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人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【人】 客 葉月

-かつての少年と-

[だだっ広い部屋にもだいぶ慣れてきた頃、道端で彼──大河くんのことを見かけた。

その頃の彼は果たしてどういう状況にいたのだろうか。
住む家が見つからなくて困ってた、ってこと自体を俺は未だ知らないのだけれど。

そのとき彼がどんな顔をしていたのかも知らない。
なんせ俺は彼を見つけたその瞬間、声をかけてしまったので]

あのっ!……あー、ごめんいきなり声かけて。

俺のこと、覚えてる?葉月佑一。定食屋でお世話になった……いや、覚えてないか。

[言葉を交わした記憶はある。名前を教え合った記憶も。
とは言えほとんど彼の祖母が間に入ってくれていたし、そもそも俺はあの頃からガラッと見た目が変わっているのだけれど。

温かい芋ご飯を頂いて、
「美味しいね、これ」

きっとそのくらいのものだろう。彼と俺のつながりなんて。

それでも]
(21) 2023/03/05(Sun) 4:57:34