【神】 殺人鬼 ルヴァ>>G90 ゲイザー 「……?」 焦点の合わない瞳で女を捉える。 先を促しただけだった。 ひょっとしたらサービスかもしれないな──そう思った気分屋、ゲイザーの背に手を回して思い切り抱き締めた。図々しい。 温かい、と思った。逆かもしれない。むしろ自分が冷たくなりつつあるのか。 「大丈夫だよ。」 喘鳴を漏らしながらも淡々と呟く。 そう、少し息がし辛くて体が痺れるだけだ。気分屋としては全然大丈夫の範疇なのだ。 「ゲイザーちゃん。あのね──」 女の背を撫でる。酷く愛おし気に。 「 好きだよ。 」「 幸せだよ。 」気分屋の言葉が形になることはない。 やがて、気分屋は女の手を取って、自分の喉元に持って行く。 そうしてやはり、嬉しそうに笑うだけだった。 「やって。」 (G91) 2021/04/26(Mon) 19:09:26 |