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人狼物語 三日月国

162 【身内】奇矯の森【R18G】


【人】 命灯癒光 リーディエ


縋り付くように強く掴む今も自身の異能が発動し、苦しみを伴う。
それとは別に2人によって齎された傷がジクジクと痛んだ。

ノルが話す間、リディは熱のこもる吐息を吐き出すだけ。
彼は何を、言っているの……。分からない…。
……痛い、


「………………い、で……」

突然の小さな呟きは、貴方達に聞こえるだろうか。聞こえずとも、もう一度繰り返される。

「……ふざけ、ない…………で、」

服を掴む力は更に増し、仮に二度三度と殴られようとも言葉を止めない。

生きてる間であれば、"ずっと一緒"に笑って頷けた。
でも。それは、それは……違う。


「…………わ、たし……は、………あなた、たちの……。
…おもちゃ、じゃ…………、ない……っ」
「わたし、たち………は、……おもちゃじゃ、ない……の…ッ」
始まりが何か、リディは知りはしない。

知った中で同じ言葉を言えるのか、と言われても。
そんなもしもは、今は必要ではない。

「…あなた、たちの……しあわせ、を……………!
わた、し……に、…………押し付け、ないで………!!」
服を握っていた手を離し、叶うならその手でノルを突き飛ばす。

勿論支えを失えば、リディはその場に座り込むだろう。
少しずつ、天に昇る光の量は増えていく。
(23) 2022/07/27(Wed) 1:20:13