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【人】 北神 翡翠かくして俺は、約束した時刻の指定された場所に現れた。 ホテルのロビーに入って、エスカレーターから見えやすい場所にでも立ってようか。 「……なんか懐かしいな」 一度しか訪れた事のないホテルだけど、周囲の光景は見覚えがある。昨年のちょうど今頃、君とここでロマンチックな一夜を過ごした事はいい思い出だ。 あの日あの時この場所で、 君としたあれそれを頭の中で呼び起していたら、エスカレーターの方からたくさんの賑やかな声が聞こえてきた。 「あ〜…あれだな」 賑やかな若者の集団、おそらく彼らが学園の卒業生だろう。 酒が入っているのか、楽し気に盛り上がりながらエスカレーターに乗って下りてくる。 (38) 2024/01/07(Sun) 1:26:59 |
【人】 北神 翡翠彼らは俺より一年後輩だから、中には在校中に多少交流のあった顔もあった。向こうもこちらに気付いたのか『北神せんぱ〜い』と呼ばれて手を振られる。 おいおい、声がでけーよ、と周りからの視線の痛さに身が竦む思いをしながら、手を小さく振り返した。 まあでも、一年ぶりの再会に嬉しそうな顔を向けられれば、俺も悪い気はしなくて、 「ひさしぶり〜、元気そうじゃん。 卒業おめでとう。 ん? ああ、俺も元気だよ。 えっ、写真?いいけど。撮ろっか?って、 俺も一緒に?あ、ハイハイ」 卒業したては記念写真を撮りたがるものかな。 その気持ちはなんとなく分かる ほろ酔い気分の後輩に腕を引かれて、適当なその辺を背景に写真を撮った。その後で何故ここに居るのかと、今更ながらに訊かれて、 「いやぁ、 君たちに卒業おめでとうが言いたくて待ってたんだってウソ。 あ、おめでとうがウソって事じゃなくて、 待ち合わせだよ。ここでね」 何もここに居る全員が、俺と海瑠の関係を知っているわけではないだろうから、少しだけ言葉を選んで慎重になる。 でも、誰かが「瀬戸ですか?」って訊いてきたので、そうだよ、と頷いた。すると別の誰かが、会場にまだ居るのを見かけたと教えてくれる。 (39) 2024/01/07(Sun) 1:28:41 |
【人】 北神 翡翠「わかった。 じゃあ、もう少しここで待ってようかな。 うん、じゃあね、…───元気で」 ロビーから出ていく彼らに手を振って見送り、 再びこの場に一人取り残された。 (さて、俺のお姫様はいつ登場するかな) などと思いながら、再びエスカレーターの方を見上げる。 すると、程なくして君の姿が見えた。 「おっ」 今日はパンツスーツか。そういえば、君から服装については聞いてなかったな。 俺の前ではスカート姿が多くなったけど、君のそうした姿を見るのは、去年の暮れに写真を送ってきてくれた以来か。 そして、君を取り囲むキャピキャピ集団よ……。 (40) 2024/01/07(Sun) 1:30:11 |
【人】 北神 翡翠「……訂正。王子様、かな?」 思わずふ、っと軽く吹き出す。 滅茶苦茶モテてんじゃん、王子サマ。 とはいえ、その光景を見て湧いた感情は、羨ましいとか妬けるとかではなくて、純粋に愛しい、な訳で。 どんなにハンサムな恰好をしてても、 俺にとっては最高の彼女なんだよなぁ……。 君の姿を視線で追いながら、目の前に来るのを、待った。** (41) 2024/01/07(Sun) 1:30:32 |
【独】 北神 翡翠/* 新連載始まる() わーん、でも誕生日よりは短くしたい… 締めに向けて、書きたい事を書いてる感じ 後先考えてないので、村閉じに間に合わなかったらゴメン… (出来なくても泣かないぞ) (-140) 2024/01/07(Sun) 1:33:11 |
【独】 瀬戸 海瑠/* 新連載……!すごい 無理せずです……でも迎えに来てくれてうれちい プロポーズ受けてからかな<一人称 今までは自分、にすると伝わりにくそうなところと時々を私にしてたけど、これから増えてくんだとおもう (-142) 2024/01/07(Sun) 7:06:56 |
【人】 北神 翡翠君と合流してから、クロークで荷物を引き取る。 コートとボストンバッグが一つ、あとは卒業式で貰った花や贈り物が入った紙袋かな。 「たくさんもらったね、…なんか、女の子からのが多い? ん、……そっち持つよ」 そもそも男が卒業式でプレゼントを贈るとか無いから、 送り主は必然と女性なわけだが。 一番重そうなバッグを代わりに持って、ホテルの駐車場へ移動する。 「君が寮から送った荷物は今朝届いたよ。寮にはもう、 忘れ物はないかな?このまま家へ向かって大丈夫?」 君が寮で普段使いしていたものは、既にわが家に届いている。 段取り通りであれば、卒業式の後で部屋を引き払って、 最小限の荷物はこのバッグの中身だけ。 乗ってきた車の側まで来ると、後部座席を開けて 運んできた荷物をそこに置く。 (42) 2024/01/07(Sun) 10:48:13 |
【人】 北神 翡翠「それと、俺からも。卒業おめでとう、海瑠」 すぐに元の位置に戻すかもしれないけど、まずは君に 直接手渡したい。 両手が空いた君に差し出したのは、青い薔薇の花束。 数えれば花は21本あるはずだ。 一年前に青い薔薇を4本、俺にくれた君なら意味は伝わりそうだね。 そもそも、薔薇の本数にも意味があるとは、この花束を買うまで知らなかったけど。 「あと、これも。バレンタインのお返し」 続けて渡したのは、小さい紙袋。 中身はマカロンだ。今日はホワイトデーだしね。 マカロンもオススメだけど、パッケージに描かれた白い猫が可愛いので、気に入ってくれると嬉しい。 俺からの贈り物に、君が満面の笑みを浮かべてくれたかな。 カッコいいスーツを着てるけど、今の君は本当に女性らしいと思うよ。 好きだ。 「ふふ、喜んでくれたかな。 良かった。……それじゃあ、いこっか」 君を促して一緒に車に乗り込む。 目指す先は俺の…───今日からは、二人で住む家だ。* (43) 2024/01/07(Sun) 10:55:57 |
【人】 北神 翡翠渋滞に遭う事もなくスムーズに移動したが、 家に到着したのは結構遅い時間だ。 車を停めて、君を家まで案内する。 敷地内にある離れの一軒家。去年の正月にも一度来たよね。 一階、二階あわせて3LDKだけど、二人で住むには十分だろう。 今後家族が増えたら、増改築等やり様はある。 俺の両親は既に母屋の方に越していて、空いた部屋には君の荷物が運び込まれていた。 君の実家から届いてる分もあって、 君の手で荷解きされるのを待っている。 「今日はもう遅いから、荷物の整理は明日からにしよう。 あと、うちの両親に会うのも明日でいいから」 両親や祖父母は同じ敷地内にいるけど、別居という体だ。 初めは何かと顔を合わせる機会が多いかもしれないけど、基本あちらから干渉してくることはない。母も祖母もそうして良好な関係を築いてきたから、君もそうだといいな。 「君は今夜、このベッド使ってね」 夫婦の寝室になる部屋に、ツインのベッドがある。 両親が使用していたものだが、マットレスや寝具は新しいものに交換済だ。 君のバッグを同じ部屋に置いてから、居間へと案内する。 (44) 2024/01/07(Sun) 12:20:29 |
【人】 北神 翡翠「後で風呂にも案内するね。 とりあえず、お茶でも入れようか。 緑茶?それとも、ミルクティーがいいかな。 カフェインを気にするなら、ハーブティーもあるけど」 リクエストを聞きながら、君にお茶を振舞うのは 久しぶりだなと感じ入る。 俺が寮にいる間はよく入れたものだけど、 離れ離れになってからは、その機会も失われていた。 君の分のお茶は、青薔薇が描かれた白いカップに入れた。 やっぱり君って、青薔薇のイメージなんだよね。 それに、さっき手渡した花束に足すと22本になる。 意味は「ふたりで歩いていこう」だったかな。 「……お待たせ」 二人分のお茶を運んで、ソファーにいる君の隣に腰を下ろす。 君の手元にカップが移るのを見ながら、こっそりと、そのような意味を込めて。* (45) 2024/01/07(Sun) 12:22:17 |
【人】 北神 翡翠リビングでお茶を飲みながら、今日起きた事について 君から色々な話を聞いた。 俺も知ってる先生の話は懐かしいな。あと後輩たちもね。 会話とお茶を楽しんだ後は、家の中を一通り案内した。 寝室は一階、俺の部屋は二階。 いずれ俺も一階で寝る事になるけど、今夜は君も疲れて いるだろうし、俺は二階の自室で休むつもりで、 「何かあったら呼んで。 呼びに来るの面倒だったらLINEでもいいよ。 じゃあ、また明日。……おやすみ」 って、君を寝室に残して部屋を出ようとしたけど、 後ろから腕を引かれて、立ち止まった。 引き留めてくれる事を期待しなかったといえば嘘になるか。 君の方へと振り返って、肩にそっと、手を置く。 「……今日は朝早かったでしょ? 疲れていると思ったから、今夜は大人しく一人で寝ようと思ってたのに」 これから二人で過ごす夜は、いくらでも来る。 そう思ったからこその別々だったはずだけど、…─── (46) 2024/01/07(Sun) 13:43:47 |
【秘】 北神 翡翠 → 瀬戸 海瑠不意に君の服装に目が留まる。 バシっとクールに決めた、ハンサムなスーツ姿。 今後はこのような服装の君に、お目に掛かる機会が減るかもしれない……なんて考えたら、思い出してしまった。 去年のクリスマス前に送ってきてもらった写真を見ながら、 君に対して抱いた邪な欲望を、>>1:-3 「……明日は一緒に、寝坊する…?」 ゴクリと喉が鳴りそうなのを、首を傾げて誤魔化す。 悪戯っぽく笑いかけて、肩に置いた手を君の頬に移した。 手のひらで頬を丸く包んで、唇を重ねる。 (君の首元のタイを俺の手で解きたい) 以前から抱いていた、秘密の欲望を叶える好機が訪れて、 腹の底にじわりと熱く、仄昏い愉悦が澱んだ。 (-146) 2024/01/07(Sun) 13:44:27 |
【墓】 北神 翡翠真新しい寝具の上に、君を押し倒す。 美男子風な君の服をひん剥いて、女体へと暴きたい欲望はある>>1:11ものの、仕立てのいい服をグチャグチャにしたい程、分別が無いわけではない。 たぶん 出来るだけ皺にならないように気遣いつつ、 でもやっぱり性急な手付きで、君を裸にしていく。 「……ねぇ、やっぱり今日はまだ着けないとダメ? 三日後に君の苗字が北神になるまでお預けかな」 君の体を散々弄って鳴かせた後、蕩けたような目つきをしている君の手のひらに、ゴムのパッケージを握りこませながら訊ねる。 「君に、選ばせてあげる。 着けるんだったら、君の手でして。まだ上手に出来るよね…? ナマでいいなら、こっち来て……俺に乗っかって」 覆い被さっていた君の体から身を起こし、 ベッドの上に胡坐をかく。 俺の勃起した逸物を包むのは薄い膜なのか、 それとも君自身なのか。 ベッドに横たわる君を見つめながら、この先の行動を予想して、 ……口元に薄く、笑みを浮かべた。* (+53) 2024/01/07(Sun) 13:45:19 |
【人】 北神 翡翠結局、一つのベッドの上で共に朝を迎えてしまった。 まだ眠たい体を起こし、二人でベッドから這い出ると、 浴室に一緒に入ってシャワーを浴びる。 俺の部屋も早く移動しないとな、と決意して 新しい一日がスタートした。 (47) 2024/01/07(Sun) 15:15:55 |
【人】 北神 翡翠──三日後── 今日は俺の誕生日。 そして、役所へ婚姻届けを出そうと決めている日だった。 22歳で結婚って今では相当早いかもしれないけど。 君なんて、21歳だしね。 でも結婚出来る年齢だし成人もしているし、本人たちや周りに不都合がなければ、何ら問題はないはず。 今日は日曜日だけど、婚姻届けの受付は24時間365日 いつでも可能だ。 俺たちは普段着だけどちょっとだけいい恰好をして、 一緒に区役所まで出かける。 「よろしくお願いします」 夜間休日受付に回って、守衛さんに婚姻届けを 渡して預かってもらう。 二人で同時に頭を下げて、一緒に区役所の門を出た処で 「イエーイ」 君を促して、勢いでハイタッチをした。 君の左手薬指には、誕生日に贈ったダイヤモンドが輝いている。 (48) 2024/01/07(Sun) 15:16:20 |
【人】 北神 翡翠婚姻届けを出した後は、二人で式場に赴いて打ち合わせ。 三か月後に控えた結婚式の段取りは着々と進んでいた。 いつもの担当の人に、届けを出してきましたと報告したら、 早速「おめでとうございます」と祝福される。 へっへっへ、なんか照れくさいな。 君と目を見合わせて、はにかみつつ頷いてみたり。 そして、今日は君の衣装合わせ。 前回選んだウェディングドレスを、今日はお試しで 着る事になっている。 「……うっわぁ……すごい……、綺麗だ……」 頭に乗せたヴェールから裾の長いドレスの先まで、 純白のレースをまとった君があんまり綺麗で、 俺の語彙は完全に喪失した。 (49) 2024/01/07(Sun) 15:19:01 |
【人】 北神 翡翠似合う、似合いすぎるっ 君は世界一綺麗な花嫁さんだよ 君以上にこのドレスが似合う人なんていないよぉ 頭からピヨピヨ花を飛ばしまくってヘヴンモードの俺。 撮影許可が出たから、見境なく撮りまくった。 (50) 2024/01/07(Sun) 15:19:36 |
【人】 北神 翡翠その後は二人で休日デート。 のんびり買い物したり、夜は俺のリクエストで焼肉に行ったり。 来年にはまた、君の誕生日に行ったレストランで 二人の記念日を祝福しようか。 帰り道に、隣に並んで歩く君と手を繋ぐ。 この後お別れする事もなく、同じ家に帰れることが どんなに幸せなことかと噛みしめる。 「これからも、よろしくね」 日々を二人で重ねて行こう。 楽しい事は二人で二倍に。 悲しみや苦しみは、二人で分け合って半分に。 一緒にいる間はずっと、御神籤の結果は 大吉 だ。* (51) 2024/01/07(Sun) 15:24:26 |
【独】 北神 翡翠/* なんかエンディングに向けて前村のログ読み返してるけど、 早く結婚したいなぁ〜って言ってるw 遂に念願叶う時が来たと思ってしみじみしてる あと将来生まれてくる子の数は二男二女だったかしらね 多すぎたらごめんね(?! こっちはロルで触れる予定はないけどね (-151) 2024/01/07(Sun) 17:04:15 |
【独】 北神 翡翠/* おつかれさまです! えへへ、どれも嬉しい…よかった。 わたしもHappy(⋈◍>◡<◍)。✧♡ 子どもは海瑠そっくりの男子だったよね、みるお 次が双子の女の子か。 一男二女だね。双子はひすいちゃん似だった気がする えへ、いっぱいゆるしてくれてありがと♡うれち (-153) 2024/01/07(Sun) 18:14:07 |
【置】 北神 翡翠昨年の夏、 二人で海辺の洞窟を探検した。 カップルで訪れて契りを交わすと、 二人は将来ずっと幸せになれる、 という言い伝えがある場所。 安っぽい都市伝説にも聞こえるような内容なのに、 とても興味が引かれた……いや、期待を込めていた。 二人で共に歩む先に、 幸せがずっと続きますように、と願っていたから。 (L3) 2024/01/07(Sun) 18:46:14 公開: 2024/01/07(Sun) 18:50:00 |
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