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人狼物語 三日月国

167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】


【人】 狡兎 ツィオ

【アジト廊下】 >>11 幼馴染
両手が。力を失う。俯いた額が、マウロの胸に落ちた。

あの時、これくらいの聞き分けの良さが自分にあれば。
――お前たちを、自分の沈む深い深い闇に
引きずり込むことはなかったかもしれないと思うと。
喉奥から笑いが出た。

その笑いのまま、体を少しだけ離して、
俯いたまま言う。

「……テンゴさんの言うとおり、
 確たる証拠のないうちに表立って暴れるわけにはいかない。
 だったら、その証拠さえ掴んでしまえば、
 死にぞこない二人でも大きな花火が打ち上げられる。
 ――そうだろ、子猫ちゃん」

道の先に進み、振り返りながら両手を広げた。
聞こえる。声が聞こえる。――世界で何が起きているかが。
耳を塞いでも、何をしていても、聞こえてくる。

「ベイビーシッターに、後悔させてやろうよ。
 酷い夜泣きを――天まで届ける"悪ふざけ"でさ」

あの頃の悪童の顔で、悪童に対して提案した。
(12) reji2323 2022/08/22(Mon) 12:44:34