（まだ、日の出前まで時間はありますし
　　　足を運んでいなかった
　　　展望車両にでも行きますかね）

　　申し、失礼いたします。


[私が展望車両についた当時は
かつて展望車両にいた面々が席を立った者は既に立ち去り
残ることにした者は残っているであろう時。



　　　果たして其処には誰がいらっしゃったでしょうか？
　　　何にせよ先客がいらっしゃれば
　　　脱帽し一礼したのではありますが。
　　　誰もいなければソファーに座り
　　　一人静かに星を眺めたことでしょう。

[一息に、溢れるような私の言葉の数々を
先生は>>342>>343耳を傾けてくださいました。
その様子に、先生がご存命であった頃も
こんな風にお話を聞いていただいたような気がして
何だか胸が締め付けられるような、
チリ、と痛むような心地を微かに覚えましたが。



　　ですからどうか、謝らないでくださいな。


ええ、此の列車を何度も利用し
その度に違った景色と思い出を積んで
それはそれは、数え切れない程の方々に接してきました。

時間はおろか、例え時が無限であろうと
全てを語るには仰る通り、
足らないことやもしれませんね。]

[そうでした、先生はずっと──地上にいらっしゃっていた。



ええ、一度商談の折の接待による観劇で
耳にしましたが彼れは確かに
“天使の福音”と言えましょうね。
素晴らしい歌声でしたよ。

　海中で呼吸が可能な魔法薬や
　足を尾びれに変える魔法薬もあるので
　泳げないことに関する心配は無用では？>>0:96
　ええ、素敵だと思いますよ。空の次は海の旅。

　　仰る通り、父が紹介した本職は>>1:L3
　　シュナイゼン王国の生まれでありました。

　　　そうでした、私は知らぬことでありますが
　　　オトヒメ様と既知であること、
　　　宝石に関する依頼をお受けしていましたね。
　　　肝心の作家の方は
　　　既にお亡くなりであったようですが>>0:139


マジカルランド……共に行く方……
チケットをくださったマダムにお礼と称してご招待したり>>0:91

[──あれから私も努力を積み重ねましたからね。>>341

初めてお会いして13年、少しは大きくなったことでしょう？






私にとっても先生は今も昔も『先生』で。
私は『教え子』であり、『生徒』であり
只の『アリアニコ』なのですから。
（教え子云々が先生公認かどうかは分かりませんが）]

　　　　　　
　　　　　　　…………ッ、

[噫、体が動く、動かせる。
くるりと体を先生の方へ向け
脱帽し、深々と一礼すれば

　　此方こそ、私のことを覚えてくださった上に、
　　正直にお話しくださって。
　　『先生』と呼ぶのを許してくださって、
　　本当に有難うございました。



[脱帽したまま再度深く下げた頭は>>346
商人として、“私”として最も敬意を表したもの。]



　　私が悲しみを覚えてしまった分は、
　　もうチャラで構いませんよ、先生。

　　────此方こそ、貴方に会えて光栄でした。
　　　　　　　　　

[私がデッキへと既に向かっていた頃。
展望車両へ向かう前。
場は違えど、確かに
同じひと時を共有していた頃。>>9>>372


お気に召していただけたようで光栄です、先生。
>>372]