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【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 最後の音が消えても、すぐには身体は 動きませんでした。 拍手をすることすら忘れて、 ただただメイレン様を見つめていたでしょう。 ……これが、この国の誇る、宮廷音楽家… 周りの方々の拍手で、は、と我に返り、 今度は改めて、手が千切れるほどに 打ち付けた、精一杯の拍手を送ったのです。 ]* (128) 2020/09/29(Tue) 8:22:54 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ その日も私は、アメリア様にお呼び頂いて、 ハイアームズのお屋敷にお伺いさせて頂いて おりました。 訪れるごとに深まるように(私は)感じる アメリア様との仲。 お年も近く、その穏やかで控えめな お人柄から、私は恐れ多いことながら 御友人のようにお慕いしていたのです。 また訪れるごとに異なる、お茶やお茶菓子。 毎回毎回はじめは恐縮して手を出せずに いるのですが、アメリア様は、 食べないとヨシュアが怒るの、などと仰っては 微笑んで、私のほうにそっとお皿を 押してくださるのでした。 そんな様子にありがたくも申し訳ないと 思いながら、ちょっとした悪戯心で、 前からずっと気になっていたことを 聞いてみたことはあったのでしょうか (129) 2020/09/29(Tue) 8:37:24 |
【見】 病弱貴族 アメリア─ ある日の女子会 ─ [ 教会について教えてもらうという建前のもと 出来た彼女との縁は>>1:108 あれから、病弱な自身を慰めるためという 新たな理由のもとに続けられている>>129 住む世界が違う自身と彼女だけれど 思いのほか気があうのだろう。 彼女が来る日が近づけば 楽しみに鼻歌なんかを歌う姿が 見られた時もあったとか。 我が邸宅に訪れるのは 父や、時には母に用のあるものばかり。 自身を目的として訪れるものは数が少なく。 つい毎回違う茶菓子やお茶を出してしまうのは 少しばかり張り切りすぎていたのかもしれない。 ヨシュアはそんな自身をどう思っていただろう 微笑ましく見られてなんかいたりしたら 少しだけ意地を張ってみたりして。 ] (@18) 2020/09/29(Tue) 9:21:17 |
【見】 病弱貴族 アメリア……私は引きこもりだから、 そういう浮いた話は 残念ながらないのだけれど。 [ 心に決めたとしても 病弱な自身ではどうなりようものもない。 意識的にか、無意識的にか そういう考えはあまり、しないようにしていて。 ] (@20) 2020/09/29(Tue) 9:22:23 |
【見】 病弱貴族 アメリアでも、そうね…… 昔少しだけ話をした男の子のことは とても印象に残っているわ。 [ 自身がまだ子供だった頃。 中庭に出て、遠くに使用人がいる中 花を見ていた時。 たまたま迷い込んだのか、 一人の男の子と話をしたことがある。 確か、楽器の話をしたんだったか。 いつかまた遊びに来ると言って あれきりだったけれど。 彼は今頃どうしているのかな、なんて。 ] (@21) 2020/09/29(Tue) 9:22:36 |
【見】 病弱貴族 アメリア[ そんなことを話しては。 ] そういう、エヴィはどうなの? [ なんて、仕返しに耳に囁いてあげたけれど さて、どんな話が聞けるかしら。 ]* (@22) 2020/09/29(Tue) 9:22:45 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ ―― とある酒場 ―― [ グラスのお酒を少しだけ口に含んだ時 背後から聞き覚えのある 穏やかな声がした。 >>110 振り返ると、 彼は柔らかく目を細め ありがとうございますと、言った。 彼はカウンターに掛けることなく 店主にヴァイオリンを弾いていいか訊ねる。 「好きにしな。何曲でもどんな曲でも。 誰に向けたっていい ここでは好きに音楽を楽しみな。」 店主はそんなことを言っただろうか。 ここに来たのは初めてだったけど、 良い酒場を教えてもらえたようだ。 ] (131) 2020/09/29(Tue) 9:32:50 |
【人】 楽器リペアマン ティグレ[ どうか、1曲聴いてもらえませんか という彼に、もちろんと頷く。 彼の美しく長い指が ヴァイオリンを触れる。 メンテナンスがしっかりされ 大切に使われてきただろう 弾き込まれたヴァイオリンの 温もりを撫でるように。 彼の音色を待った。 ]* (132) 2020/09/29(Tue) 9:34:37 |
【人】 心配性の王妃 ミュシカ “とても辛い思いをしていたのでしょうか……” [ 目が覚めたらしい彼女を湯浴みに誘うために、 扉の前まで訪れていたメロディアとフィオーレ。 扉越しにでも聞こえる嗚咽に、 2人はお互いを抱きしめあった。 元々、人慣れしていない彼女たちでも 泣いている声は体の奥まで響いてくる。 ふたりで、よしっと己を奮い立たせると、 扉を叩いて、湯浴みへと誘うのだった ] “……分かりました。それでは、手当てだけでも させてくださいね?綺麗にしますから。” [ 治癒を断られたメロディアは、そっと彼女の 傷に触れて、1人心を痛めた。 年頃の女性が、こんなに傷だらけになるなんて、 と悲しくなりながら、 彼女の要望通りに、清潔な布を使って その傷を手当てしていくのだった。 ただひとつ、彼女の要望に答えなかった箇所がある。 彼女の腫れそうな顔。この部分に関しては、 心の中で ごめんなさい と呟いて、触れた瞬間に綺麗に傷跡を消してしまった。 ] (133) 2020/09/29(Tue) 10:38:55 |
【人】 心配性の王妃 ミュシカ“気になる服はありましたか? [ 湯浴みにの途中で退室していたフィオーレが、 彼女の服選びの最中に戻ってきた。 元々彼女が着ていた服はないけれど、 似たような質素なものから、 フィオーレのように華やかなドレスまで、 その場には誂えられていた。 ] “お忍び用に持ってきていたものもありますから、 お好きなものを選んでくださいね。 私はまた、新しく揃えられますから。” [ なんて、一言も添えただろうか。 真新しい服に、袖を通してもらえたなら、 行きましょうか、と ホールへ一緒に行くことだろう。 ]* (134) 2020/09/29(Tue) 10:39:05 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 触れるのが怖いほどに薄く美しいカップに 指を絡ませるアリシア様の動き>>@19は 音もなく流れて。 優雅で気品が漂う名家のお嬢様そのもので、 思わず見惚れてしまうほど。 返された言葉>>@20、>>@21にはあら、と 僅かに眉根を上げながら、懐かしそうに、 時には嬉しそうに見えるそのお顔を 覗きこむようにして、小さな頃の思い出を 話してくださるご様子に聞き入っていました。 ちょっと、意外。 私はてっきり…別の方のお話が出てくるのかと 思っていましたので! (135) 2020/09/29(Tue) 10:46:19 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 少しわくわくした様子でこちらにも 同じ質問を囁くアメリア様の吐息が、 お茶の香りで私の耳に届きます。 ] わ、私は神の子ですから… そもそも男の方にお目にかかることも ありませんし。 あ、でも… [ そう言って、やっぱり口を閉ざして。 アメリア様と同じように、カップを手に してみたけれど、どうにもガチャガチャと 音を立ててしまっては、あわわ、と なるのでした。 ] (136) 2020/09/29(Tue) 10:47:57 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ(優しい方は、良いですね… お仕事に熱心で、課せられた使命に忠実な 瞳は、とっても素敵だなぁと思います ) [ 私の頭の中には、どなたのお顔が 浮かんでいたのか、なんて。 それは言わないから、少し、笑って。 ]* (137) 2020/09/29(Tue) 10:50:40 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ お好きな物を選んでくださいと仰る、 その美しい方を見つめながら、たくさんの それはそれは豪華な素晴らしいドレスを前に 私はただただ目をぱちくりさせていました。] あの、私、お代を持っていなくて… [ 申し訳なくて俯いて、小さく伝えたけれど、 恐らくそれは笑い飛ばされたでしょうか。>>134 おそるおそる触れるそれらは、私でさえ それと分かる、高価で贅を尽くした 素晴らしいものばかり。 ……その中で一着。 薄い オレンジ色 のワンピース。飾りもなにもない、シンプルなそれは、 あの日の茜の空を思いださせるよう (138) 2020/09/29(Tue) 11:19:39 |
【人】 教会住みの娘 エヴィこれ、着ても良いですか…? [ あの日見た夕陽は、生涯忘れることのない、 私の宝物。 頷いて頂けたなら、少し跳ねる心と震える腕を どうにか抑えて、袖を通したでしょう。 色のある服を着るのは初めてだと、 小さく呟きながら、その方について ホールへ向かうのでした。 ]** (139) 2020/09/29(Tue) 11:21:34 |
【見】 病弱貴族 アメリアね、今度一緒になにか作ってみない? [ 恋愛話からの転換は、 自身にとっては繋がっているもの。 作ったものを誰かにプレゼントするというのは なかなか悪くないものなのだ。 なにを作るのがいいか考えつつ。 彼女と、彼女の考える誰かが 上手くいくといいな、なんて。 友の幸せを願うくらいなら 神様も叶えてくれないかしら。 ]* (@24) 2020/09/29(Tue) 11:23:35 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ そういえばなぜこのホールに再び案内して くださったのか今一つわからないままにここへ 来たのですが、そこに並ばれている方々の 錚々たるお顔を拝見して>>78、 そうか表彰式が行われるのだとようやく 理解しました。 私が初めて身にするオレンジ色のワンピースを きゃっきゃと褒め讃えてくれる、 愛しい妹や弟たちに、じんわり顔が 赤くなるのを感じながら、 それでもあふれ出る笑みは止められないままに、 またしぃー、っと人差し指を唇に当てて、 舞台に目を向けるよう促して、 自分も同じようにしたでしょう。 ] (140) 2020/09/29(Tue) 13:37:22 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 粛々と、告げられて行く、音の評価。 4位の発表があった時、私はあっと声を 上げてしまいました。 あれは、あの時の、異国の方…>>0:5 やはり、受賞された! あぁ聞いてみたかったなぁと少し残念に思いながら、 その方に精一杯の拍手を送ります。 その方の表情までは見えないままに、 その内のお心など知る由もなく 皆様それぞれに、出だされた結果については 思うこともおありなのでしょう、 涙を流される方や、うずくまってしまわれる方の 姿まで見えて>>83 胸の奥がぎゅっとするような、 なんともいえない心持ちになりながらも 改めて、この国の持つ音楽の力というものを 身に染みて体感していました。 ] (141) 2020/09/29(Tue) 13:40:17 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 2位の方々はまた、見たことがないお姿の 異国の方のようで。 その音を聞いていたらしい子供たちは 興奮気味に、口々にその素晴らしい音楽に ついて私に聞かせてくれるのでした。 (ちなみにこの子たちの興奮交じりの 拙い説明では一体どのような音楽なのか、 さっぱり理解が出来なかったのですが、 それは口にも出さずに、そう、そう、と にこにこ聞くに留めていました。) (142) 2020/09/29(Tue) 13:44:31 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 聞き間違えでしょうか。 あの時も、素晴らしかった>>1:273、と 言ってくださった方 宮廷楽長だと知りました 君が今年の最優秀者だ>>82、と 私の名を、呼んでくださるのです。 私はなにが起こったのか全く分からずに、 ぽかんと口をあけてただ立っていました。 …随分と間抜けな姿だったと思います。 ] (144) 2020/09/29(Tue) 13:50:16 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 次の瞬間、周りにいる子供たちが、 わっと歓声を上げて、ぴょんぴょん跳ねては 私に飛びついて。 そのまま私の身体は皆にのしかかられて ぺしゃんと座り込んでしまいました。 ぽかんとしたまま見回す子供たちの顔は、 笑っていたり、わんわんと泣いていたり。 その様子を見て、あぁまさか本当に、と 視線を上げて、見えた世界>>83…… 呆然としながら、ふと少ししわが寄った ワンピースに、子供たちの涙と鼻水の 後を見つけては思わずぷっと吹き出して。 そっと子供たちを撫でながら立ち上がり。 あの日と同じように、押し出されるようにして、 ふわふわとする足元を確かめながら 他の受賞者の方々と並ぶ場へと立ったのでした。]* (145) 2020/09/29(Tue) 13:55:52 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン―表彰式・宮廷 舞踏用大ホール― [5位から1位までの発表へ静かに耳を傾け 全ての発表が終わると、 真向かいの挑戦者たちの方へ顔を向けた。 泣き出す者、祝福する者達に混じって まるで落胆するかのように立ち尽くす6人を見て>>122 少しばかり胸が痛んだ。>>123>>124] (……嗚呼……) [遥々我が国に挑戦をした、 そして私が良き好敵手と認めた彼の表情。 内心で心を痛めつつも、私は審査員として 中立な立場の顔を貫くしかなかった。] (146) 2020/09/29(Tue) 13:57:47 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[2日目の合議で私が推したのは 最優秀者に選ばれた娘と>>81>>82 ────そう、かの6人組。>>2:197 前者の才能は国内はおろか国外でも 名声を得られ、宮廷楽士としても 十分に渡り歩ける実力と性格と思われる点。 後者は我が国には無いであろう新たな気風、 何この国を背負う若人達の反応を見るに>>2:256 彼らの音楽はこの国へ革新をもたらし、>>2:257> 化学反応を巻き起こす可能性があるとの期待。>2:262 6人組の舞台はもうこのコンペでは無い。 道を極めし者達や宮廷楽士等にも 決して引けを取らず渡り合える実力だと、 奇しくも彼らが抱いていた確信と>>122 同じことを私も考えていたとは、今は気付けずに。] (147) 2020/09/29(Tue) 13:58:14 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン[けど、6人組の推挙に一部から待ったが掛かった。 待ったを掛けた者は実力を十二分に認め 他の参加者とは明らかに一線を画していたと 明言した上で、こう見解を示す。 若者達を中心に絶大な支持を受けていたが 一部の層の反応は芳しくなかったこと。>>2:256 また、彼らの音楽分野を嫌う層もいること。 最優秀者に選ばれた際 多くの国民が結果に納得するのかどうか、 その懸念を指摘として上げたのだ。 実力そのものは申し分ないと 全員の見解が一致したため 合議は難航の末、最終的に4位という形に。] (148) 2020/09/29(Tue) 13:58:34 |
【人】 平台の宮廷楽士 メイレン 『続いて、審査員の皆様による 審査員特別賞の発表に参ります。』 [彼ら含めた5組が賞状と商品を受け取り>>124 再度元の位置に戻ったのを確認し、 司会が次の章の発表に移る。 審査員特別賞──>>2:184>>2:185] 宮廷楽士になる権利は無いものの、 各審査員が自分の意思でこの才能を世に出したいと 思う者1組をそれぞれ選出する賞。 どの審査員が誰に賞を贈るのかは、 たとえ審査員同士であっても発表まで知ることは無い。] (149) 2020/09/29(Tue) 13:58:50 |
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