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ユスは、真正面から君に向かって笑った。 (a60) 2022/03/13(Sun) 13:13:03 |
ユスは、一度、肩をとんとそっと触れて部屋に一度戻った。 (a61) 2022/03/13(Sun) 13:14:20 |
【秘】 ユス → 怪物 ツルギ それから暫く経ったのち、穏やかに笑いながら君の共犯者は同じ場所に戻って来る。 少年の選択を確かめる為に。 (-201) 2022/03/13(Sun) 13:15:54 |
【秘】 ユス → 怪物 ツルギ されるがままに引き寄せられる。ぼやけた視界の中で、人でなしがわらっている。 貴方が吠えている。貴方が晒している。 透明だった、呪いまみれの貴方がなりふり構わず叫んで泣いている。 ……ああ、珍しい景色だ。良い光景だ。 大切にしたい。胸に広がる温かさをそのまま外に出して、貴方を包んであげたい。 ……ああ、これはきっとW愛しいWなんだろうな。 貴方とは反対に、青年は瞳を更に細めた。 「そうか。恐いか。訳わからないか。 俺も分からない。よく話すお前のことだって完璧にわからないのに、人間の本質なんて理解できるはずがない」 涙はとうに枯れ果てた。最後に泣いたのはいつだったか。調理実習で玉ねぎを切った時くらいだったかもしれない。 でも、貴方は違う。きっと、いつもいつも泣いていたんだ。貴方が気付かないだけで、貴方すら気付かない暗闇の中で、ずっと、ずっと。 「教えていいのか」 「じゃあ、教えよう。俺なりの回答だがな」 出来て当たり前なんてものは無い。 全員が全員、世間一般に当てはまることなんてないのだから。 ▼ (-229) 2022/03/13(Sun) 16:55:46 |
【秘】 ユス → 怪物 ツルギ「夢を捨てろ。夢から醒めろ。 ここは仮初の世界でも夢の世界でもない。 ゼロになりきれない可能性を追い続けるのはやめろ。 W賭けWばかり続ける天任せの生き方をやめろ。 理解者を作ることしか考えないのを止めてくれ。 理解者は作ろうとして作るものじゃない。 人を知って、知ったものを積み上げて その果てにはじめて作られるものだ」 ▼ (-230) 2022/03/13(Sun) 16:56:39 |
【秘】 ユス → 怪物 ツルギ「……だから、俺と生きよう。 今すぐ死にたいと言うのなら、すぐに殺すつもりだったのだが。 教えろと言われたのなら、教える為に俺はお前と生きたい。 なんてことない会話をして、 なんてことない食事をして、 なんてことない外出をして、 なんてことない時間を過ごす。 そうして、生きた名残を積み上げたい」 もし嫌じゃなかったら…次は、誰かと来るといいですよ。二人で海を見たり、砂浜歩くだけでも、きっと何か… 何も思わない、って事は、ないんじゃないかなって… 「二人で色んな景色を見よう。 一人で見ても何も思わないものでも、二人で見れば何か変わるものだってあるだろう。 俺は海が見たい。カフェに行ってクリームソーダが飲みたい。どこかの誰かが脚本を務めた舞台が見たい。 お前と、一緒に」 「今度は、理解者を作るなんてことを考えないままで」 ▼ (-231) 2022/03/13(Sun) 16:57:32 |
ユスは、誰かの真似をした。小さな狭い海で教わった、その名残。 (a72) 2022/03/13(Sun) 17:00:02 |
ユスは、片手で泣きはらした貴方の両目を隠して、君の額に唇を寄せる。 (a73) 2022/03/13(Sun) 17:00:17 |
【秘】 ユス → 怪物 ツルギ「考えるのが疲れたなら、考えなくていい。 決めるのがしんどいなら、決めなくていい。 俺は考えることを放棄するのを放棄したから。代わりにやろう」 「どうしても嫌になったら、俺がお前を殺そう。 俺が嫌なら、喜んで死のう」 「お前と作る景色が」 「お前が心から浮かべる表情が」 「見たいし、知りたいから」 (-233) 2022/03/13(Sun) 17:00:43 |
【秘】 ユス → ツルギ「……っ、ぐ、ぅ……ッ」 何か千切れる感覚がした。 流石に笑い続けることは出来なくて、痛みに顔を歪ませるけれど。 こんな触れ方をしたのは、こんな反応を見せてくれたのは初めてだ。 その痛みすらも愛おしい。 こぼれ落ちた吐息にかすかに楽しそうにわらう音が混じる。 「……ふ、……はは。 ああ、ああ。行こう。海に行こう。 二人で同じ景色を見よう」 98uよりも広い、切り取られていない見渡す限りの海。 本物を一人で見たことなどないし、誰かとだって見たことがない。 ▼ (-238) 2022/03/13(Sun) 19:07:20 |
【秘】 ユス → ツルギ そうだな、おかしいかもしれないな。 だって俺は怪物だから。 憎い人間の呪いなんて、己の呪いで塗り潰そう。 「ああ。全部、全部代わりにやる。 お前の全てを貰おう」 全て切り捨てた俺は、何も持っていないから。 底すら無くした穴の空いた器だから、満たされることなんてない。 死ぬまで、俺の心が止まるまで。 ──ずっと、お前を欲しがり続けるよ。 「大丈夫、お前が教えてくれたから。 お前が俺を作ってくれたから。 生かすも殺すも、ちゃんとやれる」 ▼ (-239) 2022/03/13(Sun) 19:08:13 |
【秘】 ユス → ツルギ「お前の全ては俺のもので 俺の全てはお前のもの。」 「勝手に独りになるのも許さない。」 「地獄まで、一緒に見てもらうからな」 (-240) 2022/03/13(Sun) 19:09:07 |
ユスは、決して消えない罪を完成させる前に、ツルギの首筋に顔を埋める。 (a74) 2022/03/13(Sun) 19:09:43 |
ユスは、思い切り、首筋に歯を立てて印をつけた。 (a75) 2022/03/13(Sun) 19:10:14 |
【秘】 ユス → 亡骸のツバメ カミクズ『』 何か悩むように空白が流れ続けた。 『カミクズさんの話をもっと早くに聞いていれば、また何か変わっていたのかもしれない』 そこまで入力して、ゆるりとかぶりを振った。 無駄な命など無いと話を聞いても、きっと自分は選択を変えられなかっただろう。自分は楽な道に逃げたかったのだから。 『……いや、不毛な話ですね。たらればを言ったところで現実が何か変わることなどない。』 『でも、今聞いても決して遅くない。 自分のことは自分で決めていいのだと、より考えが磐石なものになりましたから』 ▼ (-246) 2022/03/13(Sun) 19:54:11 |
【秘】 ユス → 亡骸のツバメ カミクズ『そうですね。 死者は死んだらそれきり。思い出の中で生き続けるなんてことは決してない』 それは生者の思い込みで、エゴでしかない。 それは、過去の動きをなぞっているだけでしかない。 『……でも、たしかにそばに在る。 忘れませんよ。俺に必要なものなので。 貴方が嫌がっても、ね』 ▼ (-247) 2022/03/13(Sun) 19:54:26 |
【秘】 ユス → 亡骸のツバメ カミクズ『はい。ここで 暫しの 別れですね』死者が残した名残は綺麗な片づけられる。この紛い物の世界でも、本物にまみれた世界でも。 けれど各々の記憶の中だけは誰も手が出せない。 夢物語はきちんと読み終わって、その余韻だけを大切に持って帰らなければ。 『ええ、はい。言われたところに置いておきます』 端末を操作して、音声メッセージに切り替える。人は声から忘れていくと言うけれど、貴方ならきっと消えるその時までちゃんと持っていてくれそうだから。 「必ず会いに行きます。待っていてください。 今度はもっと、話をしましょう」 貴方の耳に、かすかな衣擦れの音がする。 青年のお辞儀の音だった。 「ありがとうございました、カミクズさん」 メッセージは、貴方との泡沫の時間は、その言葉で締め括られた。 ▼ (-248) 2022/03/13(Sun) 19:54:47 |
【秘】 ユス → 亡骸のツバメ カミクズ ……これは蛇足である夢の、更に蛇足。 「……。気にするなと言われても気になる程度には汚いな」 部屋に入って一言。やっぱり、馬鹿正直にコメントする。生きている名残がこれでもかと詰め込まれた部屋。初期設定のまま弄ることなく部屋を使用した自分と大違いだ。 テーブルには言われた通りに帽子を。 ベッドには、一輪の名もわからない花を。 それぞれ置いてから床に落ちている絵本に気付く。拾い上げて捲ってみれば、めでたしめでたしがどこにも無い。 「……」 笑みの下に隠された意思に触れたようで、無意識のうちに口元が緩んだ。 これも聞けば話してくれるのだろうか。生者のエゴにまみれた世界から抜け出した先で。 静かに本を閉じて元の位置に戻した。名残を歪めてはならないと教わったから。 そうして、生者は今日も鼓動を止めずに時間を積み重ね続ける。 名残だけを、けれども落とさないように持ちながら。 (-249) 2022/03/13(Sun) 19:55:40 |
【秘】 ユス → 普通 ナツメ 青年は必要ではないことなどしない。身勝手で、傲慢だ。 だから「好ましい」が嘘なのかどうなのか、ここ数日で遠慮がなくなるほど話をした貴方ならきっと分かるだろう。 ぴっ。 こちらに向けられた指を見る。「行儀が悪いぞ」と普段なら言っていたけれど。 「そうだな。 真っ黒がいい。 何でも受け止められる黒が」 それより先に喉から言葉が飛び出した。 ▼ (-253) 2022/03/13(Sun) 20:28:30 |
【秘】 ユス → 普通 ナツメ「本当に作文みたいだな」 馬鹿正直に答える。 「じゃあ、判子がいるな」 手帳を取り出して、そのまま紙と判子を取り出した。 ぺたん。液晶ではなく、紙に押されたスタンプ。WよくできましたWと書かれた量産型のアレ。ちいちゃな桜付き。 それを貴方に差し出して、仕事をしたとばかりにどんぐりクッキーをまた摘み出す。 「そうだな。声をかけることは変化に繋がるが、何もしないままだと抱えた不安も永遠にそのままだ」 そこまで話して、一旦考え込む。 やがて納得したように頷いた。 「ああ。やはり、話さないことは停滞に繋がるな。ナツメがこうして話してくれてよかったと思う。 お前が話して、動いた事がきっかけで俺にとっても利が生まれたのだから。 話さないことは、きっと勿体無いことだ」 ▼ (-254) 2022/03/13(Sun) 20:28:49 |
【秘】 ユス → 普通 ナツメ「俺か」 話題を振られて考える。 「俺は本当なら此処に死ぬつもりで来たんだがな。俺の生きる場所はあまりにも面倒くさくて、疲れたから」 でも、と付け足して。 「見たい景色ができて、一緒にいたい奴ができて、漸く俺も人らしくなれた気がする。 世界は恐らく面倒くさいことに変わりはないだろうが、俺自身がこの場所で少しでも変われたように思える。 ……だからきっと、元の場所で同じように過ごしても感じ方が変わるだろうと思っている」 「総括して言うと、そうだな」 ぴっ。 貴方の真似をした。ここに規律を遵守しなくても、怒る者はいないから。 「悪くなかった」 ▼ (-256) 2022/03/13(Sun) 20:29:43 |
【秘】 ユス → 普通 ナツメ「……クッキーが切れたな」 話すだけ話して、お菓子が無くなったことに気付く。 「ナツメ。反省タイムは終わったことだし、次はお菓子の話か……そうだな、スタンプの話をしてくれ。 あのスタンプはいくつあるんだ。探せない」 先程とは打って変わって、なんてことないありふれた話題へ切り替える。 貴方だけでなく、青年にとっても普通の会話。 でも、ここでの時間は少しだけ普通じゃない事が多かったから。ありふれた話題でも暫くは尽きないのだ。 きっと、色んなお菓子を摘みながら多くのお話をしたことだろう。 普通ではない場所で、普通のお話を。 (-257) 2022/03/13(Sun) 20:29:56 |
【秘】 ユス → モノノ怪 ユメスケ『コタ。アクタのメモ、見たか?』 『俺とツルギとコタ。一緒だ』 淡々とした文章が送られてくる。 『お前は聡明で、俺では気付かない話を沢山してくれたから』 『同じ舞台を見ても、きっと俺では気付かなかった話を聞かせてくれるだろう。 視野が広がるな。意見交換会がしたい。話すのは嫌いじゃないんだろう?』 ▼ (-261) 2022/03/13(Sun) 20:47:45 |
【秘】 ユス → モノノ怪 ユメスケ『また話をする日が来ると俺は賭けている。 俺と違って、お前は考えることをやめないだろう? 俺みたいにはならないだろう?』 『考えるのをやめないのなら、何か出来る事があるんじゃないか』 『俺は応援しているぞ。無責任にな』 ▼ (-262) 2022/03/13(Sun) 20:48:00 |
【秘】 ユス → モノノ怪 ユメスケ 減らず口は、止まらない。 『そろそろ時間だ。それじゃあ俺はこの辺りで』 『ああ、コタ。そういえば』 『嫌よ嫌よも好きのうちって言うらしいな』 『お前の場合はどちらだ?』 『お前、俺の事が好きなのか?』 『分からないから、そう思うことにする』 ▼ (-263) 2022/03/13(Sun) 20:48:41 |
ユスは、返事をした。即レスで。『知らないな。俺は盲目で見えないから聞かせてくれ』 (a102) 2022/03/13(Sun) 20:55:56 |
【置】 ユスさて、どれくらい時間が経っただろう。 分からないけれど、きっとそこまで長くない。 だって、生きる理由と離れて行動する価値なんてそこまで無いだろう? たとえ君がどこにいても探し出して、愛おしそうに抱きしめて。 ……けれどそれは、恋なんて軽いものでも愛なんて美しいものでもなくて。 名前のつけようのない、たった一つの濁った貴方だけの想い。 それを秘めて、抱きしめて。 心の底から嬉しそうに目を細めて笑った。 (L10) 2022/03/13(Sun) 20:59:22 公開: 2022/03/13(Sun) 21:00:00 |
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