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人狼物語 三日月国

94 【身内】青き果実の毒房【R18G】


【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>【食堂】 >>+85

「うるさい方がいい」

家に誰かがいるのが当たり前だった。
それでも時々、留守番をしたことがある。
テレビを付けたまま、硬い布団で寝たことを覚えている。

悲しいと言われれば、ややあって頷く。
あの時は恐怖心を覆い隠す為に、怒りを募らせたけれど。
怒りと恐怖の下に、悲しみがあったことに今気が付いた。

「え、うーん……」

何か、と言われて思案する。
あまり思い出したくない記憶を、隙間から少しだけ覗き込む。
黒い瞳と目が合って、すぐに目を逸らす。

「母さんに報いる気がないんだな、とか」

「だったら今ここで死んでも同じだ、とか」

――――なあ、そうは思わないか。リョウちゃん?

少年の夢は、そう言われて当然の形をしていた。
ルームメイトの言葉は全てが正論だと、きっと誰しもが納得する。
それが正論で生きていけない子供の神経を逆撫でした、ただそれだけの話だ。
(+87) 2021/09/27(Mon) 16:12:01