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人狼物語 三日月国

70 【第36回TRPG村】百鬼夜行綺譚


【人】 陰陽師 讃岐 氐宿

■1d 感情取得 鬼一返答>>1:15>>1:16


問い掛けに対して、細めた目が見つめるは、問うてきた本人である鬼一ではなく、この場に鎮座する”かなめ石”そのものであった。

「──占い、でありますか」

一歩踏み出せば石と石とが足の裏で噛み合って音を鳴らす。
簡易なものであれば、星を読めば伝える事は出来るであろう。
明日の天候の向きであるとか、向こう一週間の運の流れであるとか。
しかし、今求められているのはそれではあるまい。

「式盤がございませぬし、天地盤を作るための材木もありませぬから、簡素なものとはなりましょうが、望まれるのでありますれば」

そう告げて、近くにあった古木に手を合わせると、まだ青々しい枝の一本を折り取った。
咎める声があれば、それにはほんのりと笑って見せる。

「本来、讃岐が行う式占には楓の瘤と、雷で撃たれた棗の木で作った天地盤が欠かせませぬ。今は蓄えも邸に少々あるばかりですし、ここで木を削り始めるには少々お時間を頂きすぎるかと」

故に、と続けて樹液の滲みだす枝を地に向ける。

「古き木の生命を持って代わり、といたします。痛みの陰を持って地を、青々しい葉の命を持って天を描いて御覧に入れましょう」

時折天を見上げて星を読んでは、地に区切った天地盤の図を修正していく。
今は亥の刻、月南天にあり。北斗より巡る月将の位置を知識とも照らし合わせながら。
(21) mile_hitugi 2021/04/24(Sat) 7:38:26