【人】 タカノ[ さいしょの約束は、果たされた――。 ] いや、まさか。 [ それは自室での呟きだ。 皆が知っている名前ひとつ、 漸く手に入れたという有様なのに、 音が、止まない。 あれだけいつも冷えている指先が、 熱を失わない。 でもその正体を、知ってはいけないという 警告音も確かに聞こえるのに、 冷静な判断力を失っていたのかもしれない。 ] (34) 2023/03/07(Tue) 3:07:25 |
【人】 タカノ[ 意識的に行っていたわけではない。 という言い訳を、させてほしい。 ] 顔、見に来た。 [ そして決して仕事を疎かにしては いないとも。 知りたかった。訪れるたび、 なにか一つでも、那岐を。 自然と、週に一度か二度だった 来店は、二日とおかず、という頻度に変わった。 ] (35) 2023/03/07(Tue) 3:08:01 |
【人】 タカノ こういうの、好き? [ そして、会話もまた。増やしたというか 気づいたら増えていたかな。 聞き役に徹することの多い彼から、 いくつでも、引き出さんと、饒舌に。 スマホの画面を見せながら問うた。 画面上には、地方へ赴いた際の景色や ついでに訪れた観光地のマスコット等。 実家の犬まで多岐に渡り。 ] ここ、気に入ってるんだ。小さな湖の近く。 夜は特に静かで、なーんもしないを やりにいく。 一時間ちょっと、バイク走らせて。 夏に行くと、ちょっと賑やかだけどね虫の音が。 [ 数少ないオフの日の事も、思いつくままに ――言うなれば、後先考えず 話した。 ] (36) 2023/03/07(Tue) 3:09:26 |
【人】 タカノ[ そうしていくつかの日を過ごした後。 トークアプリでの会話も、 いくつかあった。そのうちの一つ。 『休みの日、いつ?』 迷った後にやはり、追伸を。 『これは、どこか遊びに行かないかっていう 下心のある、質問です。』 送ったその日はそこそこ後悔したし もっと言葉の選びようがあったと 頭を抱える羽目になった。 普通に考えれば――。 ] (37) 2023/03/07(Tue) 3:09:55 |
【人】 タカノ[ そう、普通に考えれば 同性の友人の言葉としてなら なんの問題も、ないその言葉の先に ] ………俺 ヤバい奴だったのか [ あの日、燻って消えかけそうになっていた 思いの名を、知った。 ] キモいとか言われても、 ごめんねで済ませられないな もう。 [ だけれどどうしても、 知らないままのほうが良かったとは思えなくて。 ] これっきり、返事来なくなったら どうしよ [ ――その時は素知らぬ振りを、できるだろうか。 気さくな、よく来る常連客の顔なんか、 もう、覚えちゃいないってのに。 判断力、今頃戻ってきても、もう遅い。** ] (38) 2023/03/07(Tue) 3:10:41 |
タカノは、メモを貼った。 (a8) 2023/03/07(Tue) 3:13:26 |
【人】 タカノ[ いつだって、誰かのおすすめを。 そんな注文の仕方をしていた。 それは、通う頻度が変わっても、 多分変わらなかったと思う。ただ、 ] この前食べたピザ、美味しかったんだ 誰が作ったんだろう? [ 事前に『今から行きます』とか、 『20時頃に、行くね』とか。送れる日は送ったし 仕事の内容的に今なら寄れる、だとか思えば ふらりと、寄る日もあった。 君の手が空いていれば、なにか作ってと ごく自然に頼むこともあったけど、 近くにいたのが他の誰かでも、同じように 注文はしたし、迷惑になるほど長居はせずに さくっと帰宅することもあった。 ] (116) 2023/03/07(Tue) 17:07:32 |
【人】 タカノ そう、贅沢なんだよ。 その日何があったとかも、明日何があるとかも 何も考えないで、ぼんやりするんだ。 時々、ああ、鳥が飛び立っていったな 水が跳ねたな、魚かな とか その場で起きたことだけ、目の前を通り過ぎて 行く感じで。 [ 人のざわめきのない世界の良さを語る。 話している相手の後ろに、その景色を夢想しながら。 バイク、いいですね。>>55と彼が言う。 ] 乗ってみる?後ろ。 機会があれば。 [ それこそ、夢みたいなことを口にすることもあった。 二つ返事で了承されるようなことは、 ないだろう、と思ったゆえに、冗談の延長のように。 だからこそ、気軽にそう言えた。 ] (117) 2023/03/07(Tue) 17:07:48 |
【人】 タカノ[ 一日中、連絡を取り合わないと不安になる そんな人もいるらしい。話でしか聞いたことはないが。 彼とのやり取りは、増えたとしても、 一日一回程度じゃないだろうか。 今までも気づけば返事が来ている、 こちらも気づけば返事をする、負担にならない程度に。 会いたくなれば、行けば良いのだから。 送った後で、やっちまったと頭を抱え 現実を受け入れるため、もう一度 そのメッセージを読み直そうとしてスマホを手に取り ] (118) 2023/03/07(Tue) 17:08:03 |
【人】 タカノ ぅわっ [ 落とした。拾った。 メッセージの後方、相手がそれを確認したことが 読み取れる、既読の文字。 ] ごめんなさい。 [ その謝罪は、スマホに向けて。 ――ベッドサイドのチェスト上に、スマホを置き 床に正座し、という他人が見たら、 面白すぎる姿にて。 どれくらいそうしていたか。 ] ……え [ 答え、ぽひゅん、とちょっとマヌケな音が、 耳に届くまで。 ] (119) 2023/03/07(Tue) 17:08:34 |
【人】 タカノ えぇぇ………、いいの [ そのいくつかの候補、噛み合ったら どうするのだ。そんな気軽に、教えてしまって 全日抑えられたらどうするの。 迷いに迷って、そこから一時間くらいして ] 『ありがとう、調整する。』 [ とだけ返した。一時間も経てばリアルタイムな やり取りとは言えないだろうが、 それでも今までよりはずっと 早いレスポンスになっただろう。* ] (121) 2023/03/07(Tue) 17:09:26 |
【人】 タカノ―― 過日、玲羅先輩と ―― [ 指南してくださる先輩方の反応は様々。 笑う先輩、呆れる先輩、苦笑いを浮かべる先輩。 そんな感じだっただろうか。 真面目な顔して、 "ものすごく真剣に取り組んでいるのですが、向いてないですね" と言った事もあった。 ] そーね、リメイクされる程根強い人気の ある作品もあるしね。 [ 熱々のピザを頬張り>>2:486 カクテルを傾ける彼女の姿は、まさに ふくふくとした顔で笑う女性の理想像、そのもの だったように思える。 微笑ましい、愛らしい、そう思うのは嘘じゃない。 そういう姿を見るのは好きだ。 ] (122) 2023/03/07(Tue) 17:10:19 |
【人】 タカノ うん、俺が持っててもなかなか行けないし 出来たものは貰えるらしいし、 材料もあっちで用意してくれるみたいだから [ 半笑いに何かしらの反応があれば ] や、人に言うのは出来るくせになって 言うは易く行うは難し、を実感して (124) 2023/03/07(Tue) 17:11:10 |
【人】 タカノ 出来るといーね、デート。 [ そう返した。 自分と彼女の、この"多少"気心知れた友人の距離では 彼女の転機になった恋>>69の話や、 心無い自分勝手な欲望の塊から受けた仕打ち>>71 浴びた言葉>>73までは、知ることは出来なかったし 聞くこともきっとなかっただろう。 ただ十七歳、まだまだアイドルとしては 成長期。下世話なことを言えば、売り時であった 彼女がふつうの女の子>>0:11を選んだこと また今彼女はそのふつうの女の子として 彼女たちと同じように悩み、恋をしていること。 それらは知れる。知ればほんの少し、 声援ではなく、背を押せるなら、嬉しかった。 ] (125) 2023/03/07(Tue) 17:12:14 |
【人】 タカノ ええ、その方向で。 なにせもう脱げないし、俺。え?もう半裸求められてない? [ 反響は留まるところを知らない、が 徹底して事務所の側から「俳優 高野景斗」の名を 出さなかったため、一つまた一つと舞い込む オファーの宛名は「無名のヒーロー様」 「○○の永遠のヒーロー様」 「蘇った漆黒様」などと、 大喜利大会が行われているような然様だった。 ――余談だが、我が社の社長。 あのオーディションで幅を利かせ、 新人採用を決めた彼は、現状の俺に 責任を感じているらしい。飲むと必ず、 休む時間を持たせてやれば、と零すので。 本人は隠しているつもりらしいが、バレバレです。 でも俺別に自殺願望あったわけじゃないんだけど。 あの日向かっていた場所、今でもよく行くし。 なもので此度舞い込んだオファーの数々 自由にしろ、と仰せつかった。 ] (136) 2023/03/07(Tue) 17:58:28 |
【人】 タカノ[ ので雑誌の取材も、ドラマも、映画も、 大体すべて、断った。一番多い朝や昼の、 ワイドショーなんて封すら開けずに。 彼らの、大型量販店で渡されるレシートのように 長ったらしい賛辞の言葉の裏側には、 「復帰第一作目という話題をうちで」 「話題性があるうちに使えるだけ使う」 と、書いてあるのだろうから。 ――当時出演した戦隊シリーズの最新作に ゲスト出演しませんか、というオファーには だいぶ、心が揺れたが。いや揺れた故に 保留にしてあるが。 後進の育成にも慣れてきたし、やりがいってやつも 感じてきた。 ラジオの仕事も、言わずもがな。 今の生活、気に入っているものだから。 ] (137) 2023/03/07(Tue) 17:59:49 |
【人】 タカノ マジで……マジでありがとう………助かる 命が。俺の命が。 今度奢る、寿司でも、鉄板焼でも。 [ そんな中、休みの日を調整するため 声がけをしていた一人から、実に軽い、 いいっすよ!が聞こえてきたので、 拝み倒した。 やった〜!高くて美味しいお肉〜〜!! と彼が言うので、思い出した顔がある。 少し、似てる気もする。 彼は今日も、お肉食べてるだろうか。 ] (138) 2023/03/07(Tue) 18:00:11 |
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