【神】 緑山 宗太朗時間が経った。辺りが暗くなるような日暮れにはまだ早いが、日は幾分か傾いたように見える。 地面の蒲公英はまだ光に照らされて、きらきらと光っている。 後ろ手には一輪の 花 を持って。さっき分かれた、花畑の中央で、スーツの襟をパシッと正して、貴女が来るのを待っている。 無事に来たら、「もう良さそう?」と小首をかしげて聞いた。 大丈夫そうなら、自分の手を差し出して、ここに手を乗せるようにと催促した。 左手を。 それ以外は、今は受け取れないらしい。* (G36) 2023/03/07(Tue) 23:50:14 |