【人】 東天[決まった場所で舞うのは、旅路で数か所。 止り木のように渡り歩き、舞う、 榛名はその一つ。 決まった地ではある程度の言伝も、 先代、あるいはその前から引き継いでいる。 義肢の調子を診た技師、ほつれた裾を繕った職人、そのような恩人の名は、それこそ礼を欠かぬようにと。 そして、代替わりを悟られぬように、その地で起きた事件など。 舞手東天は、常にこの世に一人きり。 継いで、繋げ、なぞり、長く長く旅を繰り返す。 繰り返し染み付いた流麗な舞に、少女のような可憐さなどはない。 舞にはそれぞれ役割がある。 この男にただ、その役目がないだけで。>>#2**] (16) KNG 2022/04/11(Mon) 23:23:25 |