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人狼物語 三日月国

167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】


【魂】 家族愛 サルヴァトーレ

溜まっていたものが溢れるような滑らかさで緑の髪が解け落ちる。白いかんばせが無骨なヘルメットの下から現れる。紫色の瞳同士が互いを見て、視線がかち合った。
案外可愛い子じゃないか。思考の一角が笑みを含んで呑気に揶揄う。

「男はみんな、狼にも狩人にもなるものだよ。女の子によってね」

可愛らしい問いには口元を緩めて返事を。
胸は自然に張って、足は肩幅。右手は拳銃とともにポケットに、左手の指で顎を擦る。男の一挙手から一投足から、嫌味のない自信が見て取れる。
しかしそうしながらも、やはり男は警戒を解かない。注意深く君の動作を見つめている。

「……頭をお上げ」

静かな声は、波の音に掻き消されず響くだろう。
男は、君の目的を掴みあぐねていた。
追われている間は、最悪の場合のことを考えていた。回避するにはどうするか、血を見た場合はどうするか。仕向けたのは誰か、目的は何か​────そんな当たり前のことを思い巡らせていた。
しかし今は違う。
仕向けたのは誰か、目的は何か。それは、当然気になる。というか、知らなければならない。……しかし、彼女からは敵意を感じない。それに必ず伴うはずの、暴力の臭いを感じない。
害するつもりがないのにつけたのか。害される可能性を知ってなお、のこのことここまで?

​────血の掟が頭を過る。彼女がノッテの者ならこれは、ファミリーにも逆らう行為だ。
であれば、尚更、なんのために?

「安心していいよ。人を嬲る趣味はないんだ。特に君のような可愛い子はね」
「端的に済ませよう。何が目的だい」
(_1) rik_kr 2022/08/15(Mon) 21:55:29