【人】 酔吟 ミズガネ>>11 ウミ 「見かけだけならな……」 男女と呼んでいた相手を素直に称賛するのは何か癪らしく、そんな半端な返し。 「……アマノは、戻ってきた。 イクリールが無理矢理何とかしてな。 話は聞いたが、本当に見えなくなるだけで俺らの方ずっと見てたって言ってたぞ。神隠しってやつだな。……だからそんな落ち込んでたら、それこそあのガキが側にいてお前見てたら、悲しがるんじゃねえの」 落ち込む様子を見てため息をつきながら言う。正直、ラサルハグについては自分もまるでわからない。けど、あの子供の方ならそんな特殊な消え方じゃないなら、可能性はあるように思えた。 「だが、そもそもこれを知れたのもイレギュラーだろう。 根本的に決めないとだ。なあ、"協力者"。 ラサルハグが本当に去ったかどうか、確かめる手段は──夢から覚めるのを願う事、じゃないのか」 アマノは夢に引き摺り込まれてる感覚があると言っていた。解除条件なんか、知るわけがない。ただ、漠然と彼女がそれを願うか、拒否するか。いずれにしても何か鍵があるとは思った。だって彼女はラサルハグと"同じ"なのだから。 (12) 2022/01/26(Wed) 2:21:20 |