【墓】 額縁の外 卯波寂れた神社の縁側に座って、 ふらふらと足を揺らしている。 「二番目。おまけ。 ついてくるもの。 枠の外だけの子。 あははァ……何も変わってないんだ」 心からの対抗心を向けて、 心からの嫉妬を向けて、 そうして受け取った感情は、 『あなたも大切だけど、 他にも大切な人がいる』 という残酷な言葉だった。 連れてきてもらった子の肯定が心に染み渡る。 田舎の外に対する想いが消えて、田舎の中の気持ちだけになる。 周りの景色の綺麗さが、ひたすら毒となって、 自分の身体を蝕む──そんな、思いだ。 (+3) 2021/08/12(Thu) 23:17:52 |