(a47) 2022/11/25(Fri) 12:24:37
[艶かしい女の嬌声が響いている。
豊満な肢体をくねらせて快楽を享受している様は、あらゆる男を虜にするものであろう。
ついスカリオーネの方ばかりに視線をやってしまうが、ブランシュが「美しく」「描き甲斐のある被写体」である事も確かだ。彼女の事もきちんと描画していく。
……念のため、多めに画材を持ってきていてよかった。施術はいつまで続くのか。
全てを描けなかったら、再び後悔するだろうから。]
[それでも、意識しないと男の方ばかりを見つめそうになってしまうのは。
元々、目当ての被写体がそちらであったからなのか。
あるいは“女”のサガであるのか。
]*
[女は、賛辞に笑みを返す。
自身の若き身を褒めたのではないこと
自身の音を。それを昇華させんとする有り様を
讃えたのだと理解しているからだ。
貴方は、正しく今の私を見てくれている。
故に女は、求めたのだ。
更なる美を花開かせる貴方の指を。
重ねる肌は汗ばみ、されどそれ以上に熱が
互いに渦巻き、本能を煽って止まず。
反射で股を閉じようとするのを理性が抑え
喰らえとの言葉に、向けるのは熱と、飢餓を訴える瞳を。
切っ先の感覚に、漏れる吐息は互いにか。
吐けども、熱は逆に燃え上がるかのよう。]
[沈黙。そして衝撃。]
っ。 あ、ぁ あ
[それは決して、快楽だけではない。
痛みと、熱と、質量を伴い、己へと突き刺さる。
其処に男女の爛れたような情愛はない。
己の情を向けるのは貴方が研鑽した美であり、
益々高ぶるその飽くなき欲に対して。
自身の美の糧として、だ。
故に、己が胎を喰らいつくすような剛直に
締め付けながらも艶肉は絡み付く。
破瓜の血で侵入者を濡らしながらも、女の本性の如く
貪欲に男を喰らおうとして。*]
[今、男には喜びがあった。
それは無垢な女の純潔を奪ったからではない。
女の『美』がまた一つ花開く実感があるからだ、それも己の手によって。
無垢であるはずの胎の中は剛直を強く締め付ける絡みつく。
柔襞が絡みつき男を離そうとはしない。
その筈だ、女はすでに快楽を知っている。
貪欲に喰らいつく女。
男はそれに応えるように、女に己を打ち込んでいく。]
そうだ、足りぬよな。
[共に満たされるのは一瞬のこと。
その次の瞬間から飢えがはじまっている。
貪欲で、強欲で、飽くことをしらぬ。]
私の全てが欲しいか?
[突き入れた剛直は入り口まで引き抜かれ、破瓜の血に濡れながら再び奥へと打ち込まれ、暴力的なまでの質量と勢いが女を犯していく。
それは、ただ獣性に任せたままの交合。]
[処女であったことなどお構いなしに、男はその欲望のありったけを女へとぶつけていく。
バチンバチンと肉のぶつかり合う音。
グジュグジュと接合部から漏れ出る音。
男自身を刻みつける様に、まるで傷痕を残すように、男は女を味わい喰らい尽くし、己が欲望を女へと捧げる。*]
[ 踊り子の衣装というものは、
その名の通り、舞いを美しく魅せる為だけに誂えるもの。
──つまり機能性などは二の次で
纏う下着も、衣装を損なわないようにと
肌が透けるような薄いレースのもの。
片足を上げさせられているせいで、
せめて隠したい場所も彼には見えているのだろう。
羞恥心が女の頬を赤く染め、体温さえ上がっていく。 ]
…………誰か来たら、責任取ってよね……。
[ そう、これは単に恥ずかしいだけ。
まるで何か期待するように熱くなる下腹部も、
本当は気のせいだって、言い聞かせて。** ]
ーー『責任を取るとは、しっかり見て貰うという事かな?』とは、言わないでおいた。
彼女の羞恥に耐える姿は、この上なく心の奥をくすぐるけれど、既にいっぱいいっぱいな彼女を更に追い立てる必要はないから。
「大丈夫、店の出入り口は私の使い魔が見張っている。
誰かが訪れれば、すぐに知らせてくれる。」
代わりに彼女が安心できるよう、見張りの存在を知らせておいた。
「触れるよ。」
彼女が受け入れられるよう一言入れて、はだけられた胸部へと手を伸ばして、片房をゆっくりと揉み上げるが、はたしてそれはどの程度の大きさだったろう。
肌の透けてしまいそうな下着ごしに、指をわずかに沈み込ませる。
彼女の体温も、胸の先端の感触も掌に伝わる。
緊張が逸れるように、ゆっくりと時間をかけて解して、時折その頂きを指で弾く。
十分に解し終えたら、もう片房も同じように、丁寧に解し上げていく。
「顔を上げて。」
また一言、彼女に声をかけてから、その唇に自らの唇を重ねる。
けれど、今度は唇を重ねるだけではなく、舌の先端で彼女の唇をつつく。
そうして、緊張が解れたタイミングを見計らって、舌の先端をわずかに潜らせていく。
そこで、また彼女の歯列をつついて、タイミングを見計らって舌の先端が僅かに潜る。
もどかしい程、丁寧に彼女の唇を開いて、ようやく互いの舌の先端が触れる程になりーーけれど、それ以上は深く差し入れることはしない。
「お腹、触るよ。」
一言。
彼女の秘所にはまだ触れない、その上の下腹部を緩く撫で上げる。
これも下着越し、無遠慮に手を潜らせる事はしない。
彼女を大切に、丁寧に、穏やかな刺激を与え続けていく。**
[男は別段性風俗のような術を施しているつもりはなく『美』肌に対する術理を極めていった結果、現在のところこうなっている。
男女の性別如何なく男の手は酷く心地好いのだ。
それは妖精の悪戯か、妖魔の悪意か、はたまた妖怪の悪事なのか。
男に眠る半分異質なものの為せる業なのかもしれない。
男が誤解していたのはリュディガーが描きたいのは施術風景と聞いており男なりに解釈すればそれは術を施した相手、現在の場合はブランシュを描きたいのだと思っていた。
よもや男自身を『綺麗』だと評しての請われだとは思ってもいなかった。
これもまた男がリュディガーを男だと誤認していたからではあるが、男は必死に描く姿に視線を向け頷きを返した。
ブランシュが気づいたのは同性であったからなのだろうがそれすらも男が気づくことはない。
男の集中は緩やかな光彩と水音、温かな室温と心地好さを齎す掌とは裏腹に張り詰めた弓のように研ぎ澄まされていた]
知っていますよ。
ブランシュお嬢様はこう言うのが好きだとね。
いつもより気持ち良さそうなのは俺の気のせいですかね?
[先までの心地好さから紙一枚程度の差で快楽は齎される。
男は『美』肌術を施すにあたり手を抜かない。
全身に隈なく触れ、隅々まで心地好さを与えてしまう。
心地好さを快楽に受け取ることはままある事で、ブランシュが最初に訪れた日に触れるだけ触れて終了を告げた時は――。
その時のことを思い出し男は小さく笑うとブランシュの耳元に囁きかけた]
[『美』肌の術理的に言えば男の術はほぼ終了している。
ここから先は別の『美』を求める儀式。
ヒト本来の欲求に従う古来よりよくある淫蕩の『美』。
男がリュディガーに視線を向けると視線は絡まったろうか]
最後まで、しっかりと、修めてください。
[次の段階に移ることを伝えると男はブランシュの着るチューブトップをずらしてしまう。
既に掌を潜り込ませているのだから容易く、むしろ窮屈になった場所から解放されることを望むかのように堕肉を集め男なら誰しもが見つめてしまいそうになる程の代物が露出された。
男は吐息を一つ漏らし、重力に従い左右に零れ落ちていく膨らみを掌で支えて振動を与えながらブランシュが望むその先端を再度摘まみあげた。
初めの指遣いは優しいもので伝わる振動も緩やかなものだ。
だが、親指と中指で根本から掘り出すように摘まみあげれば人差し指で先端に触れる。
先端に触れた指から伝える振動を強くし、指により振動の強弱を生み出せば不規則性がまた熱を誘う呼び火となろう]
少し……大きくなられましたかね。
最初は可愛らしいものでしたのに。
[ぷっくりとした乳輪を指で押し込みながら言葉を投げかけるが散々に触りきってきたのは男である。
更にと根本から先端へと搾り取るかのように指で扱いてやりながら疼きにも似た快楽を生み出していく。
『美』の一つの形とは思わず魅入ってしまうものであると男は思っている。
自身の『美』は誰かを魅入らせることはできようか。
常に疑念に満ちた路であるがブランシュの浮かべる笑みは、これもまた『美』くしいと男に思わせるものであった]
これも欲しいでしょう?
[男はブランシュとの視線の距離を縮めると薄らと唇を開き唾液に濡れた舌を見せた。
魔薬の煙を常から接種している男の体液はこれも魔薬のようなものとなっている。
この場で最も濃いそれが欲しければと、唇を近づけ欲しければ貪るようにとその位置で動きを止めた**]
[ 彼がその言葉を飲み込んだのは賢明だろう。
口にしていれば間違いなく女はそっぽを向いたし、
余裕もすっかり無くしてしまう自信があった。
使い魔、──という凡そ普通の人からは聞かない単語に
ぱちぱち瞬いて、それからこくんと頷いた。
少なくとも、誰かと鉢合わせる危険はないらしい。
……だからといって、緊張が消える訳でもないが ]
……、ん……
[ 受け入れる余裕を持たせようとしてくれるだけ、
十分に優しいひとでは、あるのだ。
──微かな相槌を返して、人よりも少し大きな胸へ
ゆるやかに触れる体温にふるりと震えた。 ]
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