![]() | 【赤】 ツァカリ[どっちも、と落とされた言葉の意味を掴めない。 少なくともツァカリにとってはどちらかしかなかった。 僅かな嘘も見抜けない程の浅はかな千里眼しか 持ち合わせていないから、彼の機微を拾うことも 興味が向いていたことにも気づかずに機嫌を損ねるだけ。] …………――、 [それでも、脱衣所から扉を開け、洗い場に向かう前には 背中からの視線を気にするぐらいの いじらしさはあったかもしれない。] (*0) 2023/04/24(Mon) 21:38:36 |
![]() | 【赤】 ツァカリ[自身の思い通りに事が運ばなければ興味を失くす。 それでも、放っておかれてしまえば尻尾は揺れる。 自由に気ままに生きてきたが故に、主張は強く、 気位も高くなってしまったものだから。 つれないと言いながらも旅行に連れ出し、 付き合ってくれる恋人には甘い顔をしたいのに。 素直に求めることもできなくなってしまった。 否、寧ろ関係に名前がついてからのほうが、 いくらか動きにくくなってきている気がする。 互いに『遊び』と称しているほうが、 相手を気遣うこともなかったけれど。 いつからか、甘やかす腕を覚えてしまってから、 窮屈でも居心地がいいと思えるようになってしまったから。] (*1) 2023/04/24(Mon) 21:39:20 |
![]() | 【人】 ツァカリ[煽る素振りだけ見せて、撫で上げた部分はまだ大人しい。 それもそうだろう、まだ刺激すら与えられていない。 見返す視線の先、微かに動きが止まったような気がしたから、 挑発をするための目が更に細くなり、 浅く舌を出して、自身の乾いた唇を舐めた。] ……っそ。じゃ、お先に。 [いくばくか動きが早かったのはこちらの方。 外気に全身を晒せば、からりと扉を開けて洗い場へと踊り出る。 背後から向けられる鋭さが深まった視線に気づかずに、 『食われる側』は意気揚々と湯気が立つ様に、おお、と。 物珍しそうに辺りを一瞥していた。] (22) 2023/04/24(Mon) 21:39:36 |
![]() | 【赤】 ツァカリ[気ままに遊んできたのはどちらも同じか。 そんな話を互いにしたこともあったかもしれない。 寧ろどちらもそういう気質であったからこそ、 馬があったというのも事実。 彼が薄情かどうか知るのはこれからのこと。 『欲しい』と言われた夜に戸惑い、 受け入れたのはいつの話だったか。 それから少し時間が経った今も。 彼が同じように思っているかどうかは、預かり知らぬ所、 疑り深い猫は、時に飼い主の気持ちを推し量る。] (*4) 2023/04/25(Tue) 13:24:19 |
ツァカリは、メモを貼った。 ![]() (a3) 2023/04/25(Tue) 13:27:31 |
![]() | 【赤】 ツァカリそりゃ、まあ。 オレだって旅行をそれなりに楽しみにしてたしな。 [ぽたり、濡れた前髪から水滴が雫となって落ちる。 良い顔、の自覚はなかったから、少し気恥ずかしい。*] (*5) 2023/04/25(Tue) 21:32:05 |
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