【人】 紅柱石 アンドレアス―喫茶店― [ガラーシャを首尾よく誘う事が出来た青年は、彼にコーヒーを一杯おごった。 旅の資金は自身の生んだ宝石を商人に売却して得たものだ。 紅柱石は紅玉や青玉と比べれば需要は落ちるが、黒い十字の模様が入ったものは守り石として異国に売れるらしい。 青年は店の中でこの前のお礼と、取ってくれた本の感想を彼に話した。 この本を書く為には各地の詳細な情報が必要だ。 著者や協力者達の地道な努力の結晶だっただろう。 精霊の司る力によって条件が違うというのも面白い、などと。 そう言った事を話した後、初版で欠けていた箇所を彼に尋ねてもみた。 そうして、旅の日々の話に移っていく。 本に書かれた中の一つ、精霊がいたと伝わる森に訪れた事があったが、結局森の散策で終わってしまった事。 初めて海を見た時に故郷の湖との大きさの違いに感動した事など。] 君の生まれはグラジアかい? [首都に馴染んでいるように思えるが、此処は各地から人が集まる場所。 グラジアに住んでいたとしても、彼も旅をした事があるのかもしれないと考えて。]* (27) 蒼生 2021/09/25(Sat) 22:55:29 |