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人狼物語 三日月国

150 【R18G】偽曲『主よ、人の望みの喜びよ』【身内】


【人】 晨星落落 ヌイバリ

目を閉じて、しばらく後のこと。
部屋に皆が戻ってきて、無事な人もいれば無事ではない人もいて。
それは分かっていても、どうにも目を開けることができなくて。

指先だけが熱くて、頭が急速に冷えていく。
まだ息をしている。けれど、それだけだ。
側から見れば眠っているように見えるだろう。
寝ずに待ってる、という言葉を嘘にしないためにも、意識だけは保っていた。

このまま指先から燃えていっちゃったりしないかな。
そんな馬鹿なことを、熱に浮かされた頭で考えていたところ。

ぶす、と遠慮なく腕に針が突き立てられた。
そのまま薬液が体内に注入されていく。

「痛ぁ!?」


思わず声が出た。
と同時に、体の自由が戻っていることにも気づいた。

あれあれ、おかしいな。殊勝に覚悟を決めていたはずなのに。
目を白黒させながら、数日ぶりに会う女性の姿を見て。
ああ、結木さんのことを信じてよかったな、とだけ、
最初に思ったのだった。
(3) NineN 2022/06/13(Mon) 15:25:58