【人】 酔吟 ミズガネ>>6 ウミ 「……もしかしてラサルハグの事言ってんのか?」 赤くて、ひらひら。 確かに金魚には彼女の事を思うと首を傾げますが、 容姿だけを形容するなら、まあ。くらいの顔。 「…………。俺は知らねぇよ。 協力者でも、協力者の協力者でも、それを誰かに教えて貰ったわけでもねーからな。ただ──」 「使えないんだろ、お前の様子見る限りだと」 自分が“協力者”なのを知っているのは、ある種の特異例なのは薄々感じていた。これが与えられた役割で、“協力者”とやらもそうなのかも、結局『金魚』には何も聞けずじまいだった。 ただ、テラスでぼんやり、 ほんの僅かに互いの棘を取ろうとしていただけ。 「……アルってあのガキか? そういや全く見かけなかったが…あれも消えてんのか」 帽子を弄りながら考える。己が殺したと思ったアマノすら、正確には本当に一度死んで、“神隠し”とやらにあってたとは聞いた。“協力者”を何故か認識できるのも、知っている。 「悪いが、俺もアイツに心当たりはねぇよ。 お前は俺らと違って単に消えた奴が見えなくなってるだけってしってたんだろ?……それで見つからないなら、機嫌でも損ねたか、逆に先に帰っちまったのかね」 (10) 2022/01/25(Tue) 23:20:09 |