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【墓】 エウロパ あのあと、私が起こした騒ぎは 私のせいなのだとばれることはなかった。 何か騒ぎがあったらしい、とは広まっていたけれど その内容も、関わった人のことも、わからないまま。 誰が何をしたのか根も葉もないうわさが飛び交う中 私は暗い顔をしていたから。 唯一、シトゥラだけは 私の態度から何か察したみたいだけど 何も聞かれなかった。 (+44) 2023/10/05(Thu) 9:41:29 |
【墓】 エウロパ 聞かれたら困るんだとシトゥラは分かってるんだ。 その優しさに甘えて、友達にさえ、 今日の出来事は話せないまま。 それから後の事。 ユスティを見かける機会があった。 手を隠すように過ごしている君の姿を見て 心配になるんだ。 (+45) 2023/10/05(Thu) 9:42:07 |
【墓】 エウロパ言い募っても関わりたくないって空気を 感じて怯んでしまう。 あの時、優しい声で落ち着かせてくれた君とは 別人みたいな対応に、戸惑って混乱して。 これ以上何か言ったら迷惑なのかなって 考えたら、何も言えなくなってしまったんだ。 (+47) 2023/10/05(Thu) 9:42:59 |
【墓】 エウロパ君は優しいから助けてくれたんだ。 そう信じてるはずなのに。 何処かで少し、迷ってしまう。 違ったらどうしよう、って。 だから踏み込めない。 本当は踏み込みたいのに。* (+48) 2023/10/05(Thu) 9:43:32 |
【秘】 エウロパ → 教師 モモイ 嫌だと言ってもモモイ先生は聞いてくれない。 有無を言わさない返事は 私に逃げることを許さない。 逃げたいという心を見透かされたみたいで 少し怖くなってしまう。 その心は魔法にも表れる。 敵意なんて込めない魔法。 本当に誰かを傷つけるつもりなら ただの氷の塊じゃないものを魔法で出す……と思う。 傷つけようと思ったことがないから 想像でしか、ないけれど。 (-26) 2023/10/05(Thu) 9:44:24 |
【秘】 エウロパ → 教師 モモイこれでも手加減はしたつもりだったんだ。 ……普通の生徒の本気以上の威力になってたから 全く手加減なんて出来ていないんだけど。 全力なんて、出せるわけがない。 いくら魔法の扱いに長けるモモイ先生相手でも。 (-27) 2023/10/05(Thu) 9:44:58 |
【秘】 エウロパ → 教師 モモイ 私の魔法をモモイ先生は片手で受けとめた。 受け流したり、かき消したわけじゃない。 その行為が意味するところなんて一つしかない。 (-28) 2023/10/05(Thu) 9:45:45 |
【秘】 エウロパ → 教師 モモイ「…………っ?!?!?」 先生の腕にぶつかった瞬間氷は弾け飛び 冷気が腕を凍り付かせて。 人形の部品みたいに転がり落ちる。 (-29) 2023/10/05(Thu) 9:46:21 |
【秘】 エウロパ → 教師 モモイ私の魔法で、人を傷つけた。 重い事実を突きつけられて 私は何も言えなくなってしまったんだ。 目の前の光景から目を逸らせないまま 私は静かにモモイ先生の話を聞いた。 成功のためじゃない。 誰かを傷つけないように、守るために。 (-30) 2023/10/05(Thu) 9:47:01 |
【秘】 エウロパ → 教師 モモイ 「制御した結果、誰かを傷つけてしまったら。 ………どうしたらいいのかわかんないんです。」 俯いて、小さく言ったことは過去に起きた事。 制御しなければ誰かを傷つけてしまう。 逃げることは許されない。 頭で分かっても、心がそれを拒み続けるから。 私は制御が覚えられない。 (-32) 2023/10/05(Thu) 9:48:06 |
【秘】 エウロパ → 教師 モモイ「―――――ユスティ、のこと?」 小さく呟いた声が聞こえたのかどうか。 腕、大丈夫なんですかって真っ先に聞くべきことを 聞く前に、先生は教室を後にしてしまう。 (-33) 2023/10/05(Thu) 9:48:56 |
【秘】 エウロパ → 教師 モモイ制御を覚えなければならない。 先生の課外授業で意識は少し変わったものの。 意識だけでどうにかなるのなら 私は今も問題児とは言われてないんだ。 ―――――それでも。 (-34) 2023/10/05(Thu) 9:50:32 |
【秘】 エウロパ → ユスティ 荒れ狂う風に木々は倒され 寒さに草花は凍り付いて 森にいたはずの生命は力尽きたのか 異常を察知して逃げてしまったのか。 何の気配も感じない。 ひとりぼっちなのはあの時と一緒。 自分じゃこれを止められない。 でも、せめて誰も巻き込まないように。 無意識の行動のせいで、私は死にそうだけど。 君を危険な目に遭わせずに済んだのなら、それで… (-36) 2023/10/05(Thu) 17:41:03 |
【秘】 エウロパ → ユスティ 浮かぶ疑問をすべて言葉にすることは出来ず 掠れたような声しか出ない。 体に力が入らない。 魔力が失われ続けているせいで 起き上がることさえできず、君の方を見る。 ごめんね、って謝らなきゃ。 言いたいことはいっぱいあるのに。 (-39) 2023/10/05(Thu) 17:43:21 |
【秘】 エウロパ → ユスティ 意識を保つことがやっとの状況では 君の励ましの言葉も、何をしてくれているかも あまり、理解は出来ていなくて。 責任って言葉の意味を理解する前には もう、私はユスティに抱きしめられてた。 そして―――――。 (-40) 2023/10/05(Thu) 17:43:55 |
【秘】 エウロパ → ユスティ口元に感じる柔らかな感触。 微かに目を見開いて、すぐに閉じる。 身体に魔力が流れ込んでくる。 どうして、ここまでしてくれるの? わからない、けど。 (-41) 2023/10/05(Thu) 17:44:57 |
【秘】 エウロパ → ユスティ 君の腕の中で、淡く微笑んで ずっとずっと伝えたかったことを言うと。 満足したみたいに、私は意識を失った。* (-43) 2023/10/05(Thu) 17:46:07 |
【墓】 エウロパ―――――でも、やれることさえしないのは罪だ。 シトゥラは窓の外からでも見える 魔力暴走に目をやり、友人の無事を祈りながら 魔法薬調合の作業を止めることはない。 (+50) 2023/10/05(Thu) 17:47:39 |
【墓】 エウロパそう信じて、手元で調合するのは回復薬。 あれほどの魔力暴走を起こしたのなら きっとエウロパの魔力は枯渇寸前。 魔力の回復を早める薬を作らなければ。 学校の医務室に常備されているものでは 彼女に使うには効き目が足りない。 あれは、一般の生徒に使う事を 想定した物だと知っている。 彼女ほどの魔力の持ち主なら 効果を10倍して足りるかどうか。 (+52) 2023/10/05(Thu) 17:49:32 |
【墓】 エウロパ効き目が弱すぎても強すぎてもいけない。 難しい調整を終え、魔法薬を作り終えた シトゥラは、出来上がったものを瓶に詰める。 同時に作っていた怪我の治癒薬も持つと 向かうのは医務室。 絶対に彼は私の友人を連れて帰ってくる。 だから、先回りして待つだけ。 (+53) 2023/10/05(Thu) 17:50:19 |
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