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人狼物語 三日月国

55 (R18)竜宮城


【神】 因幡 理恵

[気恥ずかしそうに逸物を撫でるフウタに、ぐっと口をつぐむ。「……フウタの『可愛がる』は信用できんもん」減らず口を叩きながらも、ぱたぱたと尻尾が揺れてしまう。
 二度も果てれば、体はくたりと疲れている。それでも、まだ欲しい、もっと欲しいと、ほとんど触れられなかった腹奥が疼く。
 もともと、我慢が苦手な性分なのだ。焦らされるのにも慣れていない。準備を整える間にも、何度もくすぐったさに身をよじらせながら、ようやっと湯船に浸かった。]


 ……月が、明るいの……


[フウタに背中を預けながら、ぼうっと空を見上げる。
 星空は、宝石箱をばらまいたように煌めいていた。その中心に、月が居座っている。
 白々とした光に、湯気が引き寄せられていく。満月に近いそれは美しく、見つめる間に妙な気分になった。

 温かい湯の中にいるはずなのに。背中の熱が、やけに気になる。フウタがただ呼吸をするだけで、敏感になった耳がぞくぞくと泡立つ。
 昼だって中途半端な状態で投げ出されたのだ。これ以上長くは我慢できない。

 ちゃぽ、と湯面を鳴らしてフウタに向き直る。]


 ……まだ、可愛がって、くれるんじゃろ?


[いたずらっぽく問いかけると、両頬をぺたりと包んで、フウタの唇に口づけた。]**
(G10) kumiwacake 2020/12/31(Thu) 22:17:55