【人】 小さな心臓の サルガス>>4:14 朝の食堂 ブラキウム 「うん。うん、……そうだね。ごめんね。寝坊、しちゃって……。 ふたりとも、少し、遅れてるのかな。みんなつかれてるし、しかたないよね……」 言外に不安をいだきながらも、それを明確に言い表そうとはしなかった。 言ってしまえば現実になるような気がして。 聞いた者が眉をひそめたのも見ないふりして。 いつも以上に乗せられた品の少なく味気ない食事を並べて、それでも少しほっとした。 少なくとも目の前にいる彼の無事は確認できたのだ。 無事って、なんのことだろうか。 「……ちょっとだけ、へんなもの、見つけたりはしたんだけど。 でもやっぱり、これだって思うようなものは、見つけられなかったなあ……」 (16) 2021/05/30(Sun) 23:48:05 |