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人狼物語 三日月国

162 【身内】奇矯の森【R18G】


【人】 命灯癒光 リーディエ


「…………ぁ、………、」
ナイフが突き刺さる瞬間、リディの口から小さく声が零された。
柔らかな皮膚は凶器を飲み込み、痛みに顔を歪める。
疲れや異能による苦痛では見せずにいた表情だ。


「──────」
何かを伝えようと口を開くも、言葉は紡がれず。

ゴッ!
と鈍い音が鳴り、頭に強い衝撃が走る。

周囲を舞う光は先程よりも輝きを増している。
やがて天に昇るように、光は空へと舞い上がる。


「………は、ぁ……」
今にも崩れ落ちそうな体を留めるように、ノルの背に回った手は強い力で服を掴んだ。
そのまま体を預けるように膝は折れて、ノルが離せば地に膝を着く形になるだろう。

呼吸が荒くなる。視界はちかちかと明滅を繰り返していた。

まだ突き刺さるままのナイフは、白いシャツとカーディガンを赤く滲ませて。
透けるように柔らかなブロンドの髪は、たちまちその色を変えていく。
(17) 2022/07/26(Tue) 22:30:53