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【赤】 灯守り 冬至――回想:菴とのひと時 [ 灯守りにも 闘うものはある 自分 家系 環境――灯守りの数だけあれど 綺麗事だけではどうしようもない翳が 闇が誰しにもある。 普段 如何に溌溂としている者であろうと 癖のように笑みを浮かべる者であろうと 一人の人間となんら変わりない感情を例外なく抱えている。 己が闘うもののあるように 小雪――菴もまた。 彼の内情や心といったものに 己がどれだけ踏み込んでいたかは 結局の所、彼しか論じれぬものでしかなくとも ] (*2) 2022/01/27(Thu) 1:31:38 |
【赤】 灯守り 冬至[ 実年齢はともかくとして 身体は幼女 普段酒を嗜むことは少ないながらに 彼とのひととき それなりの酒を口にした。 ] 思えば あの時からでしたね あなたとたくさんの声を交わすようになったのは あなたの天才的発想がなければ ひょっとすれば 今は無かったかもしれません …改めて 感謝をしなければなりませんね [ 微笑んで また、ちびりと酒に手を出して ] (*7) 2022/01/27(Thu) 1:33:06 |
【赤】 灯守り 冬至あなたは 見ているだけで楽しい人ですけど フェイとやんやしているのを見るのは もっと楽しくて、好きでした 友達―――親友というのは あなた達のようなことを言うのだろうと 少し、うらやましく思った時がありました。 [ そんなことも、口にできる無礼講だった ] (*8) 2022/01/27(Thu) 1:33:36 |
【赤】 灯守り 冬至…菴が手を尽くしたのなら それはきっと 最良の盤面です [ 眞澄から届いた手紙、其の去り方を思えばこそ。 「お役目、お疲れ様でした」と 小雪の灯守りに労いを ] (*10) 2022/01/27(Thu) 1:34:33 |
【赤】 灯守り 冬至[ 旅立ちの時。 いつもと変わらぬやりとりの結びに 少しばかりの願いを込めて 付け加えたもの ] 菴。 世界を回って 心行くまで堪能したら また、ここで飲み明かしましょう フェイも誘って 露天宴会なんてしながら あなたから見た世界を 聴いてみたいです [ 微笑み一つ、手を振って見送った ] * (*11) 2022/01/27(Thu) 1:35:01 |
【人】 灯守り 冬至[ 遠ければ 少し近付いて見上げる ] ……。 今からお話しすることは、私の勝手な憶測 あなたが気分を害するだろう 独り善がりのお節介です。 聞くに堪えないと感じたら どうぞ、背を向けて下さい [ 二本の足で立てば 少しばかし、声を抑えるように ] (31) 2022/01/27(Thu) 20:18:54 |
【人】 灯守り 冬至あなたが "誰のため"と称している様は 自分が見たくないものから ただ、顔を背けているように見えます 大人のふりをして 大人らしい言い訳を嘯く影で独り震え そうして どこにも行けず蹲っているように。 それは 決して悪い事ではないです 誰しもが一度は通る――通る事こそ正常で健全な 大きな 大切な一歩だと私は考えています その一歩を越えて行けるかどうか どのように越えて行くかが 重要であるとも。 (32) 2022/01/27(Thu) 20:19:20 |
【人】 灯守り 冬至私は あなたのことが嫌いではありません だからもし、自分ではどうする事もできず このままどこにも行けないというなら 私は このままむぎの所に行って 年寄りよろしくお節介を焼こうと思います (33) 2022/01/27(Thu) 20:19:47 |
【人】 灯守り 冬至――でも。 もし、真澄にとってむぎとのことが ずっと胸につかえた儘であるほどに大切なら 自分で 一歩を踏み出してほしいとも思います ……。 あなたの言う通り 彼女は既に小満の蛍 全てがあなたの望む結末になるかと言われれば それはきっととても難しい。 けれど 結果を変えるためでなく 何が起きるかわからないこれからのために その、絡まった糸をほどくことは 真澄にとって みっともないことでしょうか? (34) 2022/01/27(Thu) 20:21:36 |
【人】 灯守り 冬至[ 少女は視線を移す。 棚に飾る写真達を目に留めて ] 言うほど簡単なことではないけど その上で、私は わがままを言ってみようと思います …――どうか、あなたの心を大切にして下さい 想い続けた心を 明日への枷に 苦いままのものにしないでほしい 口にしなければ伝わらない気持ちを 届くうちにどうか――… 伝えてほしいと願います [ 端末の瞳が捉える彼女は 其処に居ただろうか * ] (35) 2022/01/27(Thu) 20:21:49 |
【赤】 灯守り 冬至――回想:二人の英雄の話 [ 先代冬至と出逢ったのは 私が五つくらいの頃と聴いた事がある。 冬至域で今尚"英雄"と讃えられる存在 先代の冬至とその蛍たる男が ある日、己の家にやってきたのが始まり。 浮世離れした美貌を持つ女性――雪姫と 傍ら控える 老齢ながらに只者では無い居住まいの――枯草 母や父から繰り返し聴かされた お伽噺のような存在達 その二人が家に来た時の事は 未だに記憶に残っている ] (*57) 2022/01/28(Fri) 0:59:09 |
【赤】 灯守り 冬至[ 彼女はまるでお伽噺から出て来たような 見目に浮世離れした美女――そんな灯守りだった。 雪のような肌に整った顔立ち 触れれば融けて消えそうな儚さを持ちながら 其の眼差しは凛と強く 紡ぐ声には不思議な温かさがあった 彼女に手を引かれ歩くひと時 伝わる温もりに 漸く彼女を人と認識できるような心持ちで 偶然にも同じ響きの名を持つ彼女を 見上げていた。 私は其の日から、領域と呼ばれる地で暮らし始めた ] (*58) 2022/01/28(Fri) 1:01:08 |
【赤】 灯守り 冬至[ 蛍になる訳で無く 弟子とされる訳で無く ただ、一つ屋根の下共に過ごしながら まるで親子のような間柄で 様々なことを教えられた。 今とは全く違う領域の在り様 雪が積もり 蕾が芽吹き 桜が散り 緑が茂り 紅葉を拾い そんな四季を感じることのできる其の地で 冬至の灯守りとしての姿 傍らに在り 完璧に補佐をこなす蛍の姿 英雄として讃えられる二人の背を見て過ごした ] (*59) 2022/01/28(Fri) 1:01:34 |
【赤】 灯守り 冬至[ 先代冬至の在任期間は 凡そ三十年程 その間に 先代達は様々な偉業を成し遂げた。 雪のとける事の無い冬至域に 根付く慣習の礎を 確かな安寧をもたらし 多くの民達に希望の光をともし続け 其の数多の功績から 後世に名を残すに至った。 冬至が代々受け継ぐ能力――" 灯想 " ふれた灯りの心を識ることの叶う力 彼女は 其の人柄と能力を持って 民達の陽となり 癒しを齎し 蛍と共に近く遠く 寄り添い続けていた ] (*60) 2022/01/28(Fri) 1:01:55 |
【赤】 灯守り 冬至[ ――灯想。 冬至たる其の力は 持って初めて実感する諸刃の剣 その力はあらゆる心を拾う。 覆われた想いを 閉ざされた本音を 時には本人でさえ意識しなかったような心を。 喜び 怒り 悲しみ 苦しみ 未練 後悔 愛情 憎悪 何もかもを。 触れながらに揺れ動き続ける心 其れを何百何千 或いは何万以上。 多用すれば己が心を壊しかねない力 使えば使うほど己の命を散らすが如き代物 それが、冬至が代々受け継ぐ"灯想"だった ] (*61) 2022/01/28(Fri) 1:02:17 |
【赤】 灯守り 冬至[ 其れを 何十年も。 生きている内に救わんと 民達の安寧のために只管に行使し 只人と変わらぬ言葉を 心を持って癒し 手の届く場所に居る全ての灯を癒そうと努めた 雪姫という存在は紛れも無く英雄であり 悲しい程に、大した人間だった ] (*62) 2022/01/28(Fri) 1:02:27 |
【赤】 灯守り 冬至[ 彼女は強かった それ故に弱さの見え辛い人だった。 只人とは思えぬ程に優秀で有能な蛍は 彼女にとって 公私に渡り最も近しい存在で 特別で 此の目にも 彼女が確かに頼れる存在であるとわかる程だった だから気付けなかった 一番傍に在った蛍でさえも。 本当の意味で弱さを見せない 見せることができない人だったのだと そう理解したのは、彼女が死んだ時だった ] (*63) 2022/01/28(Fri) 1:02:51 |
【赤】 灯守り 冬至[ 雪姫から ゆきへ。 先代に代わり冬至の席に座したのは 彼女が亡くなってひと月と経たぬ頃のこと 冬至域を出歩く事はあれ 会合の折 顔を出していた訳でも無い存在。 長年先代を支え続けた初候たる蛍を差し置き 見た事も無い どう見繕えど幼女が其処に座した時 周囲がどう想ったのかなど知る由も無い。 ――唯。 傍らに控える"冬至の英雄"が 変わらずに其処に佇み 支えんと在った事が 其の幼女を冬至たらしめたのは一つ、確かな事実だった ] (*64) 2022/01/28(Fri) 1:03:33 |
【赤】 灯守り 冬至[ そうして 十年と――少し。 伝承の如くに噺に出る英雄 祖父のように 父のように在った枯草 常に 傍で支えて続けてくれた蛍。 少しずつ関係性を変えながら 変わる事の無い そのあたたかな距離で 私は彼に数えきれないほど教えられ 助けられた ] (*65) 2022/01/28(Fri) 1:03:54 |
【赤】 灯守り 冬至[ 冬至が初候 乃東生 英雄 参謀 軍師 色男 賢人 剣聖 ――等。 ありとあらゆる賛辞や肩書を手にした男は 冬至の灯守りの蛍を二代に渡り務めた。 無力な幼女が灯守りとしてその座に在り続けられたのは 間違いなく、彼の存在が其処に在ったからこそだ。 ――通称 枯草。 其の名は 彼の死後 百の冬を越えた今も尚 冬至域の英雄として 雪姫の名と共に伝わり続けている ] * (*66) 2022/01/28(Fri) 1:05:24 |
【人】 灯守り 冬至[ ――知っている ] [ 知らなければよかったこと 知らなければ幸せだったこと 知らぬからこそ保たれるものがあると ] [ 良かれとした選択の先 致命的な観測がある事も知っている ] (99) 2022/01/29(Sat) 11:18:28 |
【人】 灯守り 冬至[ 良くも悪くも淡白な問いかけ一つ 彼女から返るものはあったか 無かったか 何れにせよ、端末は口から紙を取り出して ] ――今日は良い月が出る予定です この後、温泉に来ませんか? 特別なひとときへご招待致しますよ たまにはのんびり 羽を休めにきて下さい。 露天風呂はいいものです 言葉などなく いくらでも時を過ごせますから [ "雪見温泉 ご招待券" 白紙に墨文字――手書き感溢れる長方形を二枚差し出した ] (101) 2022/01/29(Sat) 11:18:46 |
【人】 灯守り 冬至[ 丁度そこらへんに居た小満に ] あ。 小満 あなたパンプキンパイがお好きでしたね この後家に寄って行って下さい 絶品のパンプキンパイをご馳走します [ 予定は未定なれど。己の蛍は優秀であるが故に * ] (102) 2022/01/29(Sat) 11:19:30 |
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