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人狼物語 三日月国

94 【身内】青き果実の毒房【R18G】


【人】 7734 迷彩 リョウ

>>28 >>-154 >>a54 黒塚

視線が逸らされるのは、いつものこと。
しかし。
再び合わさったのは、記憶する限り初めてだった。

手を伸ばされた瞬間、体が強ばった。
ぐ、と逃げそうになる足を踏ん張り、きつく目を閉じる。
手は頭に置かれた。
恐る恐る目を開ける。初めて見る柔らかい表情が、そこにあった。

「……、」

ぐりぐり、大人が子供にするような撫で方をされる。
これも、初めてだった。
初めてのことだらけで、少年の思考は数秒硬直してしまう。
ようやく言われた言葉を理解したのは、その手が離れた頃だった。

「──
はああああ!?
ケンカ売ってんのかテメェ!!」

上書きするように自身の頭を撫でる。
体当たりで貴方を押し出し、勢いよく扉を閉める。
そうして、廊下には再び静寂が訪れた。

貴方が何故こんなことをしたのか、少年が理解する日はきっと遠い。
しかし、いつかその日はやって来る。
……彼は、この先も生きるのだから。
(29) 2021/10/04(Mon) 20:43:01