【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[小さく震える天音の身体。 少しだけ強張った表情。 まったく、どれだけ無理してるんだよ。] だいじょうぶだよ、天音。 [閉じて、震えて、開いて。 しゃくりあげる声と瞳に、もう一度名前を呼ぶ。 根拠なんかない。 抱えているものの大きさまではわからない。 だけど、大丈夫。俺にできることならするから。] (-114) 2020/11/14(Sat) 9:12:59 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[ 俺はセイギノミカタにはなれない。 彼のように無鉄砲なヒーローじゃない。 ―――でも、助けるから。 ] (-115) 2020/11/14(Sat) 9:13:57 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[小さく聞こえる嗚咽。 それから聞こえる言葉。] そうか、だったら思う存分泣きな。 いつまででも、天音の傍にいるから。 [何度も名前を呼んで。 雫がこぼれるたびに、押し込められた感情に返すように名前を呼んで。 ここにいるよ。 あなたはもう、ヒトリじゃないよ。] (-116) 2020/11/14(Sat) 9:15:14 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 ……ん。 ほら。 [伸ばされた手に、鏡を合わせるように 鏡合わせのように、片手をあげて。 そっと、その手を。天音の手に合わせた。 ―――手のひらから、想いが通じたら、きっといい*] (-117) 2020/11/14(Sat) 9:15:43 |
【赤】 4年 井田 嶺― ニッチ映画って? ― ニッチな映画、なあ。 そうだな、マイナーってわけじゃないけど…… 『イントゥ・ザ・ワイルド』とかかな。 [映研には犬の字がいるので、俺にメジャーな映画を訪ねてくる部員は少ない。 そりゃそうだ誰だってそうする俺だってそうする。 だから、俺のところに聞きに来る奴はたいていマイナーかニッチなほうを聞いてくるのだが、その日は後者だった。] 劇的な展開があるわけでもないし、派手なアクションがあるわけでもないし。 はっきり言って画面は地味な映画だけど、うん。 一度観ても、損はしないよ。 [ジョン・クラカワーのべストセラーノンフィクションを元にしたロードムービーだ。 ハーバートのロースクールという超の付くエリート街道を歩む青年は、突然すべてを投げ捨ててオンボロ車で旅に出る。 北へ。アラスカへ。 そんな衝動的で無謀な旅と、その結末。 それを繊細に、訥々と綴る、そんな映画だ。 地味だとは思う。だからこそ、こういう映画は惹き込まれるのだ。*] (*33) 2020/11/14(Sat) 9:34:30 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[じわりと熱を感じる。 合わせた手から流れ込んでくるのは、天音の熱で。 触れただけで、何かが伝えられればいいのに。 言葉なんて、不便なものなしに。] 天音の手は、小さいな。 [手を合わせたまま。 ことりとカップを置いて。 へにゃりと微笑む天音のほうに、もう片方の手を差し出して。 ちょちょい、と、招くように指先を曲げて見せた*] (-123) 2020/11/14(Sat) 10:11:11 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 小さくてありがたいんだよな。 握ったときに、ちょうど包めるし。 [人間は不便だよな。 言葉が必要だし、感情のせいで頬は赤くなるし。] まったく。 少しは、気持ちは楽になったか? [喜色の混じった声につられて、小さく、小さく笑った。 差し出された手を、指で摘んで。 軽く、こちらに引っ張ってみる。はじけば、すぐに払えるように。] (-130) 2020/11/14(Sat) 10:35:48 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[引き寄せて、ぽすりと収めて。 その身体にふわりと腕を被せて。 耳に響く天音の声は、柔らかく。 代わりに響く心音は、うるさいほど早く。] 天音が大きすぎなくてよかったよ。 腕の中に入れちまうのにちょうどいいや。 [少し低い位置にある顔を見て。見つめて。 意地の悪い笑みを浮かべた。*] (-134) 2020/11/14(Sat) 11:04:00 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 ―――可愛い彼女抱っこしてて、 ドキドキしないやつなんて、いるのかね。 [心音がバレるのは、あきらめた。 どうやったっておさまるわけがないんだ。 隠れてしまった顔が惜しくて、その頭を撫でる。 ゆっくり、ゆっくり。] じゃあ、これからはいくらでも思えるんじゃないか。 何度も、こうするし。 [そのたびに、こうやって早鐘のような鼓動を響かせるのだろうけど。 腕の中の、熱を自覚すれば、きっとそれはもっと早い*] (-140) 2020/11/14(Sat) 12:19:14 |
【赤】 4年 井田 嶺― 古い映画 ― 古い映画のオススメとかいっぱいあるからなあ。 高藤さんに、って条件になっちまうけどな。 [ニッチやらマニアックやらな映画の見過ぎ、って話はある。 有名作品はみんながわいわいやってくれてれば大体わかるから、あんまり観てないせいもあるけど] そうだな、ウディ・アレンの『カメレオンマン』とかかな。 [周辺の環境に完璧に擬態してしまう男。 中国人の中にいれば中国人に、デブの中にいればデブに。 そんな大ボラをドキュメンタリー仕立てにしたうえ、徹底的に皮肉とおちょくりで装飾して完璧なコメディに仕立て上げる。 コメディとして笑えるだけでなく、いろいろと考えさせられるウディの作品の中でも怪作だと思ってる。] (*50) 2020/11/14(Sat) 15:20:13 |
【赤】 4年 井田 嶺― 感度を高める映画 ― [そのラインナップなら、といくつか棚を漁って。 だいたいみんな触れないあたりにあったりもする。] 『巴里ホテルの人々』。これなんかたぶんぴったりじゃないか。 [パリにあるありふれたホテル。 その場所にやってくる人々の出会いとすれ違いとパリを描いた、日常のようで日常ではない日々。 ジョセフの味わう希望と空虚と失意は、人の業にあふれている。 つい繰り返し見てしまうくらいに。] あとはジャームッシュ監督の映画もいいぞ。 『ストレンジャー・ザン・パラダイス』が有名だけどお勧めは『コーヒー&シガレッツ』な。 [登場人物がコーヒーを飲み、煙草をふかし、とりとめもなく話をする。するだけ。 そんな奇妙な11本のオムニバス。 本当にそれだけの映画なのに、奇妙な魅力にあふれている。*] (*51) 2020/11/14(Sat) 15:40:39 |
【赤】 4年 井田 嶺― 感度の上がる映画>>*54 ― シュヴァンクマイエルはシュールレアリズムに振り切れてるし、ストップモーション大好きだから瞑想には向かないよな。 うたたねさせようとしていきなり後頭部はっ倒してくるよ。 [『ファウスト』はいい作品だったけれど、ぼーっと見るのにはあれほど向かない映画も珍しいとも思う。] でもホドロフスキーは時期によるんじゃないか。 シュールさより神秘主義とか宗教観にかぶれてる時期のホドロフスキーは瞑想向けだと思うぞ。 『ホーリー・マウンテン』とか、それこそ『エル・トポ』とかな。 [『エンドレス・ポエトリー』と『エル・トポ』じゃ作った時代が違いすぎるからな。 その間のデューン事件もあって、最初に見たときは「本当に同じ監督か?」って疑ったし。*] (*56) 2020/11/14(Sat) 17:02:08 |
【人】 4年 井田 嶺― 夕方、ゼミ室で ― うっ、く。 [おんぼろ椅子を軋ませて伸びをする。 身体がぺきぺきと音を立てて鳴る。 資料作りは体がなまる気がするんだよな。 ああ、岩壁でも登りに行きたい。この際ジムでもいいや。 就職予定の同期たちは卒論が終わってしまえばゼミなんて適当なもんだ。うらやましい。 院進予定の身の上としちゃ、流石にそれができない。 しょうがないので真面目に学会目指して論文書いてるわけだけど。 飽きた。集中力切れ。 スマホを手に取ってぽちぽちと。] (209) 2020/11/14(Sat) 19:54:33 |
【人】 4年 井田 嶺[TO:天音 ―――――― ハラヘッタ。 なんのことはない、ただの悪戯。 根っこが生真面目な後輩の反応でも楽しみにしておこう。 なに言ってくるかね。] さーてもうひと働きするか。 登山客の前年度動静比率はどこだっけ。 [机に山積みしてある束を漁りながらもくもくと。*] (210) 2020/11/14(Sat) 19:54:49 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[震えたりしてないことに、安堵していた。 天音の身体も、自分の腕も。 「何があっても気にしない」なんて。 気持ちとしては事実だけど、どう考えても一つだけ耐えられないことがある。 それがなくて、良かった。 俺は物語の主人公じゃない。 正義の味方じゃない。 ―――I'm not gonna get my hopes up, you know. I've stopped caring. The hell with it. I have stopped caring. マイルスの言葉が頭をよぎる。 ふるふると、小さく頭を振ってから一度だけぎゅっと抱きしめた。] (-183) 2020/11/14(Sat) 21:20:34 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 安心しろよ。 可愛い彼女のそばにいて、俺の心臓はとっくに破裂しそうだ。 けど、送っていかないとまずい時間だな。 朝日のごとく さわやかに [Softly, as in a Morning Sunriseってわけにはいかないしな。 するっと身を離して、冷めたコーヒーを飲み干した。] 今日のところはおとなしく送っていくよ。 これ以上はそのうち、な。 [こきりと首を鳴らして、床に投げていた上着を取り上げた。 まさか舞踏会から逃げ出したシンデレラのように、 送ることすらできないなんてこと、ないとはおもうけど。*] (-184) 2020/11/14(Sat) 21:21:29 |
【人】 4年 井田 嶺[冷めたコーヒーを啜りながらキーボードをたたく。 同じ冷めた泥水みたいな液体なのに、スクリーンの前や山にいるときとは雲泥の違いだ。 まともな味覚が戻ってきたのが恨めしい。 机の上で無遠慮に鳴るスマホを、無意識に眺める。 ―――訂正。まともな味覚が戻ってきてて、よかった。] (225) 2020/11/14(Sat) 21:30:22 |
【人】 4年 井田 嶺[TO:天音 ―――――― 一時間後。 王子様じゃないので花束は持って行かない。 ―――――― さて、やることやって、とっとと行くか。 一時間後にはふてぶてしい顔をしてマンションの入り口でインターホン鳴らしてやらないとな。*] (226) 2020/11/14(Sat) 21:30:47 |
【人】 4年 井田 嶺[一時間後。 天音の住むマンションで、インターホンを鳴らす。 王子様じゃないので花束なんか持ってきてない。 代わりにケーキは持っていたけど、甘いものが食べたかっただけだ。] どんな顔してりゃいいんだろうなあ。 [いや、昨日と同じ顔しかできないけどさ。*] (231) 2020/11/14(Sat) 21:50:16 |
【人】 4年 井田 嶺― 天音の家 ― [なんで一時間後だったのか。 俺だって馬鹿じゃないから、そんな時間で料理なんかできないって知ってるよ。 理由は三つある。 今日コロッケパンひとつしか食ってなかったって気が付いたのが一つ。 料理する天音を見るのもいいかなって思ったのも一つ。 もうひとつは……ま、いいだろ。] よう。これ、土産。 悪いな、急に押しかけて。 [扉を開けて、見えた顔に、片手をあげてケーキの小箱を渡す。 招き入れられれば靴を脱いで、遠慮なく。] 了解。適当に本棚観てるよ。 [いまさら緊張してきたな。 玄関から見える景色だけで俺の部屋とは大違いだよ。] (242) 2020/11/14(Sat) 22:43:40 |
【人】 4年 井田 嶺 あ、悪い。 [いうなり、天音の頬に触れる。] ちょっと補充。手が寂しがってしょうがないんだよ。 [触れるだけで、おとなしく座ってるけどさ。*] (243) 2020/11/14(Sat) 22:44:08 |
4年 井田 嶺は、メモを貼った。 (a32) 2020/11/14(Sat) 22:52:12 |
【人】 4年 井田 嶺真面目で優しいセンパイ売りだからな。 面倒見のいい後輩に土産くらいは持ってくるさ。 [逃げそうになる身体に、まだ早かったかなって。 一瞬顔が曇るけれど、寄せられた頬に、深く息を吐く。 良かった。昨日はまだ続いてる。おそらく明日も。] (250) 2020/11/14(Sat) 23:10:09 |
【人】 4年 井田 嶺[下から覗き込まれて、傾げる顔に。 意地悪く笑って、片手だけで緩く抱き寄せた。] いや、全然。 おとなしく待ってるから、あとでたっぷり補充させてくれ。 [耳元に言葉を落とす。 心臓はとっくに早鐘を打っていた*] (251) 2020/11/14(Sat) 23:10:22 |
【人】 4年 井田 嶺 さんきゅ。 時間なかったのに、すごい豪勢だな? [期待していたのは確か。 天音の料理が食べたかったのも確か。 けど、ここまでしっかり出てくると思ってなかった。 箸を受け取りながら、少し気取られたというか、なんというか。 誰かにごちそうする予定でもあったんだろうか、なんて邪念を首を振って追い払う。] 麦茶でも水でも。贅沢言うほど恵まれた食生活してないよ。 今日も命があることに感謝を。いただきます。 [ちらりと顔を見て 一口、ニンジンを口に運ぶ―――美味いな。 笑顔を浮かべながら、そのひとをみながら、ゆっくり箸を運ぶ。] (258) 2020/11/14(Sat) 23:43:15 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新