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人狼物語 三日月国

167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】


【魂】 家族愛 サルヴァトーレ

【街中】
滑るように滔々と溢れるのは甘い言葉。
緩やかに長身を折り曲げて、扉の向こうの誰かにキスを落とす。二度、三度。挨拶のようでも戯れのようでもある交歓の後に、にこりと手を振って踵を返した。

男が出てきた建物は落ち着いた瀟洒な雰囲気で、全ての窓のカーテンが締め切られている。建物の全貌に対して入口が小さく、一見してどういった場所なのかわかりにくい。
それでもわかる人にはわかる​────娼館である。
ファミリーの経営する様々の場所に顔を出して回るのが、男の趣味を兼ねた仕事であった。
それは浮かれた祭りの最中でも変わらない。敵対組織のボスが死のうと変わらない。或いは仲間が死のうとも変わらない。

今日も家族たちは働いている。それだけで、普段通りでいる理由には十分だ。

時計を確認し、黒光りのする愛車に乗り込み、やがて次の場所へと向かおうとする。
(_1) rik_kr 2022/08/12(Fri) 14:12:52