[ほら、その顔。>>289

何故だろうね。
君の笑顔を見ると


君の笑顔をもっと見たいと思ってしまうよ。]



[夜空に咲いた大輪の花火と
隣で咲いた笑顔の君
いつもは遠くから眺めることが多かったお祭り
今年も同じだと思っていたけれど
君と一緒だったお祭りになった。

これは必然か偶然か

人の運命とは偶然でも必然でも
面白くできているものだ。]

[静寂が戻った場所で
君が帰ろうと差し出した手を見上げて数秒>>291
と笑ったその口元は楽しそうに笑っていたはずで。

「おおきに」と手を取って立ち上がる。
その動作に紛れて
油断しているであろう手を強く引き
その近付いてくる耳元に向かって。]

[耳から脳へ直接伝達して身体中にこの言葉が伝われば良い。
そうなるようにいつもより低い声を意識して。
そうしてイタズラ成功！とでも言うような意地悪な笑顔で。]

　あ〜……、

[この言葉を聞いたら君は怒ってしまうかな？
もっと怒ったり泣いたり笑ったり
いろんな君が見てみたいよ。]

**
　

── 泣いていたあの子の笑顔　──

[花火が終わり
再び一人になって足が向いたのはあの場所>>2:112
もう階段の噂話も無くなった場所>>2:70

次の年も気になって見に行ったり
してみたんだよ。

でもここに来ない方が元気な証拠だから
姿を探してしまうけれど見つけられなくてホッとするんだ。]

　お？　今年もある
　狐さんの形か〜！　かわええねぇ

[今年”も”、あった。>>246
この場所を知っているのはあの子しか思いつかなくて
そして今日はその姿も見えたんだ。
お裾分けの品はそれはそれは美味しそうで
狐さんへの贈りものであろうことはわかっているけれど
食いしん坊な俺が
さも自分のもののようにパクッと食べてしまうのだ。

あの時のように木の棒で狐の絵と一緒にメッセージを残す
これも恒例。やの時もあったかな。
こんな伝えた方しかできなかったけれど
君の姿を見れた今なら、きっと学校ですれ違いでもすれば
わかるはずだ。]

[名前も学年も知らないけれど
同じ学校なのだとしたら
君の姿を見つけることもできるだろう。
そうして見つけたら、
君の笑顔を見つけられたらこう言おう。]

　その笑顔とってもええね。
　そうやって笑っとると幸運が舞い降りるかもしれへんで
　

[君が何かに気がついたなら
シーっと人差し指を口元に当てて内緒だよのポーズ。]

　俺は三年の神田京平いいます
　狐さんって呼んでくれてもええんやで？

[そんな自己紹介から始めましょう。**]

── 夏祭り後　──

[夏祭りが終われば一時的に人の出入りは増えるけれど
またいつものような日常の風景が見られるようになった
そんなはなひら神社。
けれど変わったところもあって
祭りが終わってからよく見るようになった
一人と一匹。>>140

お祭りの準備の時に繋いだ縁で
「やあやあ、儲かりまっか？」なんて声もかけれるようになって。
冗談めいた質問には>>141]

　せやねぇ、狐は化かすから
　ご主人様を守ろうとワンちゃんは必至かもしれへんなぁ

　俺はワンちゃん
　ワンちゃんはパターン、何故か多いんよ

[落川先生の拾ったワンちゃんとは>>0:113
仲良くなることができたけれど
稲出くんのワンちゃんはどうだろう？
モフるかと聞かれればパアッと喜んでコクコク頷くけれど
いざワンちゃん…（黒鉄っていうん？強い名前やね！）と向き合うと
恐る恐る頭を撫でようと手を伸ばすのだ。
もし吠えられたとしても
撫でれるまで挑み続けるという意気込みで。]

　
　ほ〜ら、
　おにーさんは君の大好きなご主人様のお友達やからね
　仲ようしたってや〜

　ね、

[すがるような目で
稲出くんに同意を求めるのだ。
彼の返事はどうだったか、そして無事に黒鉄くんをモフれたのか
それは二人と一匹だけが知っているとある日の出来事。**]

　
　── 花火の後　──

　

　そんな怒らんといてなぁ〜
　可愛い狐さんの出来心といいますか
　なんといいますか……

[掴まれたお面に焦って慌てて>>356

どうどう明菜ちゃん。と声をかけながらも
自分もお面に手をやって取られまいと
繰り広げられる。

だったのだが
明菜ちゃんがなのか
]

[半ば泣き声のような震えた声で仮面の無事を確認して
サッと元の位置に装着。
おかえりお面さん。]

　見た？　あーもう
　いいですか？　君は何も見ていません
　
　

　

[しくしくとしおしおとダメージを受けているけれど

お面を外したのは一瞬で
ちらっと顔を見れたくらいのわずかな時間
でもその一瞬だとしても京平にとっては恥ずかしいものでして。]

[最後の最後で
これも素顔を出した影響か
吹っ切れたのか、
もしかしたらこれが本来のなのかもしれない。

**]

[祭りの後
これまたいつかの
後輩からの一言への返しの言葉>>-463
それは答えになっているようで
言葉遊びのようでもある
けれど言葉はないのだ。]