03:56:15

人狼物語 三日月国

167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】


【魂】 家族愛 サルヴァトーレ

>>_2

────勿論気づいていた。
正確には、そう断じていたわけではない。このIsola di crescente三日月島を取り合っているのはノッテファミリーとアルバファミリーの二大勢力である。しかし全くそれに二分されているのかと言うとそうではなく、第三勢力なるものやグレーゾーンも少なからず存在してはいる。だから最も大きな可能性として考慮しつつも、断定してはいなかった。​────
だってあるのだ。

だからこそ、男は僅かに動揺する。それを悟られないよう、服の下に隠した右の手の先だけを動かした。グリップを指の腹で数度なぞって、一瞬揺れた心を落ち着かせながら。

君の言葉を、黙って男は受け取っている。

目の前の女は敵意も見せなければ、無駄な挑発もしない。独断であると先に述べ、丁寧な謝意さえ滲ませて見せる。
裏がないかと探ってみるもそのようには見えない。隠されているのでもはぐらかされているのでもなく​────まっさらに。
……であれば、本心なのだろう。……本心なのだろう。
少なくとも男は今、そう判断した。

(_3) rik_kr 2022/08/16(Tue) 3:10:37