【人】 踊子 リリー[ やり取りは、左程長いものでもなかった。 ただ、人と話すという行為を経るだけでも 抱えていた緊張は少しばかり解れていって。 その背を見送る時にはきっと、 血色を取り戻した頬を緩ませて見送ることだろう。 ] ご親切に、ありがとうございました。 ──貴方にとって、良いフェスになりますように。 [ そんな言葉も添えながら。* ] (58) 2022/11/21(Mon) 18:37:07 |
【人】 踊子 リリー[ 曰く。 ──彼の庇護下に抱えられるということは この街での成功≠ノ他ならない、と。 美を売り物にする者が、 喉から手が出る程に求め欲する、パトロン。 ] …………はい。 仰る通り、踊子のリリーで間違いありません。 探し物──ですか? [ 女が動けば、桃色と星空の髪が揺れ。 向けた瞳にも──よく見れば星が散っている。 有力者との会話というものに慣れぬ女は、 先とは別種の緊張を纏い、続く言葉を待った。 ] (60) 2022/11/21(Mon) 18:37:22 |
【人】 踊子 リリー[ そして。 継続した庇護や固定のパトロンというものを 未だ持ったことがない女には、 それだけで心臓が跳ねるような言葉が紡がれる。>>31 ] ……見て頂いたことがあるなんて、光栄です。 私で良ければ、お伺いを。 [ けれども、それを表に出すことはしないまま 柔らかに微笑んで女は言葉を返した。 この街で絶対的意味を持つ、其々の美。 ──女が武器とする美に、 権力や名声、庇護への媚びは不純物だ。 まさか彼が文字通り、物を探している訳ではあるまい。 予想立てを頭の中で組みながら 女は首元のリボンをふわりと揺らした。* ] (61) 2022/11/21(Mon) 18:37:26 |
【人】 踊子 リリー[ が、意味あるものばかりが美しいとは限らない。 ──彼の歌劇はその類だ。 言葉が伝わらなくとも、人に爪痕を残す。 いつか誰かに聞いた昔の話、 ラ・コスタで人気を博した著名な歌劇の名手── 過去の存在、実際見聞きもしたこともない、 そんな人物を想起させるくらいには。 演目は滞りなく進んでいく。 軽やかにステージを降りる彼を拍手とともに見つめ、 くす、と微笑んだ。 ] (67) 2022/11/21(Mon) 19:18:22 |
【人】 踊子 リリー[ ドアを開けた音もしないのに、 気付けば青年の姿は拍手の波に雲隠れ。 一度の邂逅で、随分と印象的な彼のことを 女はきっと忘れることはないだろう。* ] (68) 2022/11/21(Mon) 19:18:31 |
踊子 リリーは、メモを貼った。 (a15) 2022/11/21(Mon) 19:20:27 |
【人】 踊子 リリー初めてだったの。 まず真っ先に触れるのが、私の髪でも目でも無く 踊りの不自由さだった人なんてね。 ……彼、私に 「もっと自由に踊っても良いんじゃないか」って、 そう言ったのよ。 [ 機嫌を損ねた、なんてことはない。 何故ならば彼の指摘は至極真っ当なもので、 ──女も自覚していることだったから。 マスターに声を掛け、飲み物を二人分注文すれば 女は彼女へと一つを差し出した。 依頼の報酬は事前に渡してあるから、 これはあくまで、友人と飲みたいだけ。 ] (96) 2022/11/21(Mon) 20:52:01 |
【人】 踊子 リリーイルムヒルトは、どう? もっと自由に──何も気にすることなく、 なにかを奏でてみたくなる時は、あるかしら。 [ 小首を傾ぎ、彼女の瞳を見つめる。 この街で生き、共に美を披露する身であるが故に 彼女が見せる反応次第では、当然 深入りするつもりはないけれど。* ] (97) 2022/11/21(Mon) 20:53:18 |
【人】 踊子 リリー[ 行き交う人々が時折こちらを見つめている。 有力者の顔や、有名ではない女のことは知らずとも フェス前のこの光景は、確かに目を惹くものだ。 ふ、と息を吐いた。 ] ──このフェス中に、 私は……自覚している不足のピースを 己で埋めてみようと、思っています。 それが私の────美への、覚悟、です。 [ 自らが輝くためのステージを。 欲のまま望むなら、確かに今手を取るのが正解だ。 誰だって他人の敷いたレールを走り、 求められるがまま進む方が楽だから。 けれどきっと、それではまだ足りない。 私の求める美は ──……もっと…。 ] (122) 2022/11/21(Mon) 22:37:44 |
【人】 踊子 リリーそのうえでお気に召していただけたなら、 改めてお話を。 ……というのは、些か失礼、でしょうか? [ それを理由に手を引かれても止む無し、と。 女は背筋を伸ばしたまま、 すこしだけ眉を下げた。* ] (123) 2022/11/21(Mon) 22:37:46 |
【人】 踊子 リリー似てるかも。私たち。 私も、……私を探してる。 みんなが褒めてくれるのは、この見た目だから。 ……それに縛られちゃってるのかな。 [ 理由はきっと、私と貴女で違うのだろうけど。 顧客から求められるまま演奏をする、貴女。 観客から求められるまま舞いをする、私。 フードの陰でやや見えづらい貴女の琥珀色。 しっかりと見つめて、 周囲の客たちには聞こえないように。 ] (138) 2022/11/21(Mon) 23:31:54 |
【人】 踊子 リリーねえ、イルムヒルト。 次はいつが空いてる? 私、貴女の演奏で踊りたいの。 [ 内緒話が終われば、にっこり笑って したたかに次の予定を抑えにかかった。* ] (139) 2022/11/21(Mon) 23:33:01 |
踊子 リリーは、メモを貼った。 (a25) 2022/11/21(Mon) 23:35:14 |
【人】 踊子 リリー[ 男の姿が完全に視界から消えた後。 女はようやく強張っていた体の力を抜き、 長い溜息を吐いた。 ] ……やっちゃったかもなぁ、これ。 まあ、それはそうか……。 [ 緊張で冷え切った指先を温めるように握り締める。 どうにか忘れてくれないものか、と 叶いそうにもない願いが頭の中を過ったが。 とにもかくにも無理な話。 気持ちとは裏腹にきらきらと煌めく髪を靡かせ、 またひとつ溜息を。* ] (174) 2022/11/22(Tue) 19:27:57 |
踊子 リリーは、メモを貼った。 (a40) 2022/11/22(Tue) 19:28:54 |
【人】 踊子 リリー──────わあ……! [ 単なるメモ用紙というわけではなかったらしい。 開いた瞬間に、小さな小鳥たちが囀るように歌う、 そんな癒しを与える──術画のひとつ。 先程の人物は画術師だったらしい。 女の同業者にも一人、著名な画術師のファンがいるが 実物を実際目にしてみれば そうなる気持ちも分かろうというもの。 ] ……きれい。 もしまた会えたら、お礼がしたいな…。 [ 歌う小鳥の声は、女の心を落ち着かせてくれる。 大切にメモ用紙を仕舞えば、 ようやくその場から一歩を踏み出した。 ] (216) 2022/11/22(Tue) 23:04:30 |
【人】 踊子 リリー[ それと同時に思い出す。 ────『綺麗』なお嬢さん、と呼ぶ声。 ] 「リリー。 貴女の髪と瞳は価値があるのよ。 その二つさえあれば、貴女は星になれるわ。」 [ 己の肩を掴む、母の姿が頭を過っては消えていく。 舞うのなら、 ステップを踏む時は、いかに髪を美しく魅せられるか。 瞬きひとつも、双眸の色を映えさせるように。 好きに踊るのではいけない。 ────この二つだけは、欠けてはいけない。 ] (217) 2022/11/22(Tue) 23:04:34 |
【人】 踊子 リリー[ あても無くふらふらと広場を歩いていれば、 やけに熱気を帯びた人々の姿が目に入った。>>203 本番前になにかしている人でもいるのかと 遠目から伺おうとして、──止まる。 ] ………………。 [ いつかの日に、バーで見かけた青年と。>>143 彼と共に靴を鳴らしてステップを踏む、もう一人。 連れ、だろうか? >>204躓いてよろめく姿はお世辞にも上手い訳ではなく 仮面を着けた青年と並べば、技術に差は見える。 ──ただ。 何にも縛られていないような 何もかもが楽しいと表現するような、その笑みが どうしてか、目を惹いて離れなかった。 ] (218) 2022/11/22(Tue) 23:04:40 |
踊子 リリーは、メモを貼った。 (a46) 2022/11/22(Tue) 23:06:08 |
【人】 踊子 リリー[ この、美を何よりも尊ぶラ・コスタでは。 彼が抱えた傷痕は美の舞台から追いやられることも ──或いはそれ以上の冷遇を受けるであろうことも。 男の視線は、衣服や髪、瞳を辿るように動いていく。 女が持たざる者≠ナないことは明白だ。 故に差し向けられた『綺麗な髪と瞳』という言葉を、 にこ、と微笑んで受け止める。 ] 私は大丈夫です。 ……すみません、逆に心配させてしまって。 [ そう。彼の言う通り、怪我をしてしまえば、 …欠けてしまえば美しさは損なわれるもの。 真っ先に気にするのが肌なのか、とは思えども 確かにパーツの一部として考えれば 彼の指摘も正しい、のだろう。 ] (253) 2022/11/23(Wed) 10:48:06 |
【人】 踊子 リリー[ だが。 続けて零された四文字に、女は目を瞬かせ、 ──今日はよく不足の言及をされる日だなと 心の中で溜息を零した。 ] ……貴方から見て 惜しい、と思うのは、……どのような点を? ああ、いえ、不快に思ったわけではないんですが。 [ 本日二度目となれば、流石に聞いてみたくはある。 相手が身構えないように 穏やかな声での前置きをひとつ放ち、首を傾いだ。** ] (254) 2022/11/23(Wed) 10:48:39 |
踊子 リリーは、メモを貼った。 (a59) 2022/11/23(Wed) 10:51:24 |
【人】 踊子 リリー…………なるほど? 貴方の仰ることにも、一理ありますね。 ──この街では、心だけ美しければ良いなんて そんな甘い価値観……通用しませんから。 [ 男の語る美≠ヨの意識は、 少なくとも中途半端なものでもないのだろう。 真剣な両の目と、痛ましくも映る火傷痕。 肌の美しさを損なったが故の観点か、 もしくは元来の意識かはともかくとして 女は至って真面目な顔で、その言葉を耳に入れ。 「その見目で」と失笑することはしない。 ……この街を生き、この街で美を魅せる以上 そこから転落した人の姿は未来の自分だ。 ] (263) 2022/11/23(Wed) 15:00:41 |
踊子 リリーは、メモを貼った。 (a62) 2022/11/23(Wed) 15:02:56 |
【人】 踊子 リリー[ 彼がどこか安堵したように息を零すのを見れば>>267 緊張でもさせてしまっただろうか、と小首を傾いだ。 ──けれど、少し考えればそれも当然かもしれない。 持たざる者≠ヘ、この街では最下層の扱いを受け、 ヒエラルキーの下層へ押し込まれるのが現実。 ] ええ、貴方の仰る通りですね。 女神も──人々の思う美≠ノも正解はない。 [ 最善を尽くせるならそうあるべきだ。 同意するように頷けば、 真面目な面持ちの男性から、名刺が差し出される。 ] ――――――……。 [ 星の煌めく瞳で、じい、と彼を見つめながら 紡がれる言葉を邪魔することなく耳に入れ。 ] (289) 2022/11/23(Wed) 19:00:37 |
【人】 踊子 リリー悪い噂、というのは 貴方のその──お顔の傷痕に関する? ……そうであれば、別に、気にしません。 [ 彼の悪い意識≠知らぬのだから、 そこはともかくとして。 腕を動かし、彼の手から名刺を受け取れば 裏面の簡易な地図を確認し、懐へ仕舞う。 ] スカリオーネさん。 私は……踊り子のリリーです。 近いうちに、お店へ行かせていただいても? ……あ。予約とか、必要でしょうか。 [ 微笑んで名前を告げ、 彼の善意を受け入れる旨を、来店希望として口にする。 指摘の通り、踊る為の衣装は露出も多く 整えられるならば整えたいのも本音だからだ。 ] (290) 2022/11/23(Wed) 19:00:41 |
踊子 リリーは、メモを貼った。 (a66) 2022/11/23(Wed) 19:01:46 |
【人】 低速 リリー[ 覚えている。 水面のように、動くだけでさざめくように揺れた 姉の美しかった#ッの青。 ──失われた後の、周囲の冷笑。 知っている。 鈴が転がるよりも綺麗に、軽やかに鳴っていた 母の美しかった$コの音。 ──潰えた後の、…… ] (317) 2022/11/23(Wed) 21:16:01 |
【人】 低速 リリーそれじゃあ、ええと──── ……このあたりの日時なんかは、どうでしょう? [ 折角ならば、フェスの最中に訪いたいものだと 近しい日付を尋ねて。 彼が頷いてくれるならば、その通りに。 全てが終われば、最後に花咲くように笑んで ] ありがとうございました、スカリオーネさん。 良いフェスを。 また後日、お伺いしますね。 [ そう頭を下げ、彼を見送ることとなる。* ] (318) 2022/11/23(Wed) 21:16:04 |
低速 リリーは、メモを貼った。 (a74) 2022/11/23(Wed) 21:18:07 |
(a84) 2022/11/23(Wed) 23:55:31 |
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