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人狼物語 三日月国

167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】


【神】 花で語るは ソニー

【アルバアジト】
いつしか音もなく扉の傍に男が一人控える。立場上あまり顔を出すことのない人間だ。
そういう人間であっても顔を見せなければいけないような状況であることの証左だ。
でなければ、己が下手人だと疑われかねないというのも無い訳では無いが。

既に集まっている多くの人間と同じく、男もやはり相対するファミリーのトップが落ちたとて、
やたらに喜ばしく捉えてはいなかった。むしろ、表情は険しい。
集まりの中にいつ紛れたのかは不明だが、視線を感じれば軽く手で挨拶するくらいはした。

「話が通っているのならもっと早くにカバーストーリーを敷いてもいいだろうに、
 未だにどちらも浮足立って整えられないでいる。シニョーレ・エルネストからも話は下りてきていない。
 もしもこれが両名の内で計画された頭落としであるんだったら、
 巣ごと枝を切られた雛鳥みたいに喚き立てなくたっていいはずだ。
 どこのヤツが下手人にしたって内部に後ろ盾のない人間であるのは違いない、そうだろ?」

あくまで一意見として。されどまったく的外れということではないだろう。
互いの腹の内、どちらに爆弾が仕込まれているのかはわからない。
だが相手の中で元より反目的な勢力があって計画されたものであるなら、
既に尤もらしくこちらを敵として糾弾する動きがあったとておかしくない。
同時にこちらの中での計画ならやはり自分たちの耳に入っていないのは妙な話だ。
もしもこの機会を狙って仕掛けるならば、ボス以下有力者を落とす手立ては組まれているはずだ。

ギャングスターの死から数日。互いに銃口の向け先にさえ迷いがあるのは、
偶発的に生じたチャンスを狙ったのか、或いは混乱を起こすことそのものが、目的であるかだ。

「見慣れない人間が出歩いているんだってな、ヴィオ。
 オレもそう感じてる。ブラックマフィアの連中が酒店によく見える。
 混乱を聞きつけて乗り込んできたのかもしれないから早合点するわけにはいかないがね。
 だがああした外の手合を使ってアシのつかないように犯行を企てた線も、同じくらいにある……」
(G35) redhaguki 2022/08/10(Wed) 5:54:00