ー一日目:飼育場の着替え小屋ー
流るる血潮はフォボスにとっては雄の勲章のようなものでもある。
女を手に入れるために、或いは護るために戦い傷つくのは本望だ。
ヒトは血潮など見るのも忌避する者も多いのに
>>3タリィは気にすることなく身を赤に染めたままに腕の傷を治してくれる。
魔力抵抗のない肉体には治癒魔法もよく効く。
思っているよりも早くに傷は塞がり血も止まる。
名を呼ばれる。
問いかけてくるタリィにフォボスは自分のことを伝えていく。
自分がヒトの敵性種族であること。
これまでの生き方のこと。
そしてーー。*