し、わたしには早い味。
 それを痛感して苦笑いを浮かべた頃
 チーズとフィッシュ&チップスが並べられた。
 有難うございます、と小さくお礼を言ってから
 それぞれ取り分けたり、お皿から直接取ったり。]


  ん、ザクザクの食感が良いですね!
  確かにこれは、お酒に合うかも……?


[※ただしノンアルコールです。

 それでも、いろいろ摘んだり飲んだり。
 素直に楽しくて、グラスを半分干した頃
 ステージでの演奏が始まった。]
(22) 2021/03/05(Fri) 19:40:08
[今日の曲目は、映画の名曲のジャズアレンジ。
 「虹の彼方に」はかなり古い映画から。
 それから始まり、ピアノとサックスたちとの演奏が
 しっとりとした調子で奏でられていく。
 自然と私は言葉少なに、演奏に聞き入ってしまう。
 矢張り高音域のソプラノとアルトがメロディの中心となり
 テナーやバリトンがそこに深みを加える形が多い。
 私はバリトンだから、ついそちらの音色に耳を傾ける。
 低く艶のある音色が大人の雰囲気にとても合う。
 飲むことも食べることも忘れて
 つい曲に集中してしまっていた。

 でも。
 ちら、と隣にいる隆司さんに時々視線を送って、
 隣に確かにいてくれる事が嬉しくて。

 穏やかに微笑んで、それからまた曲に耳を傾けた。**]

[演奏が始まると、上原は矢川がバリトンだと言っていたのを思い出した。
 目立たない、だが無いと締まらない、縁の下の力持ちのようなパートだ。

 聞き覚えのある名曲の数々がサックスで奏でられるのを聞きながら、自然とバリトンの音に意識が向かう。
 それが、甘えながらも尽くそうとしてくれる矢川の姿に重なるように感じて、そっと彼女の髪に手を伸ばした。
 微笑まれると目が合って、微笑み返して髪を撫でた。

 そうして音色を楽しみながら、静かにモヒートのグラスを傾けると、氷がグラスにぶつかる音が微かに鳴った]**

【人】 矢川 蛍

  お残しはしない主義なんですもん。
  シンデレラ……かぁ。


[一応新しい名前に反応しながら
 それを頼む気にならないのは何故だろう。
 だって、シンデレラだから。
 早く帰りなさい、って言われてるみたいだから。
 子供だなあって。言われてるみたいで。

 ……そりゃ、子供なんですけどね。
 世間的にも、歳の差という意味でも。
 甘えてしまうし、甘えたいし。
 でもね。

 精一杯背伸びしたいから。
 今日はシャンディガフの気分なのです。]
(25) 2021/03/05(Fri) 20:53:24
[そんな気分だったのだけど。
 微笑まれて、頭を撫でられたから。
 別に二人きりじゃないけど良いかなって
 カラン、と氷が傾く音を聞きながら
 隆司さんの方に身を寄せて、頭を預ける。
 隣同士に座っていたからそれでも視線はステージに。
 今は「輝く未来」が演奏されている。
 今回は珍しくバリトンがメロディを担当していた。
 甘いメロディを朗々と歌い上げているようで
 耳にとても心地よい。

 こっそり、指先を伸ばして。
 テーブルの下で指先同士を絡め合わせて握っても
 大丈夫、かな。

 こんな時間がずっと続けば良いのだけど。]

【人】 矢川 蛍

[演奏は30分を少しすぎるくらいで終わった。
 惜しみない拍手を送り、姿勢を正す。]


  やっぱり生演奏は良いですね!
  良いなあ、やっぱり自分の楽器欲しいですね。
  良いなあ……。


[とても楽しかったし、素敵なひとときだった。
 まだ食べてないものを摘んで、飲み物も飲んでしまおう。
 次の演奏を聴くとさらに追加料金がかかるはずだ。
 聞き放題ではないのだから。]


  ……この後、どうします?


[とても満たされてひとときだったけれど。
 もう終わってしまった、と少し寂しい。
 もう一ステージ聴くのも良いけれど。
 どうしましょう? と、彼を見つめた。**]
(26) 2021/03/05(Fri) 20:54:07
[演奏を聴く他の客たちの中にも、カップルはいたのだろう。
 隣り合う座席からはステージがよく見えて、薄暗い店内では周りにも意識が向かない。

 メロディを奏で始めるバリトンは、それまでとは全く別の魅力を持っていた。
 意識しなければ陰に隠れるようにも感じた音色が、今は主役となっている。

 手が重なって指が絡むのを感じると、応じながらも照れ臭くなって、彼女に視線を向けられなくなった。

 それも演奏が終わって拍手の時間になれば、自然と離れることになって、名残惜しさを感じずにはいられなかった]

【人】 矢川 蛍

  ふふ、またきましょうね。
  セッションタイムがある場所もあるらしいですよ。
  そうしたら、私も演奏できるかな。
  隆司さんに私の演奏聞いてもらえますし。


[それも、目の前で。それは照れくさいけれど
 自分の音だって聞いてもらいたいと思ってしまう。
 だからまたいく場所の行き先を増やして
 次につながる約束が増えるのが嬉しくて
 けど、と思う。

 ……頭を撫でてくれる。抱きしめてくれる。
 けど、母さんがあんなものを渡してきたから。
 変に意識してしまう。
 ……子供扱いされてるな、とも思ってしまう。
 果たして自分は、どちらを求めているのか。].
(29) 2021/03/05(Fri) 21:43:45

【人】 矢川 蛍

  遅くなる分には、良いんですけど。
  親にも知られたから、逆に大丈夫かなって。

  バーは、次の機会もありますし
  雰囲気楽しめたから今回はよしとします!


[だから、とテーブルの上を整えて会計に向かう。
 その間も手を繋いだり、腕を組んだり。
 さすがに会計の時には離れたけれど。
 また、お店の外に出たなら腕を組む。

 外に出ると、冷えた外気が頬に心地よい。
 人通りの少なくなった夜道だったから
 きた時よりもぎゅっと、隆司さんの腕にしがみついた。]
(30) 2021/03/05(Fri) 21:44:07

【人】 矢川 蛍

  ……うん。


[冷え切る前に、帰らなくちゃいけない。
 それは少し不満だったけれど
 ぎゅ、と腕にしがみつく力を強めただけ。
 周りに人は疎ら。
 公園にたどり着くとそれはさらに。]


  あ、さくら……。


[もう、花が咲き始めている。
 綺麗、と目を細めながら公園のベンチに辿り着いた。
 また隣同士、腰を下ろそうか。]


  こんな時間に外にいるの、なんか不思議です。
  いたとしても、早く帰る時間だもの。


[ハーモニーで締め作業をして帰る時なら
 こんな時間にも外にいるけれど。
 こうしてその時間に誰かと会っているなんて。
 けど、風は冷たいはずなのに頬が熱い。]
(33) 2021/03/05(Fri) 22:20:26

【人】 矢川 蛍

  あのね、隆司さん。
  改めて言わなくちゃ、と思ってたんです。
  ほら、わたしたち、
  流れでお付き合いが始まったから。


[私を助ける形で。
 私を危険から遠ざける形で。
 けれどそうして始まって、まだ一週間。
 だと言うのにすっかり、わたしは。

 言おうと思うのに、頬が熱くなるばかりで
 うまく言葉を紡ぎ出せない。
 膝の上できゅっと拳を握りしめる。
 そうして、か細い声で囁きながら
 恐る恐る、隆司さんの方を見た。

 緊張にほんのり潤む眼差しを向ける。**]
(34) 2021/03/05(Fri) 22:20:46
[――腕を離してほしい。

 そう言いたかったのに、言いそびれた。
 あっという間に公園に着いてしまったから]

[彼女の手は両手とも膝の上だったろうか。
 それとも、片腕はしがみつかれたままだったろうか。
 しがみつかれていたなら、それを拒むように腕を動かすことになる。
 彼女の肩を抱き寄せるために、必要なことだから。

 囁きかけて、肩を抱き寄せて、間近に彼女を見つめたとき。
 また、唇に触れたくなった。

 けれど、触れたらキスをしたくなる気しかしなくて。

 それにはまだ少しだけ早いような気がして、ただ見つめるだけに留めた]**

【人】 矢川 蛍

[早く、この関係に名前をつけたい。
 望む名前であるのか、そうでないのか知りたい。
 すこし早かったかなとは思うけれども
 前みたいな事は嫌だった。
 ゆっくり育てるべきだとは思った。
 けど、どんどん隆司さんといるのが楽しくなっていく。
 恋人として付き合っていくたびに
 お付き合い、をするたびに
 どんどん気持ちが加速するのを感じてる。
 だから、諦めるのなら早くに。
 想いを育てるより前に。


 
この関係に安心し切ってしまって、
やっぱり辞めよう。
そうなったらを考えたら、怖くなったから。
あんな思いはもうしたくない。
(36) 2021/03/06(Sat) 1:19:17
[肩を抱き寄せられて顔を上げる。
 直近に彼の瞳があって、視線が絡んだ。
 膝の上に置いていた手をそっと彼の方に寄せる。
 でも、見つめ合うだけ?
 こんな時、……。]


  ……。


[何かを言いかけて、けれど薄ら開いた唇をまた閉じた。
 眉尻が下がって、泣きそうな顔になってしまう。
 けど私はそのままそっと瞼を下ろした。
 ほんの少し顎を上げて隆司さんを待つ。

 街頭の光を受けて、桜の花びらが
 闇に浮かび上がっていた。**]

[瞼を閉じて、顎を上げて、じっと待つ矢川を見ていた。

 引き寄せられるように頬に触れて、そっと親指で唇を撫でる。
 上唇から、下唇へ、形をなぞるように指先で優しく撫でて、それから。

 指を離して、唇を寄せて、一瞬迷ってから静かに重ねた。
 ただ触れ合うだけの、けれど感触を確かめるような、唇をじっくり味わうような、長いキス。
 離れる頃には、上原の頬もすっかり上気していた。

 今日、デート中の上原は煙草を吸っていないけれど、それでも染み付いた匂いはあったかもしれない]

  ……。


[でも、唇が離れたら何を言って良いかわからなくなった。
 そっと瞼を上げて隆司さんを見る。
 真っ赤な顔で、潤んだ瞳で、
 けどもう泣きそうじゃない。
 眉間の皺も消えていて、でも私はぼんやりしていた。
 夢見心地というか、なんだかぽわんとしてしまって。]

  ……ん。


[だから、もう一度。
 私の方から一瞬唇を寄せて、
 それが夢じゃなかったと確かめられたら。

 ぎゅ、と彼にしがみつくと思う。
 好き、という気持ちが受け入れられること。望めること。
 それがとても幸せなんだなって思ったから。**]

[外にいたせいか、重なる手は冷たかった。
 暖かくて柔らかい唇を味わって、ゆっくりと離れたあと。

 もう一度彼女から唇を寄せられて、目を閉じて受け入れた。
 触れ合う唇の感触を確かめながら、しがみついてきた彼女を両腕で抱き締めた。

 彼女がまだ高校生なことも、親しくなってまだ1週間程度なことも、一瞬忘れかけた。
 そうして浮かびかけたその先を、上原の理性が必死に押し殺した。

 ――大切にしたい。

 そう思いながら、彼女が自分から離れるまで、しっかりと抱き締め続けていた]**

[ああ、離れたくないな。
 だけど、まだ寒い季節だし、抱きしめあったまま
 このまま過ごすわけにもいかないから。

 キスやハグのその先の事。
 私だって思い浮かばなかったわけじゃない。
 だけど、どうしたって私のほうから
 それを求めることもできなかった。
 そんな女の子だって思われたくない。
 ただでさえ、私は処女じゃないんだし。
 お付き合いが初めてなのに、キスもそれも初めてじゃない。
 それがなんだかとても申し訳なくて
 私はそのことを初めて後悔していたかもしれない。

 でも、それと同時に。
 早く塗り替えて欲しいって気持ちも強かった。
 強かったけれど、幻滅されたらと思うと怖かった。
 すり、と隆司さんの肩に、胸元に、頭を擦り寄せる。

 ……帰りたくないな。]

【人】 矢川 蛍

  ……帰りたくないな。


[思った言葉がするりと口をついて出た。
 帰っても家に一人だから。
 帰り始めたら、この時間が終わってしまうから。
 でも、なんだか困らせるような気もしてしまって
 そう言いながらも、私は腕の力を緩める。

 それでも彼が許してくれるなら恋人繋ぎで手を繋いで。]
(37) 2021/03/06(Sat) 10:04:49

【人】 矢川 蛍

  こんなに嬉しい日が終わっちゃうの、
  勿体無いですもん。


[ふにゃ、と気の抜けた笑みを向ける。
 相変わらず頬は赤いけれど。

 さっきよりも緊張が解けた、幸せな笑顔で。**]
(38) 2021/03/06(Sat) 10:05:06
[処女じゃないからといって、キスが初めてでないからといって、上原が幻滅することはないだろう。
 歳の近い相手ならそれが普通なのだから。
 意外に思うことはあるかもしれないけれど。

 矢川が擦り寄ってくると、それを歓迎するかのように優しく髪を撫でた]

[それは、そうだろうけれども。
 だからこれは私の心の問題かもしれない。
 ほんの少しの小さな怯え。

 けれどいまはまだ、ただ甘えたい。
 甘えて、また明日から頑張って。
 やりとりをして、お弁当作って。
 そんなふうに日々を積み重ねていくんだ。

 それが楽しみでたまらない。
 そう、きっと、それで良い。]

【人】 矢川 蛍

  ……風邪をひかない頃になったら
  夜、もっと遅くまでいて良いの?


[なんとなく言い分が面白くて>>39
 思わず言いながらくすくすと笑ってしまった。
 隆司さんと同じように見上げると、咲き始めた桜の花。
 これから楽しい思い出を増やす私たちみたいで、
 でもそのまま散らしたりはしない。
 ううん。散ってもまた次の年花咲かせるの。]


  それとも、誕生日かなあ。
  7月7日、七夕なんです。覚えやすいでしょう?
  まあ、うん、……。


[こういう時ばかりは、自分がまだ学生で
 親元を離れられないことが無性に歯痒くなる。
 でもきっと。焦ることはないよね。
 貴重品ポーチの中のものは、一層なっても良いように。
 母さんの言葉通りの覚悟はあるけれど。]
(40) 2021/03/06(Sat) 14:25:41

【人】 矢川 蛍

  隆司さんのお誕生日はいつですか?
  あ、あとね、
  何かお揃いのもの……買いに行きたいです。今度。


[その他にもいろいろ、やりたいことはあるから。
 ひとつずつこなしていこう。
 きゅ、と手を繋いでゆっくりと立ち上がる。
 もう夜も遅いから、私の家に向かおう。
 でもね。
 別れ際のその時には「おやすみなさい」って
 背伸びしてキスしても、良いよね?**]
(41) 2021/03/06(Sat) 14:26:03

【人】 矢川 蛍

  うん。18になったら。もう少しは大人でしょ?
  2022年の4月になったら誕生日前でも成人になるの。
  だから、そうしたら夜もっと一緒にいられるかなって。


[もっと一緒にいたい。帰りたくないから。
 だから誕生日の話を持ち出していた。
 もちろんそうしなくても構わないけれど
 年齢差が理由になってしまうなら
 もう少しでそんなの関係なくなるよ、
 そう言いたくて。

 高校生ってそう考えると不思議な存在になる。
 大学生よりも子供なのに成人が混ざるようになる。
 私もその頃には大人の仲間入り。
 その時にはもう、大学生になるけれど。]
(44) 2021/03/06(Sat) 15:53:58

【人】 矢川 蛍

  お誕生日、二人とも夏なんですね。
  ふふ、夏が楽しみ!
  おそろいのは……キーホルダー、とか。


[アクセサリー、も気にはなる。
 正直アクセサリーなんて何も持ってない。
 指輪は楽器に傷をつけてしまいそうだし
 ネックレスは、今日の演奏を見て分かったかもだけど
 演奏の問いにかけるネックストラップがあるから邪魔。
 もちろん、慣れれば大丈夫になるんだろうけど。
 ピアスやイヤリングは校則違反。
 そもそも、お揃いで考えた時に
 隆司さんがお揃いでつけられるような何かが
 実は思い浮かばなかったのもある。
 だから、キーホルダー。
 それならいつだってそばに持ってるでしょう?
 目立たないし、実はバリトンサックスのキーホルダーを
 すでに見つけてきたりするんだ。]


  お揃いで。バリトンサックスの。あるんですよ。


[ペアじゃないけど、と、素直に話したり。
 再来週には春休みだと伝えたり。
 隆司さんのお休みの日はお弁当。
 週一でこうしてデートしたいな。
 今度は火曜、デートの約束。
 やっぱりまだ放課後になるけれど。]
(45) 2021/03/06(Sat) 15:54:29

【人】 矢川 蛍

  今度は映画にでも行きませんか?


[そんな風に提案しながら。
 不穏な影はもうない。
 キスをして幸せな気持ちで。]


  おやすみなさい。
  ……メッセージ送ってくれても良いんですよ?


[なんて笑って家の中に入る。
 とても幸せな、デートだった。**]
(46) 2021/03/06(Sat) 15:54:50

【人】 矢川 蛍

[そんな風に時間を重ねていく。
 言葉を重ねて、デートを重ねて。
 その中で不穏な影の存在は薄れていった。
 隆司さんの存在が増していった。
 合えば手を繋いで、ハグして、キスして。
 つい甘えてしまう。
 バリトンサックスのキーホルダーは
 気に入ってもらえたかな?
 毎週二日分つくるお弁当の味。
 特に卵焼きは、懐かしの味に近づいたかしら。
 春休みがきて、三年になって、
 そうして高校生活が進んでいく。
 きっと恭介とは相変わらず。
 お隣さんの幼馴染。幸い、彼女とも続いているようで。
 私のこと、隆司さんのことに口を出されただろうけど。]


  私があの人のこと大好きなの。
  幸せなんだから良いでしょ?


[そうやって軽く話して、お互い幸せじゃない?って。
 健全な幼馴染に戻ってる感じがした。
 それはそれで、穏やかな関係。
 恭介とはこのままで良いと思ってる。]
(47) 2021/03/06(Sat) 16:04:52

【人】 矢川 蛍

[そう言えば一度、既定服を見せたことがあった。
 式典がある時にはこれを着る。
 着慣れないセーラー服で校歌演奏。
 そのまま1日過ごしていたけど。]


『これから部活です!』


[そんなメッセージと一緒に、
 バリトンサックスを持ったままの自撮りを送信。
 その日は夕方に待ち合わせをしていたけど
 やっぱり着替えていくべきだよね!**]
(48) 2021/03/06(Sat) 16:05:35

【人】 矢川 蛍

[スタンプ一個でも嬉しくて>>50
 まるっこい犬が尻尾をふりながら
 ハートを飛ばしてるスタンプと、
 おやすみなさいの一言を添える。

 学校まで来てくれるから、私の側では
 なんとなくその存在は知られていたけれど。
 まさか、同僚の人に知られているなんて>>51
 言われなければ気づかなかったと思う。
 たぶん、あちらから接触はなかったと思うし。
 ただ、部活内ではちょっと騒がれ続けていた。
 だって吹奏楽部。
 圧倒的に男子部員が少ない部活。
 どこで出会ったんですか、どちらから告白したんですかと
 演奏会打ち上げの時に一騒動になりかけたのは
 ちょっと苦い思い出。
 あとうっかり貴重品ポーチの中を見られて
 チョコちょうだい! とノリで言われたあとは
 大惨事でしたと報告しておきます。

 
未開封チェック、しなくてよろしい!
(53) 2021/03/06(Sat) 17:12:19

【人】 矢川 蛍

[そして、春休みのある日。
 誘われることこそなかったけれど。>>51


  隆司さんの家ってどんなところですか?
  その。……お台所、見たいです!


[それはいつの日か、
 隆司さんの家でご飯を作る時のために。
 1日お互い空いてる日のデートで
 お昼ご飯時にそんな話題を振ってみた。
 その頃にはお弁当には定番の味もできていて>>51
 その日のデートはお花見がてらの公園デート。
 ひらひら、桜の花びらが舞う中で
 あたりも少し賑やかだった。**]
(54) 2021/03/06(Sat) 17:12:34

【人】 矢川 蛍

[お花見ということで、大抵の人たちは
 桜の木に近い地面にシートを敷いている。
 だからかろうじてベンチは空いていた。
 そこに二人並んで腰を下ろす。

 ちなみに、大騒動の件は伝えてない。>>55
 
伝えられるわけない!

 まだそんなんじゃ、と伝えたら
 我慢してるんじゃないの〜?とか
 大切にされてるね〜!とか
 JK相手に手を出さないなんてEDじゃ。とか。
 心配になるものから失礼なものまで盛りだくさんだった、
 そんな大騒動ではあったけれど。

 ……デート3回目で。
 なんて、話も聞いたから。
 時々ソワソワ、する事もあったかもしれない。]
(57) 2021/03/06(Sat) 20:30:51

【人】 矢川 蛍

  うん。見に行きたいです。
  今日このあと行っても良いですけど。
  1DK……。コンロはあるんですよね?


[まだ部屋のサイズを言われてもピンとこない。
 ただ、多分一部屋にまとまっているんだろうとは
 想像することができた。
 Kが付いてるなら、キッチンがある。はず。
 自炊してるなんて聞いたことがなかったけれど
 今度、の約束に笑顔の花が咲いた。

 二人の間にお弁当を並べる。
 今日は二人分だから、小さめのお重に詰めた。
 山菜おこわを入れた稲荷寿司。
 柚子胡椒唐揚げ。タコさんウィンナー。
 アスパラガスのベーコン巻き。
 桜とカブの甘酢漬け。ミニトマト。
 菜の花の辛子和え。
 それに、いつもの卵焼き。
 今日はそれに隆司さんのコーヒーとチョコもある!
 一応紙皿とお箸を渡して、いただきますのご挨拶。]
(58) 2021/03/06(Sat) 20:31:09

【人】 矢川 蛍

  晴れてよかったー!
  何となく春色を意識してみたんですけど
  お味はどうですか?


[珈琲を注いで、隆司さんにひとつ、私に一つ。
 ふうふうと息を吹きかけて冷ましてそっと口にした。
 喉が思っていたより冷えていたのに気付く。
 濃いめで、酸味が少なくて、
 確かにチョコレートが合いそう。]


  ふふ……美味しい。しあわせ。


[しみじみと幸せを噛み締める。
 受験のことなんていまは忘れて
 のんびりしてしまうんだ。

 結局、私の進路は家からも通える、
 勿論隆司さんの家からも近い女子大を希望してる。
 栄養士になる道を選んで勉強中。
 あと四年、学生のままなのは
 ちょっとだけ歯痒いけど。**]
(59) 2021/03/06(Sat) 20:31:28

【人】 矢川 蛍

  コンロが一つ……!?
  え、ぇ、……毎日お弁当とどける?


[自炊の気配をあまり感じなかったけれどここまでとは。
 少し隆司さんの健康が気がかりになってしまった。
 お惣菜も美味しいのはたくさんあるのは知っているけれど
 何だか余計なものが入っていそうで
 時々なら良いけれど毎食は、と思ってしまう。
 自分が料理が楽しい方だから尚更だ。
 そして私の頭の中をめぐるのは、
 温めるだけで美味しい、冷めても美味しい。
 そんな料理のレパートリーである。

 隆司さんの健康、守らないと。]
(63) 2021/03/06(Sat) 21:52:34

【人】 矢川 蛍

  ううん、だっていつも来てもらってますし。
  私はしたいことしてるだけだもん。
  あーでも、今度ハーモニーの抹茶パフェ食べたいかな?
  それか、コジコナのチーズケーキパフェ。
  あれ、売り物のスフレチーズケーキを
  ドーン!とパフェに乗せるらしいですよ。
  カロリーの暴力だなとは思うんですけど
  チーズ好きとしては少し気になってて。


[そう、そんな話は聞くけれど、コジコナは基本ケーキ屋さん。
 カフェ併設の店舗ではないとパフェは食べられない。
 そして最寄りのコジコナにはカフェがない。
 だからそのうち、という話になる。
 我ながらお弁当はよくできていると思う。
 アスパラのベーコン巻きを口に運んで
 もぐもぐと咀嚼していた。]
(64) 2021/03/06(Sat) 21:52:51

【人】 矢川 蛍

  あんまり、和食とか意識したことないんですよね。
  中学くらいからずっと自分が作ってきたから
  作りやすいのをメインに作ってはいます。
  あとは、バランス?
  サンドイッチとかにしちゃうと
  他のおかずは考えにくくなっちゃうし
  お野菜入れたいな、と思うと
  確かに和食が多くなる気はしますね。


[特に好き嫌いではなかった。
 ただ、バランスよく食べたいなと思った結果だ。
 お弁当箱の縛りのせいかもしれない。]


  うん。栄養学のある女子大。
  ここから通えるのが一番かなって。
  あんまり離れたくないし……隆司さんと。


[一通り食べて、珈琲休み。
 チョコを口に運ぶと確かに合う。
 美味し、とすでにデザートモードだった。
 そしてふと、チョコを一つ手に取ると
 包装を破いて隆司さんの口元へ。]
(65) 2021/03/06(Sat) 21:53:07
  はい、あーん?


[なあんて。 食べてくれるかな?**]

[だいたい食べ終えて食後には、コーヒーの合間に、口元にチョコレートが差し出され


  ……ん。


[素直に食べて、その後、コーヒーをまた飲んだ。
 チョコレートがいつもよりも甘く感じたのは、上原の気のせいなのかもしれない]


  そうだ、蛍。
  ……今日、うち来たいのか?


[話しているうちに紛れてしまった申し出に、今更ながらに問い返す。
 部屋の中はいつ誰が来てもいいように片付けてあった]**

【人】 矢川 蛍

  材料費やガス水道費はともかくとして、
  料理の手間暇は私はあんまりなんですよね。
  それよりも片付けが、なので。
  まあそれも残しておくと大変だから
  気にしないでやるようにしてますけど。


[確かに毎食になると、食費で親に迷惑をかけるだろう。
 今はまだ回数が少ないから自分達のついでの感覚で
 作ってしまえるけれども。
 一緒に暮らしたら洗い物して貰おうかな。
 なんて考えが一瞬浮かんで、
 お礼に関しては何だか照れ臭くなってしまった。
 でも。パフェはパフェで嬉しいのだ。]


  食べたことのない外国料理。
  行ったことのない国自体楽しそうですよね。
  食材も変わって文化も変わって。
  私は牧場で搾りたての牛乳とか飲みたいかも。
  あと、出来立てチーズとか!


[そういう意味では農大も視野にあったのだが
 離れることになるのでやめたのだった。
 そんな裏話はさておき。
 食べたことのない外国料理はどんな物があるだろう。
 一緒に行って、食べてみたいと
 想像を巡らせるだけで楽しくて顔が綻んだ。]
(69) 2021/03/07(Sun) 8:49:56

【人】 矢川 蛍

  うん、その点も考えてね?
  そこの女子大に受かったら、サークル活動は
  市民サークルのバンドに参加しようかなって。
  そうしたらいろんな年代の男女が参加してるし
  男子大学生に偏見あるわけじゃないけど、
  ……、そんなに碌でもない人いるの?


[吹奏楽部ではサックスは無いところはないし
 ジャズを女子だけでやってくれれば良いのだけれど。
 しかしそんな風に忠告されると逆に気になる。
 確かに危うい事件は大学生のイメージも強かった。
 だからこそ。と思ったのだけど。
 疑問符を浮かべつつこちらもじっと隆司さんを見つめる。
 彼氏います、の札でも下げれば良いのかななんて思いと
 隆司さんカッコいいな、と
 そのまま真剣な眼差しを堪能してる呑気な私がいた。]
(70) 2021/03/07(Sun) 8:50:46
[あーん、で、照れることなく食べてくれる。
 それに満足してこちらの方が照れ笑い。
 また珈琲を飲もうとしたところで。]


  んぷっ!?


[それは不意打ちって物だと思うの!!!
 すっかり後日で流れた話かと思ってたから!
 だから、思わず噴き出しそうになって咽せる。
 体を捩って反対側を向いて、ケホケホ。
 ハンカチで口元を拭きながら向き直った。]


  そ、それは、……いいの?


[それはいつも、わりと。
 行きたいな、来て欲しいなとは思ってた。
 ちょっと不意打ちに赤くなりながら
 でも私は行きたい、と全身で訴える。
 行きたいオーラを出してきらきらした目で見つめた。**]

[矢川に噴き出されかけて、上原はぎょっとした。
 そんな突拍子もないことを言ったろうかと、困惑の視線を向けた]


  ……早いか遅いかの差だと思うし。
  花見が終わったら、寄っていくか。


[行きたいオーラと共に輝く瞳を見て、可愛らしさを痛感する。
 電車で数駅移動することになるが、そう遠い場所でもない。
 こうして、花見が終わったあとの行き先が決まったのだった]**

【人】 矢川 蛍

  今度お休みの日が合ったら牧場行ってみますか?
  餌やりとかも楽しいし。
  でも、車とかないと行きにくい……?


[今度、近場の行きやすい牧場でも調べてみよう。
 広い場所にあるイメージがあるので
 電車よりはバスや車のイメージがあった。
 小学生の頃、バス遠足で行ったきりだからでもある。
 アイスクリーム食べたい、と頷いて。]


  うん、大学合格したら
  楽器も足りない分出してくれるって!
  そうしたら自分の楽器で参加できるし
  活動の幅が広がるから頑張るの!


[アルトサックスなどと比べると最安の商品の価格が
 10倍ぐらい違うのが、バリトンサックス。
 できれば新品で欲しかったし、そうなると
 安い物でも26〜28万前後。
 コツコツと貯めてきたアルバイト代と合わせて
 もう少し良いものを、とは思ってる。
 今のところ安いものなら買えるけれど
 高いお買い物だから、長く吹く為にもと
 今は買うのを我慢してるところでもあった。
 維持費の問題もあるしね。]
(73) 2021/03/07(Sun) 10:23:19

【人】 矢川 蛍

  ……?
  新入生って、未成年……。


[飲んでみたい気持ちもわかるけど。
 ノンアルコールと騙されて飲んでしまうとか?
 未成年なのに飲むの、と首をかしげる。]


  うーん。どこかで飲む前に
  隆司さんと飲んで備えてみますね。
  飲める量とか、強さとか、わかんないから。
  もちろん、二十歳になってから!


[……だと間に合わない可能性はさておき。
 新歓はともかく新社会人の時には間に合ってそうと
 にんまり、笑ったのだった。]
(74) 2021/03/07(Sun) 10:23:40
  うん、うん! 寄ってく!
  そうしたらのんびりできるし。
  お台所確認できるし。
  ……ふふ、楽しみ!


[うきうきと、珈琲を飲み終えて。
 お弁当を片付けたなら軽くなったそれを袋にしまう。
 どんなところで、どんな風に住んでいるのか。
 それも純粋に気になったし、
 のんびりと家で過ごすのが好きな私は
 のんびり、気兼ねなく、
 隆司さんに甘えたくもあったから。

 
もしかしたら、その先も。
ううん、それはまだなのかな。
私がまだ子供だから。


 普段は電車を使わないから
 切符を買ったりもしただろうけど
 終始、どこか楽しげで浮かれた気持ちだった。**]

  そうだな、確かに気兼ねしない。
  けどあの台所で料理すんのは大変じゃないかな……。


[上原宅の台所は狭い。
 たまに何か作る程度ならまだしも、日常的に料理するのは難しそうである。
 それでも手慣れていれば、食卓を併用しながらある程度のことはできるのだろうか。
 レンジがオーブンレンジなことも踏まえれば工夫の余地はありそうである。

 2人きりで過ごす時間の、その先をもし望まれたら、上原は一度は嗜めてしまうのだろう。
 でもそれは、子供扱いが理由ではなかった。
 とはいえ、歳の差ゆえの意識の差ではあるかもしれない。機会があれば話して聞かせるだろう]

[ICカードと定期暮らしが長くなった上原には切符は懐かしくて、矢川が買うのに付き合っていた。
 電車に乗ると最寄駅までは数駅。座るには短いが立つには長い、そんな微妙な距離だった。

 道中、初めて遠足に行くかのような矢川の浮かれ方が愛らしくて、上原は自然と手を繋ごうとしていただろう。

 最寄駅を出れば歩いて10分程度で、10階建ての古いマンションに着く。上原の部屋は9階。
 エレベーターで上がることも当然できるが、階段もある]


  どっちがいい?


[上原は笑いながら尋ねて、矢川の選んだ方法で部屋まで向かう。
 9階まではときどき階段で上がっているが、休まず上がれるものの、余裕とまではいかないのだった。

 部屋に着けばバリトンサックスのキーホルダーがついた鍵で扉を開けることになる。
 入ってすぐの玄関の脇にトイレと洗面所とバスルームの扉があって、ダイニングキッチンが見え、そのさらに奥に寝室がある]**

【人】 矢川 蛍

  ……そう考えると、私免許取っても良いかも。
  楽器重いし。
  普段は良くても、演奏会場に向かう時手間かも。
  要検討ですね。


[ペーパードライバーなら少し不安だけれど
 楽器を買って持ち運んで、を考えると
 都会でも使う機会はあるなと判断。
 でもこれは実際楽器を手に入れてからの生活で
 考えてみても良いかもしれない。
 世の中、無免許の人なんて沢山いるだろうし。

 気に入ったのが、のくだりには>>75
 うん! と大きく頷いたのだった。]


  じゃあ、お酒は大学合格祝いに。
  ふふ、頑張ろ〜!


[そしてそんな約束もちゃっかり取り付ける。>>76
 初めてのお酒は、大好きな人と。
 自分の恋人の隆司さんと。
 そう考えると俄然受験にやる気が湧いてきた。
 勉強ばかりにはならないだろうけど
 サボることがないよう、頑張ろう。]
(77) 2021/03/07(Sun) 14:46:22
[そうして向かった、隆司さんの家。
 今度は回数券を買っておこうと密かに決めつつ
 今日は一先ず行きの分。
 電車はまだ空いている時間だったから
 隣り合って座りながら風景を眺めていた。
 勿論、手は繋いだまま。
 座ってる時も、歩く時も。
 そりゃ、改札を抜ける時は自然と離すけれど
 改札を抜けたらまた自然と繋ごうとして。]


  む……。 私は文化部インドア派ですけど
  体力には自信あるんですよ!


[そんな訳で少し眉を寄せてその挑戦状?を受け取った。
 階段でも登り切れるだろうと。
 実際、吹奏楽部は文化部の中でも体力を使う。
 重い楽器を持つ担当なら尚更で
 バリトンサックスは勿論重いものに入るのだ。
 5〜8キロあたりが普通である。
 流石にバリトンサックスを持っていたり
 今のお弁当の中身が入っていたら難しかったが
 無事に登り切ることができた。
 できたが。]

  ふーっ、流石に暑くなっちゃう……!


[赤い顔になって普段のパーカーを無造作に脱いだ。
 汗をかく直前か、少し汗をかいてしまうくらい。
 軽く畳んで腕にかけ、ノースリーブニット姿で
 パタパタと手で軽く顔に風を送ってた。
 隆司さんは汗かいたりしてなかったかな?

 そして、鍵が開かれる。
 そこに付いてる、お揃いのキーホルダーがきらりと光って
 使ってくれてる、なんて密かに嬉しくなった。
 そしてひょっこり、彼につく形で
 その扉の中に入っていく。]

  おじゃましまーす……。
  へえ、片付いてるんですね。
  散らかってるイメージも、無かったけど。


[神経質な感じはしないけれど、
 きちんとしてそうなイメージが何となくあった。
 そのイメージ通りだなと感心しつつ
 部屋を進んでダイニングキッチンを覗き込む。
 ああ、たしかに、]


  ……これは腕が鳴る……!


[とても狭くて。やりにくそうで。
 けどだからこその工夫ができそうで!

 とはいえ今日は何も材料は買ってきていない。
 しかしキョロきょろ見渡せば
 レンジにオーブン機能がついてるのを確認して
 意外と色々できそう! と楽しくなってしまった。

 今度は何か作りに来よう。
 そんな事を思ってしまう。]

  今度は、材料買ってきてのおうちデートも良いかも。
  そうしたら、作り置きも少し作っていける……かも?


[炊飯器のサイズを確認しつつ、
 思ったままのことを口にしていた。**]

[免許を取って、楽器を乗せて演奏会場まで。
 そんな夢のある話を聞けば、上原はその車を運転するのが自分でありたかった気もした。

 合格祝いに初めて飲むお酒は何がいいだろうと、これからたびたび思い浮かべることになるかもしれない。

 改札で手を離して、抜けたらまた繋いで。
 いつの間にか、外を歩くときには手を繋ぐか腕を組むかが当たり前になっていた]

[挑戦を受けて立った矢川と、9階まで一緒に階段を昇った。
 上原も日頃よく歩くせいでスタミナはそこそこだが、平地を歩くのと階段はまた違う。
 昇り切ることはできても汗ばみはするし、多少は息も上がるのだった。良い勝負だったかもしれない


  体力あんなぁ、さすがに。


[春先のノースリーブニットという若々しい服装に目を細めながら、素直な感想を口にした]

[そうして部屋に2人で入ってみると、想像していた通りに、少し窮屈な印象を受けた。
 もし一緒に暮らすなんて話になればもっと広い部屋がいいだろうし、楽器演奏をしたいなら防音設備も要るのだろうか。

 そんな気の早いことを考えながら、料理にやる気を出す矢川を眺めていた


  家で料理作ってもらったら、
  帰したくなくなりそうだな……。


[しみじみと思ったことを上原は呟いた。
 そのまま一緒に暮らしたくなりそうだと思っての言葉だったが、他意がありそうに聞こえるのかもしれない。
 ともあれ、そのくらいには矢川と共に過ごす時間を幸せに感じているのだった]**

  えっ……、


[たとえ、他意がなかったとしても。
 その一言に私は思わず言葉を失って頬を染める。
 恋人に帰したくないなんて言われたら、
 そういうのを想像するのは必然じゃないかな?

 だから、私は言葉が少なくなる。
 そそくさと手に持っていたパーカーを羽織り直したりして。
 一緒に暮らせたら。
 そうしたら、隆司さんの食生活もきっと
 安心になると思うなあ。
 でも、家から通える距離の大学だったら
 同棲なんて学生のうちは許してもらえないかも。
 両親の食生活だって気になるし。
 でも、……うん。]

  ……帰らなくても、風邪ひきませんもんね?


[今は夜じゃない。
 夜になったとしても外じゃない。
 だから帰らなくても、大丈夫。
 少なくともその言い訳は使えない。]


  でも、あっ、
  材料とか、道具とか、どうですか?
  一通りあれば良いけど……。


[ちら、と冷蔵庫の位置を確認する。
 あと、台所の中の棚とかも。
 とはいえそれぞれの中をいきなり確認は
 流石に気が引けてしないけれど。

 ああ、顔が真っ赤になってる。
 何を想像したと思われてしまうだろう。
 ……でも、……でも。]


  ……、隆司さん。


[ちょっと、呼ぶ声が震えてしまった。
 近づいて、ぽふっと飛び込むようにして抱きつく。
 ぎゅっとそのまましがみついた。]

  ……え。


赤面されてやっと、上原は言葉選びの問題に気づいた。
 確かに今は昼間だし、家の中にいては風邪も引くまい。

 冷蔵庫には朝食用の食パンと、ハムやチーズなど保存のきく食材が数種類程度。
 調理器具は小さい鍋とフライパンとヤカンが1個ずつに、包丁1本と菜箸とフライ返しとしゃもじという必要最低限の構成である。
 そんな状態だから、狭いキッチンとはいえ収納スペースは半分以上余っていた。

 キッチンを気にしていた矢川が、震える声で名を呼んで抱きついてくるのを見て、上原は急な行動に目を瞬きながらも抱き締め返した]

[舌が触れ合うことはなかった。
 だから、少し舌先を出した私の顔は
 きっととても間抜けな顔だったと思う。
 勿論すぐに舌を引っ込めたけど
 顔は真っ赤になったし、言われた言葉に胸を締め付けられて
 私はぐっと泣きそうな顔になって顔を俯けた。
 実際、泣きそうだった。]


  ……。

  好きな人と、そういうことがしたくなるのは、
  いけない事……かな。


[ましてや今回は前回とは違う。
 気持ちを確認しあった恋人同士……の、はず。
 場に流されて、大切だからという気持ちに惑わされて
 そのまま溺れてしまったあの時とは違う。
 でもそれは、若気の至りなのだろうか。
 確かに、この身を持って知らされた。
 男の子は、好きでもない女の子とセックスできる。

 ……まあ、女の子だって。
 春を売る子達もいるけど、それはお仕事で、
 仕事でなかったら……でも世界は広いから。でも。]

  好きだから、キスもしたいし、
  抱きしめてもらって嬉しいし。
  その先だって……。


[あ、ダメ、泣きそう。じゃなくて、泣く。
 声が震えてその先が紡げなくなった。
 ぎゅ、ってそれでもしがみついて、
 隆司さんの胸元に顔を埋めてたから
 じんわりとそこが濡れてしまったかもしれない。
 
 今までだって、大事にしなかった訳じゃない。
 大事にしなかった訳じゃないのに。

 ……ああ、私はその先を知っちゃってるんだなあ。]

  ……ごめん、なさい。


[ぐす、ぐす、と泣きながらの謝罪。
 意味がわからなくても仕方がない。
 でも、なんだか訳がわからないくらい悲しくて
 それ以上に、申し訳なくて。

 こんな訳わかんない状態で泣いてる私に
 しがみつかれても困るだろうなって。

 わたしは隆司さんから腕をはなした。
 離して、流しに向かう。
 そのまま飛び出して行ってもよかったけど
 こんな顔で女の子が飛び出した、なんて言われたら
 隆司さんに迷惑かかるかもと思ったから。**]

[たった一言、断りを入れただけで泣かれてしまって、上原は途方に暮れた。
 その上、なぜだか謝らせてもしまった。
 どう答えたらいいかと考えている間に、彼女は離れて流しに行ってしまう。

 思わず懐に手をやって、煙草の箱に指が触れたところで、そんな場合でないと思い直した]


  蛍。


[名を呼んで流しに歩み寄って、矢川に両腕を伸ばした。拒まれないのなら、そのまま抱き締めたかった]

  俺も、望んでないわけじゃない。

  けど……妊娠する可能性はゼロにはできないって
  どうしても考えちまうんだよ。

  ……学校に産休はないよなって。


[何を思って踏み止まるのか、それを伝えなければいけないと思って、上原は必死に言葉を選んだ。
 けれど思うように伝わる気がしなくて、片手で頭をかいた]


  万が一のときに、俺は産んでほしいと思うだろうし……
  蛍もそう思ってくれるんじゃないかと思ってたから。

  ……「結婚しよう」で済む歳じゃねえよな。


[そこまで言ったとき、抱き締めることを拒まれていたならもう一度腕を伸ばしただろうし、抱き締めていたなら腕に力を込めただろう。

 学校は休学か退学か。
 出産前に働いていなかったなら、働けるようになってから仕事の探し直し。
 そこまで考えてしまうくらい、上原にとって彼女は大切で、将来を守りたい女性だった。
 いつの間にか、そのくらいに想いが強まっていた]**

[だって、拒絶されるとは思わなかった。
 好きなら、その次に進んで当然だって。
 それは若さゆえの浅はかさだったかもしれない。
 でも、やっぱり。
 好きな人だから、触れ合いたかった。
 ……自分の全部を見て欲しかった気がする。]


  ひっ、く、


[水を流して顔を洗う。
 バシャバシャと二度くらい洗ったところで
 名前を呼ばれて後ろから抱きしめられた。
 キュ、と蛇口を締めながら抵抗はしない。
 抵抗するつもりなんてなかった。
 でもすこししゃくりあげながら耳を傾ける。

 そして、思いがけない言葉に目を瞬かせた。]

  にん、しん?


[そう言えば保健の授業で聞いた。
 コンドームの避妊率は8割程度で確実じゃなくて
 避妊よりは性病予防の観点が強いって。
 避妊を確実にするならピルや避妊具を合わせて使うって
 そう言っていたはず。

 ……そう頭にあっても、ゴムしてれば良い。
 そんな思いが確かにあった。
 それは慢心だったのかな。
 ……と、言うか。]


  ……それは、たしかに、そう。
  妊娠"しちゃった"って言い方、きらい。
  できれば望んで"授かりたい"と思うし、
  授かったら、……ちゃんと産みたい、けど……。


[まだそこまでの未来を描いていなかった。
 描いてもどこか絵空事で、
 具体性のない夢のようなものだった。
 でも。それだけ大切に思ってくれているのか。
 将来を思い描いてくれていたのか。
 そう思うと、自分の態度がどうしても拙くて。]

  ごめん、なさい、隆司さん。
  ……でも、……好きだから。


[好きだから、次のことをしたかった。
 好きなら自然と触れ合いたくなると思ってたから。
 回してくれる腕をぎゅっと握りしめる。
 
 今までの自分は、無意識のうちに
 自分の体を無碍にしていたのかな。]

  大好き、だから。

  ……結婚するまで、待っててくれる?


[結婚か、婚約か。わからないけど。
 一つとおい約束をしたい。
 待ってて、と言うのもおかしな話かもしれない。
 むしろ今回のことを考えると
 自分がおあずけ、かもしれないけれど。

 なぜかそんな言葉になりながら
 私は隆司さんの手を握り締め続けていた。**]

[妊娠、結婚。自然とそれを意識するのは、上原がそういう年頃だからなのだろう。
 高校生の矢川がピンと来ていないことを責める意思は上原にはなかった。その頃の自分を思えば、それが当たり前だと思えるから]


  やっぱ歳の差なんだろうな、これは。
  ……それだけ本気になった、とも
  言えるんだろうけどさ。


[それでも、本気になろうが、高校生で結婚までは考えない気がした。
 だからこそ「授かったら産みたい」と言ってくれることはとても嬉しくて、抱き締めた彼女の頭を撫でた]

  謝ることはない。
  俺も触れ合いたくなるから。

  でも、待ってるよ。
  俺が言い出したんだしな。


[待つのも、おあずけもお互い様だろう。
 お互いに望むことなのだから。
 好きだから、その先を。それは上原も同じなのだと伝えて、もう一度唇を寄せて、触れ合うだけのキスを求めた。

 もし待ち切れなくなるとしたら、大学卒業が視野に入る頃だろうか。
 避妊はした上で、それでも妊娠してもその後の生活に支障が少なそうな時期。
 その頃には互いの好む酒も把握し合って、一緒に飲めるようになっているのかもしれない]**

[それだけ本気。
 ……こんなに短い期間で? そんな疑問はある。
 でもそれは自分だってそうだ。
 本気で好きだから、好きになったから
 その先へと進むことを選ぼうとした。
 恋人同士でそれが当たり前かと思ったから。
 さらにその先までは描けていなかったけれど。]


  ……私も、待ってる。我慢する。
  でも、さっきみたいなキスも……だめ?


[ダメだから止められたんだろうけど
 それなら自粛しなければならない。
 触れ合いも我慢できる範囲内にして
 ……口で、とかやり始めたらキリがないから。多分。
 触れ合うだけのキスをされて、向き合いながら
 首を傾げてそんな問いを投げかける。

 今まで通りのキスだけでも大丈夫。
 頭を撫でてもらって、抱きしめあって、
 そうしてそばにいられたなら。
 でもアレもダメなの? と、
 そこから直ぐにえっちに結びつかなかった私は
 本気で不思議そうな眼差しを向けた。]

【人】 矢川 蛍

[そんな風に泣いて、慰められてから
 私たちはどんなふうに暮らしていたのかな。
 高校最後の一年間。
 演奏会も見にきてくれたかな。
 文化祭にも来てくれたら嬉しいな。
 学校での合奏だけじゃなくて
 例えば私の部屋で一人で演奏してるところとかも
 ぜひ聞いてみてほしいし、来てほしい。
 合格して、お酒を一緒に飲んで。
 割と強い方だけど味は甘い方が好きとか。
 お弁当作りは相変わらずのはず。
 もっと隆司さんの好みに合うように頑張ったし
 時々隆司さんの部屋でも料理をするようになった。
 コンロ一口でもなんとかなるものだなって思ったけど
 やっぱり二口は欲しい、と痛感したりもして。
 収納がガラ空きだった隆司さんの食器棚に
 自分の使いたい道具や食器を増やしたりもして。

 そんな風に、わたしは。
 隆司さんとの日々を重ねて行っていた。
 変わらず、ううん、より深く
 隆司さんへの気持ちを深めていきながら。
 喧嘩した時もあったけれど
 やっぱりわたしは、隆司さんが好き。**]
(78) 2021/03/07(Sun) 20:47:16
[確かに短い期間だった。
 けれど、この先も共に過ごしていきたいと思う機会が上原にはたくさんあった。
 一緒に暮らしてみたいとも。
 そこで望まない妊娠が彼女の将来を閉ざしてしまわないかが気がかりで仕方なくなる程度には、真剣であると言えるだろう。

 そして、キスのことを不思議そうに言われると、今度は年齢差のほかに性別差を意識することになる上原だった]


  ……俺が抑えられなくなるからダメ。


[実際には耐えることはできるだろうが、抑えがたい衝動を起こされる可能性を極力排除しようとして、上原は素直に申告した。

 矢川が素直に守り続けてくれれば何事も起こらないであろうが、そうでなければ、数年の間に際どい場面はときどきあるのかもしれない]

【人】 矢川 蛍

[うちの親は基本的にイベントには参加しない。
 だから卒業式まで隆司さんとは合わなかったはずだ。
 事前に、隆司さんの年齢のことは話していたし
 もっと言えばプラトニックなお付き合いの事を
 話していたからか。
 お母さんの反応は穏やかなものだったけれど
 お父さんの反応は少し棘があったかもしれない。
 『君のせいでうちの卵焼きが』なんて言うから
 でも美味しいって言ってたこともバラしちゃった。
 隆司さん好みの卵焼きも、うちでは好評です。
 これからもよろしく、なんて言われたから
 ちょっと私も恥ずかしかったかな。
 セーラー服に袖を通すのも卒業式で終わり。
 これで写真撮ろう、なんておねだりもして。]
(80) 2021/03/07(Sun) 22:04:50

【人】 矢川 蛍

[お酒は梅酒が気に入ったから、
 そのうち果実酒を隆司さんの家で作ってみたり。
 梅、苺、リンゴ、柚子。
 本当はまだ成人じゃなかったし
 18で成人になっても20までは飲酒喫煙はダメとか
 移り変わる間の微妙な頃を味わいつつも
 こっそり、隆司さんとお酒を楽しんでいた。
 でもお酒を飲み過ぎると気持ち悪くはならないけど
 一度甘えたすぎて眠過ぎて、で。
 散々甘えて抱きついて擦り寄ってキスして
 しがみついたまま寝ちゃった日があったみたいだから
 外で飲む時はお酒は程々に、を貫いてる。
 ……多分家で二人で飲んでたから、
   タガが外れやすかったんだよ。たぶん。]
(81) 2021/03/07(Sun) 22:05:07

【人】 矢川 蛍

[喧嘩らしい喧嘩は、あまり覚えていないけど。
 どうしても行ってみたいテーマパークのイベントがあって
 そこに行くならせっかくだし日帰りじゃなくて
 ゆっくり泊まって遊びに行きたい、と言った時
 たしか意見が割れたんだった。

 お泊まりすること自体だったか。
 一緒の部屋か別の部屋か。
 部屋の形態か。
 その時期はどうしてもいけないと言われたのか。

 仕方がなかったり、我慢しなくちゃいけないと
 分かってても少し拗ねて不貞腐れた。
 そんな日も、あったんだ。]
(82) 2021/03/07(Sun) 22:05:27
[凛は信じてくれているけれど
 他の友達は、プラトニックなお付き合いを
 あんまり信じてはくれていない。
 とは言え、私もあまり言いふらす事はないけど。
 際どいシーンは……
 例の、初めて家で深酒したとき?
 海に行くからと部屋で水着を見せた時とか。
 合鍵をもらえていたら、うっかり
 部屋でうたた寝してた時とか、かもしれない。
 積極的にこちらから際どいシーンは
 作ってるつもりはなかったし。

 そうして、もう私も四年になった。
 今の生活が幸せで当たり前になりつつあった。
 もう、あの時から数えて5回目のバレンタイン。
 今年はチョコのカップケーキを作って
 それを綺麗に包んで待ち合わせ。
 ……美味しく食べてくれると良いな。**]

[矢川の初めての深酒のときは、それまでで一番理性がぐらついて危険だった。

 不幸中の幸いと言っていいのかどうか、上原はアルコールが入るとできなくなる体質である。

 それに加えて、想いの通じた恋人とはいえ、酔った女性を手籠にする気にもなれなかった。

 それでキスまでに留まったのだが、濃厚なものではあった。
 思わず応じてしまったとき、上原は彼女の唇を舌でなぞっていた。
 かつて指でそうしたように

 そのことが矢川の記憶にあるかどうかは不明である]

[水着が可愛くて抱き締めたことも、うたた寝に気付いて毛布をかけたこともあったが、そのくらいなら上原は割と平然としていた。
 少なくとも表面上は。

 矢川とのバレンタインも5回目になると思うと、そんなに付き合いが長く続いたことが感慨深かった。
 積み重ねた日々を思いながら待ち合わせに向かう前、コーヒーを淹れてボトルに詰めた。
 矢川の手作りお菓子でコーヒーを飲むのは上原の楽しみの一つになっていた。機会があるたびに淹れているうちに、少しずつ上達もしていった]**

【人】 矢川 蛍

[こうして、お付き合いを続けていく中で
 そろそろ卒業間近、となってくると
 気になってくるのは次の問題だった。

 いつになったら、プロポーズしてくれるんだろう?

 お互いに耐えて、我慢してきて。
 結婚するまで、とは思っている。
 自分はもう22になった。
 そうすると隆司さんは33。
 お互いにゾロ目になったね、なんて
 誕生日の時には笑ってたっけ。

 別に、エッチしたいからじゃなくて。
 それだけじゃなくて。
 そろそろ、その言葉を待つ自分がいたりする。]
(86) 2021/03/08(Mon) 6:43:46

【人】 矢川 蛍

  隆司さん!


[きっと待ち合わせ場所に辿り着くのは
 ほんの少し、隆司さんの方が早い。
 駆け寄って自然と腕に腕を絡める。
 そんな仕草も本当に自然になってきた。
 一緒にいることが自然で当たり前。
 今日も、バレンタインのチョコを渡して
 一緒にコーヒーを飲んで。
 あのコーヒーも前よりもずっと美味しくなった。
 私の料理も、前より隆司さん好みに出来るようになった。
 そんな風に少しずつ変わっていく中で
 私自身の気持ちが昂ったこともあるけれど
 触れるだけのキスをして、ハグをして、擦り寄って。
 それで何とか耐えてきたんだ。

 ……多分きっと、今日もそう。
 あの日から私は"帰りたくない"は言わなくなって
 ただ、まだ先だよね、と自分の心を慰める。]
(87) 2021/03/08(Mon) 6:44:07

【人】 矢川 蛍

  ……それじゃ、またね。


[背伸びして、おやすみなさいのキスを。
 そうして家に帰るんだろう。
 もちろん幸せで、ずっと一緒にいたい。
 でも今日はきっと、
 いつもより少し長めのキス。**]
(88) 2021/03/08(Mon) 6:44:26

【人】 矢川 蛍

  ……! うん!


[抱きしめられて、一瞬驚いて目を瞬かせる。
 けれど紡がれた言葉に私は待ってましたとばかりに
 直ぐに返事してしまっていた。

 だって嬉しかったんだもの。
 待っていたんだもの。
 じわ、と涙が滲んだ。嬉しいのに、嬉しくて。
 ぎゅっとしがみつき返しながらの私はきっと
 いつかの日みたいに尻尾があったら
 千切れんばかりに振ってそうな喜びようだった。
 
 だって、私だってずっと一緒にいたかった。
 帰るのが寂しくてたまらなかった。
 触れ合いがキスとハグだけで切ない日もあった。
 信じていたけど、隆司さんが急な飲み会の日とかは
 ヤキモチ妬いたり寂しかったりもしたんだよ。
 気づいているかもしれないけど。
 でも、重い女になりたくなかった。
 でもいつのまにか一緒にいることが当たり前で
 ただそれだけの存在に変化するのも嫌だった。
 それが少し怖かった。いつだって。
 だから、その言葉が心底嬉しくて。]
(92) 2021/03/08(Mon) 8:44:19

【人】 矢川 蛍

  嬉しい。ずっと、そうなったら良いなって。
  待ってたから、けど……。


[でもね、ちょっとだけ気掛かりだった。
 一緒に暮らす。そう言ってはくれたけど。
 ……それって、どっちの意味かなあ。
 だから、しがみついたままそっと彼の耳元に唇を寄せて
 小さな声で質問する。]


  それって、同棲?
  ……それとも、ちがう?


[思えばあの時は急に出てきた結婚の二文字に
 ああ、結婚したら色々許されるよねって
 何だか納得してしまっていたけれど。

 同棲して、今まで通り?
 結婚するまでは、……なのかな。
 それとも結婚を前提にした同棲?
 その、子供ができたら結婚しよう、みたいな?

 ……でも、子供ができても出来なくても。
 いっそ、エッチしなくったって。]
(93) 2021/03/08(Mon) 8:44:36

【人】 矢川 蛍

  私は、……いつも隆司さんの一番そばにいられるのが
  私なら良いなあって、思ってる。


[一緒に幸せになれたらなって。
 今の私にとって、それが一番大切だから。**]
(94) 2021/03/08(Mon) 8:45:01

【人】 矢川 蛍

  いきなり結婚でも、よかったの。


[こくん、と頷いてしまう。
 と言うか、あの頃は同棲の選択肢が浮かんでなかった。
 今だからこそ同棲の2文字を認識していて
 どっち? と聞けるくらいには冷静なのだ。
 それに、多分大丈夫だと思う。
 押しかけ女房みたいなところはあったけれど
 しょっちゅう家に遊びに行ってはご飯を作って
 他の家事にだって手を出し始めていたから。
 それが楽しかったから。
 期間の話になると少し眉を顰めた。]
(97) 2021/03/08(Mon) 9:32:21

【人】 矢川 蛍

  ……働き始めて。
  半年とかで苗字が変わるの、大変そうだなー?
  なんて言うのもチラッと思うけど。

  隆司さんが、子供が三人以上欲しいなら
  早い方が、良いかな。
  何人でも良いよ、なら、
  ……半年後でも、一年後でも。


[つまりは私はいつだって。
 隆司さんのタイミングもあるだろうしと
 現実的な意見を出してみたつもり。

 理由を聞かれたらちゃんと答える。
 男の人だって35を境に精子が衰えると聞いた。
 もちろん高齢でも子供を授かる人は男女問わずいるけれど
 いろんなリスクを考えたら、隆司さんだって
 そう言うのが気になるお年頃になってきているのだ。

 待たせたのは、年下の私だろうけど。
 年下は年下なりに、考えてる。
 それはまじめに隆司さんと一緒にいたいし
 子供を授かったなら嬉しいと思えるから。]
(98) 2021/03/08(Mon) 9:32:45

【人】 矢川 蛍

  私は、一人は欲しいなって。
  でも一番は、隆司さんと一緒にいたい。


[隆司さんと一緒にいられるなら、ね?**]
(99) 2021/03/08(Mon) 9:33:47

【人】 矢川 蛍

  って言うか……。


[色々言ってはみたけれど。
 頭を軽くかきながら頬が赤くなった。
 コホン、と一つ咳払い。]


  一緒に暮らしてたら、一緒に寝たいし。
  一緒に寝てたら寝ながらぎゅーもしたいし。
  お風呂上がりとか、寝起きとか、
  これまで以上に一緒に居て、
  きっとこれまで以上に我慢になるでしょ?

  私が、我慢できるかどうかも、心配。


[ほら、今までは離れる時間があったから。
 浮気はしてないよ?
 でも、気が紛れる時間があった。クールダウン。
 変な話、自分だけでどうにかする事だって。
 でもその時間がなくなる。
 そうなって、でも我慢ばかりだったら。
 その期間が長くなったら。
 いざ結婚となった時、枯れていそう。
 もしくは我慢できなくて爆発するかも。
 そんな懸念も、まじめに伝えて。]
(102) 2021/03/08(Mon) 10:04:32

【人】 矢川 蛍

  私は、……幸せにしますよ、隆司さんのこと。
  今まで幸せにしてもらってきた分、
  もっともっと一緒に幸せになりたいから。

  子供だって直ぐ授かるかわからないし。
  できれば、……結婚、して。

  一緒に居て良いって、したいですね……。


[どうにも締まらない。
 けど、正直な本音はそこだ。
 いつだって一緒に居て当たり前の関係、家族。
 家族になりたいのだ。
 いつも当たり前にそばにいるなら、
 一緒に幸せを育てていくのなら。

 きゅ、と眉根を寄せる。
 背伸びしてまたキスをした。

 チュ、と音を立てて、うっすら唇を開く。
 ……そのまま離れても構わない。
 でも、その決意だけは知って欲しくて。**]
(103) 2021/03/08(Mon) 10:04:50
[彼女の頸を引き寄せて、唇に舌を伝わせた。あのときそうしたように。

 その後に唇を深く重ねて、隙間に舌を滑り込ませた。応じてくれることを求めるように、舌先で口中を擽って]

  ん……っ、


[その傷は覚えがあった。
 お酒によって夢見心地で、そのあと目が覚めた時には
 そんな夢まで見てしまったかと恥ずかしくなった夢。
 いや、きっと夢じゃなかったんだろう。
 唇をかつてのあの日に指先でなぞった様に舌先が辿る。
 ほんの少し震えて、けれど深い口づけを受け入れた。
 むしろ私の方からも舌先を伸ばして
 口腔を探る舌先に触れ合わせる。
 粘膜と粘膜の触れ合いに、ジンと頭の芯が痺れた。]

[ストーカーの被害を感じなくなって何年にもなって、矢川をひとりで家に帰らせる日も増えていた。

 上原の移動距離が長くなるというのが理由のひとつだった。
 矢川ももう子供ではないしと、上原の部屋の前で別れる日も増えて、矢川の家まで送る日と半々くらいになっていた。

 この日もちょうどその例に漏れず、おやすみのキスは上原の部屋の玄関で。
 それから矢川をひとりで帰す予定だったのだけど。

 予定に反して、寝室に彼女を連れ帰ることになった]

[最初の頃こそ、わざわざそんな用意はしていなかったが。

 家の行き来が増え始めてから、さすがに上原が用意しておいたものがあった。

 万が一衝動に負けたときに、何も用意してなかったでは済まされないと思ったから。

 そのときに蝶の箔押しの箱を選んだのは、女性人気の高い商品だからというだけで、上原に他意は全く無かったのだけれど。
 かつて彼女が母親から授かったものと同じものが、偶然にも上原の寝室に密かに置かれていたのだった]

【人】 矢川 蛍

[それから。
 今まで以上に甘えにためらいがない反面で
 丁寧に指先に触れられると赤くなってしまう。
 実際、びくっと指先が反応してしまうのだ。
 ぞくぞくとしたいけない疼きを伴って。

 指先や、手の甲をゆうるりと撫でられると
 甘く満たされたあの日を思い出して。
 あんまり不意打ちでやられると驚くから
 二人の時にして欲しい、とお願いしたり。

 互いの両親に挨拶して、部屋を探す。
 卒業を前にして入籍だけでも、と言うのは
 仕事が始まる前を意識してのもの。
 それでもお互いのよき日まで待つつもりだ。
 挨拶の時は緊張したし、
 両家の顔合わせ……なんて言うのもあったかもしれない。
 なんだか、大変だけれど、そう言うものも含めて。]


  ……しあわせ。


[ぎゅ、と彼にしがみつきながら、
 満ち足りた思いで呟いていた。**]
(105) 2021/03/09(Tue) 6:45:09
 




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