>>2【三日月島:岬】
「ハッ……あんたと変わんねえよ。
海が見たかったから見に来ただけだ、悪いかよ?」
まだ誰の物でもないこの海は、罪に汚れていない。
少し自分には眩しいくらいだ。目を細めて、煙を吐き出す。
だからといって、それに特別な何かを感じられるほど感性豊かでもないのだけれど。
隣に来たことにも特に言及することはなく。
足元にいた猫は、新たなお客人の元に寄っていくのだろう。
「会議がああなるのは、もう慣れたもんだろ。
トップがやられてんだ、どいつもこいつも腹ん中煮えくり返ってるだろうよ」