>>11 深和
「そうですか……」
大丈夫、はともかくとして。
提示された理由には納得したようだった。
思えばあなたは前々から耳鳴りだ何だと悩まされていたのだし。
顔色を窺う視線は、いつも通り気遣わしげなものだ。
「……すみません、少し立て込んでいて。
用事が終わったら連絡するつもりだったんです…」
やや口ごもるように言って、気まずそうに眉尻を下げた。
その後にあなたに倣うようにスマホを取り出せば、
後で折り返そうと目を通しただけになってしまった連絡と
もう幾つか新しく連絡が入っているのに気付いた。