>>13 ミズガネ
──でも、
声が聞こえました。
目を閉じて聞いていた感情を読み取る力によるものではなく。
正しく身体を持った、声帯がある上で発せられた、愛しい人の声が。
「……コトハ?」
その結果を走り回って知ることが怖くて、足だけが氷のように冷たくて動けず空が見える庭の元、立ち尽くしていたユピテルは、いつかは辿り着くであろうミズガネと再開するでしょう。
それは貴方が自室に戻ってユピテルがいた時とはまるで逆のたちばにでもなったように、目があった貴方を見て、呆然と震え呟くようにその名を呼びました。