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人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【人】 厨房担当 マシロ

 ─ 出勤前・駅前 ─



[ それは本当に偶然だった。
  うさぎの穴のシフトは昼は非番で夜だけの日だったから、
  通勤のためにそこそこ大きな駅をそれはもう迷いなく
  足早に歩いていた大崎の足が
  ある一点で、ピタ、と止まる。

  視線の先には、出張スイーツ店の臨時カウンター。
  SNS流行を利用してかフォトジェニックが話題と知ってか
  撮影用の小さなブースで女子数名がはしゃいでいるだけだ。
  最近美味しいと話題の、しかしここからだと遠方にあるお店
  たまたま今日からの数日間、駅前で臨時出店するという。
  朝や昼と比べればお客さんも減って来ていたのか、偶然か
  大咲は少し遠くからでもショーケースの中身を眺められた。

  ────似ている、と思ったのだ。
 
あの日自分が作って、捨てられた、母の日のケーキに
 ]

 
(30) 2023/03/03(Fri) 5:20:06